自動車には色々な液体が使われていることはご存じだと思います。
例えば、エンジンオイル、オートマオイル、エンジンの冷却水、ウィンドウォッシャー液、バッテリー液、ブレーキフルードなどが思い浮びます。この中で、エンジンの冷却水、ウィンドウォッシャー液、バッテリー液を水道水に置き換えても大丈夫なのでは?と考えた事がありませんか。
また、普段、洗車で使っている水道水も実は自動車にとって優しくないということはご存でしたか?この記事では、自動車に水道水を使わない理由を紹介します。
エンジンの冷却水は水道水に置き換えられる?
水冷式エンジンを冷却するために冷却水が入っていることはご存じだと思います。
冷却するだけであれば、水道水に置き換えても大丈夫そうですが、実は、エンジンの冷却水の中には、水より沸点を上げたり、氷点を下げたりできる成分や錆を防止する成分が含まれています。
例えば、エンジンの冷却水の替わりに水道水を入れてしまうと、夏はオーバーヒートし易くなります。また、冬は気温が0℃以下になると水道水が凍って膨張しエンジンが破損してしまう危険もあります。
更に、錆びやすくなり、ウォーターポンプが故障したり、ラジエターが詰まったりする可能も考えられます。
このようなことから、エンジンの冷却水を水道水に置き換えることはやめて下さい。エンジンの冷却水は劣化すると機能が失われていくので、オーナーズマニュアルを見て、定期的に交換してください。
ウィンドウォッシャー液は水道水に置き換えられるか?
ウィンドウォッシャー液とワイパーと併用することで、汚れを落とし、視界を確保することができます。ウィンドウォッシャー液の中には水道水で薄めて使うタイプがあるので、水道水だけでも大丈夫だと思っている人がいるかもしれません。
ただ、ウィンドウォッシャー液には汚れを落とす成分が含まれているので、水道水では汚れが落ちにくくなります。更に、アルコール成分が含まれており、冬に凍結することを防いでくれます。
例えば、水道水を入れてしまうと、冬、気温が0℃以下になると凍ってしまい使えないという事態になることがあります。更に、ウィンドウォッシャー液に防腐効果もあるので、長期間、水道水を入れたままだと腐敗してしまう可能性もあります。
このようなことから、水道水に置き換えることはやめたほうがいいです。
普段から、ウィンドウォッシャー液の量を点検して、走行中に無くなることを防いでください。ミネラルウォーターを入れてしまうと、水道水より早期に腐敗する可能性があるので、やめたほうがいいでしょう。
バッテリー液は水道水に置き換えられる?
バッテリー液は、硫酸を精製水や蒸留水で希釈した希硫酸なので、水道水に置き換える事は不可能です。ただ、バッテリー液は充電中に水分が蒸発して減るので、バッテリー用の補充液を入れて補充します。
補充液の成分は精製水なので、水道水に置き換えられないか?
と考える人もいるかもしれません。しかし、不純物や薬品が含まれる水道水をバッテリーに入れてしまうと、放電率が高まり、バッテリーが発熱したり、発火したりする可能性があるので、絶対やめてください。
洗車で水道水を使わないほうがよい?
愛車の洗車に当たり前のように水道水を使っていますが、実は愛車にとって水道水は優しくないことをご存じでしょうか?水道水に含まれる不純物が原因でボディに水ジミができるため、水道水は使っていない業者がいます。
業者はボディに白い斑点のように残る水ジミによって輝きが半減してしまうことを知っているので、水道水の替わりに純水を使っています。純水には不純物がほぼ含まれないため、ボディに水ジミができることを抑制できます。
ただ、純水は水道水に比べ高価なため、洗車に使うことをためらう人もいると思います。水道水を使っても水ジミがあまりできないようにする方法は次の通りです。
・直射日光を避けて、曇りの日にできるだけ洗車を行う
・洗車が終わったら、水道水が自然に乾燥する前にタオルでしっかり拭き取る
以上の2点を守って洗車を行えば、水道水による水ジミは抑制することができます。
まとめ
エンジンの冷却水、ウィンドウォッシャー液、バッテリー液を水道水に置き換えられれば、手間を省け、ランニングコストも抑えられるので、期待した人もいたかもしれません。
しかし、紹介したようにこれらの液体を水道水に置き換えることができないです。エンジンの冷却水は劣化していくので、定期的に交換して下さい。バッテリー液やウィンドウォッシャー液の減少は、日常点検をしっかり行えば、把握できます。一方、洗車で使っている水道水は水ジミの原因になることは紹介しました。
水道水を使って洗車をする場合は、曇りの日を選び、水道水が乾く前に、タオルなどでしっかり拭き取って下さい。