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トヨタ・プリウス20周年記念!プリウスの歴史と、その燃費性能を振り返ろう

2017.09.06

「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーで、1997年より販売開始されたトヨタ・プリウス。今や街に一歩出れば見ない日はない、国産ハイブリッドカーの代名詞ともいえる存在にまで成長したクルマです。プリウスはなぜこのようにみんなから愛されるクルマになったのでしょうか? ここでは、プリウスの歴史を振り返りつつ、特に燃費などを中心にプリウスの性能に迫っていきます。

プリウスの歴史の前にハイブリッドの歴史を紐解こう!

プリウスの歴史について語る前に、まずはハイブリット車の歴史を紐解いていきましょう。実はハイブリッド車の歴史は意外にも古く、1899年にまでさかのぼります。現在のポルシェの生みの親である、フェルディナント・ポルシェ博士が製作した「ローナーポルシェ ミクステ」が現在のハイブリッド車の元祖であるといわれています。

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ローナーポルシェは、現在日産・ノートe-powerで採用されている、エンジンで発電した電気でモーターを駆動する「シリーズ式ハイブリッド車」でした。しかし、当時はバッテリーの重量や性能的な問題を克服できず、ハイブリッド車はいつしか忘れられた存在になります。

再び脚光を浴びたのは1975年、トヨタがこの年開催された東京モーターショーにセンチュリーをベースにしたガスタービン・ハイブリッド車を出展したのです。トヨタは1968年よりガスタービンエンジンの基礎研究を行っており、その後のオイルショックを機に本格的なハイブリッドシステムの開発を進める方向に舵を切りました。

その後の1977年の東京モーターショーでは、より小型のスポーツ800にガスタービン・ハイブリッドシステムを搭載し参考出品。再びハイブリッドが注目されるきっかけを作りました。ただ、この当時もモーターやバッテリーといった部品の信頼性が十分とはいえず、プリウスの開発は中断してしまいます。

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トヨタ・スポーツ800 photo by Mytho88(CC BY 3.0)

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21世紀のクルマとは何かと考えた結果に生まれたプリウス

再びハイブリッド車が話題に登り始めたのは、1990年代に入ってからでした。当時すでにEV(電気自動車)の研究が進み、市販も行われていましたが、価格が高く、一般ユーザーには手の届かない存在でした。そんな中トヨタ社内では「21世紀にふさわしいクルマ」とは何かを模索し始めます。

「50%の燃費改善」という共通認識の元、既存の内燃機関の改良などが考えられましたが、トップからの「燃費向上は、最低でも100%でなければならない」という大号令が下り、これを達成する道はハイブリッドしかないということで、再びハイブリッドの研究が始まることになったのです。

そして1995年の東京モーターショーで、トヨタは「プリウス」と名乗るハイブリッドカーを発表します。しかしこの時、トヨタはハイブリッドという名称は避け「EMS(Energy Management System)」という全く新しいパワーユニットであると紹介していました。

photo by トヨタ自動車株式会社

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誰もが手が届く未来、プリウス誕生

直噴エンジン、CVT、キャパシタを電源とするモーター/ジェネレーターをECU(コンピューター)にて制御する世界初の機構を持ったこのプリウス・コンセプトは、世界中から賞賛の声を浴び、このコンセプトをさらに磨き上げるべく開発が続けられました。

その後、1997年。トヨタは2台のハイブリッドカーの市販に成功します。1台はマイクロバスの「コースター」、そしてもう1台が「プリウス」です。

photo by トヨタ自動車株式会社

世界初の量産乗用ハイブリッド車となったプリウスは、発売当時のカタログ燃費(10・15モード)で28km/Lという驚異的な数字を記録します。これは当時の小型セダンの倍の燃費に匹敵し、トヨタは公約を果たしたかたちになりました。

初代プリウスが注目されたもうひとつの理由は価格です。同じクラスとなるカローラと比べると50万円高いということはありましたが、それでも「一般の人にも手が届く未来」を感じさせる分には十分バーゲンプライスといえました。

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より未来感を高めた、2〜3代目プリウス

こうして発売されたプリウスは、ハイブリッドという言葉を一般消費者に広める存在へと急成長していきます。2003年に発売された2代目では「ハイブリッド・シナジー・ドライブ」をキーワードに、環境性能だけでなく、力強い走りをアピール。

photo by トヨタ自動車株式会社

スタイルもより近未来的なものに一新し、空力性能が強化されました。この結果、10・15モード燃費は35.5km/lを記録。またしても世界最高水準の燃費を達成するとともに、「プリウス=低燃費のクルマ」というイメージを確立させてました。

さらに、2009年には、3代目プリウスへと進化。特徴的なトライアングル・シルエットはそのままに、先代プリウス以上に質感が高められました。プリウスは燃費性能もさらなる進化を遂げており、38.0km/L(10・15モード燃費)を記録しています。

photo by トヨタ自動車株式会社

またこの時代から、トヨタ以外の自動車メーカーもハイブリッド車に参入。海外ではシボレー・ボルトやメルセデス・ベンツ・S400ハイブリッドなどが発売され、特に国内ではホンダ・インサイトとプリウスの熾烈な販売競争が記憶に残っている方も多いことでしょう。

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更なる高効率を目指した現行プリウス

さて、2015年に発売された現行の4代目プリウスは、ハイブリッドシステムだけでなく、ボディメイクにも斬新な発想が取り入れられました。それが「TNGA(Toyota New Global Architecture)」です。

photo by トヨタ自動車株式会社
photo by トヨタ自動車株式会社

「もっといいクルマをつくる」をスローガンに掲げたこの手法は、最小限のコストで最良のクルマを提供するものとして、今後の採用拡大が注目されています。

この高剛性プラットフォームをベースにすることにより、高い走行安定性を得ることに成功し、効率をさらに高めたパワーユニットと相まって、これまでとはまったく次元の違う性能を実現しているのがプリウスの特徴です。

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なぜプリウスは、こんなに人気車種になったのか?

ハイブリッド車を身近な存在にした、プリウス。なぜこんなに人気車種になったのでしょうか。燃費や性能の魅力はもちろんですが、やはり、トヨタという会社が持つブランド力が大きいのではないでしょうか。

%e3%83%88%e3%83%a8%e3%82%bf%e3%83%ad%e3%82%b4photo by Tokumeigakarinoaoshima(CC0)

石橋を叩いて渡るほどの慎重な姿勢のイメージの大きいトヨタが、技術的に大きなブレークスルーを行った、この点も大きく評価されたといえるかもしれません。

また、プリウスのマーケティングはすさまじいものがありましが。ハリウッドスターをはじめとする海外セレブたちがプリウスを愛用しているという点も、一般消費者へあこがれを抱かせたひとつの理由といえるでしょう。

他社もプリウスの対向車としてハイブリッド車を発売してはいますが、これほど知名度の高いハイブリッド車はプリウス以外ありません。やはりどんな世界でも「先駆け的存在」ほど強いインパクトのものはない、ということですね。

次ページ 現行プリウスの実燃費ってどれくらいなの?

現行プリウスの実燃費ってどれくらいなの?

photo by トヨタ自動車株式会社

プリウスといえば、その圧倒的な燃費性能が大きな特徴としてまず思い浮かびます。現行の4代目プリウスも40.8km/L(JC08モード燃費)を記録しており、ガソリン仕様車ではNo.1となる低燃費性能を誇るクルマです。

しかしながら、プリウスのカタログ上での燃費と、実際に街中を走行した場合の燃費で数字が少々異なります。実際の燃費はどれくらいなのでしょうか?

一般的にカタログ燃費と比べて、街中での燃費性能はおおよそ60%、高速などでは80%程度の数値となると言われています。また、カタログで40.8km/Lとうたっているのは一番最低グレードの「E」グレードのみ。Eグレードは商用展開のグレードのため、現実として考えるならその他のグレードの37.2km/Lを基準として考えた方が良いでしょう。

つまり、37.2km/Lの60~80%ですので、実燃費は約22.3~29.8km/Lとなります。カタログの数値と大きくかけ離れているため、驚かれるかもしれませんが、数値としては比較的妥当です。

プリウスの燃費をより良くするためには乗り方にコツが存在します。それはなるべくEV走行を心掛けることです。走り始めの加速時はアクセルを踏み込んでバッテリーを温存し、不要なブレーキを避けて走行速度を保つだけでも効果があります。また、プリウスは前面のディスプレイでエコ運転できているか教えてくれますので、運転の支障にならない程度にディスプレイをこまめにチェックすると良いでしょう。

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文:イキクル編集部


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