3代目ホンダ インサイト!アメリカでは前年同期約46倍の伸び率!

     
   

「ホンダ インサイト」というと、正直日本では一体どんな車なのか、よくわからない人が多い車ではないでしょうか。

現在国内のホンダ車は「N‐BOX」や「フィット」が爆売れ中です。

実際のところ日本では「ホンダ インサイト」は影が薄い存在です。ところがアメリカでは意外に人気がある車です。

実は2019年上半期(1~6月)のアメリカでの新車販売台数統計によると、なんと「3代目ホンダ インサイト」は、前年同期の約46倍という驚きの伸び率を達成した車なのです。

では3代目ホンダ インサイトとは一体どんな車なのでしょうか。

今回は3代目ホンダ インサイトについて詳しくご紹介します。

3代目ホンダインサイトのカテゴリー

3代目ホンダインサイトのカテゴリーは「ミドルクラス4ドアセダン」というカテゴリーです。

基本は「4ドアセダン」カテゴリーがベースになっている車です。

「4ドアセダン」とは「3ボックス4ドアカー」のことを指します。

3ボックスとは、ボンネット(エンジンルーム)、キャビン(居住スペース)、トランクルーム(荷室)がそれぞれ独立していることです。

4ドアカーとは、フロントシート、リアシートの左右に合計4つのドアがある車のことです。

また3代目ホンダインサイトは、排気量的には1.5Lなので、コンパクトカーカテゴリーに入ります。

ただし、ボディサイズ的には全長4,675mm、全幅1,820mmなので、全体的には普通車カテゴリーに属します。

また「ミドルクラスセダン」というのは、アメリカ市場でのホンダ車のセダングレードのクラスことです。

シビックとアコードの間に位置するミドル(中間的な)セダン車という意味です。

ホンダインサイトの歴史

こちらでは各世代のホンダインサイトの歴史についてご紹介します。

〇初代ホンダインサイト(1999年 ~ 2006年)

1999年、初代ホンダインサイトは「ホンダ初のハイブリッドカー」という位置づけで市場にデビューしました。

2年前の1997年には、現在ハイブリッドカーの代名詞ともなっている「初代トヨタプリウス」がデビューしています。

初代ホンダインサイトは世間的には「日本で2番目の量産型ハイブリッド車」という、初代トヨタプリウスの後追いという形でのスタートでした。

ただし初代ホンダインサイトは「2シータークーペ(2シーター2ドアカー)」「軽自動車並みの820~850kgという軽さ」「量産型のガソリン車で世界最高の燃費35km/Lを実現」という、当時としてはかなりインパクトのあるセールスポイントを持った車でした。

いかにもホンダらしいマニアックな車に仕上がりました。

特に「量産型ガソリン車で世界最高の燃費35km/Lを実現」は、当時の初代プリウスの燃費を上回ったものです。

ただし国内販売台数は、まさかの2500台にも満たない散々な結果になります。

2代目ホンダインサイト (2009年 ~ 2014年)

2009年には2代目ホンダインサイトが発売されます。

2代目ホンダインサイトの特徴は「5ナンバー5ドアハッチバック」「お値段189万円~」「燃費は2代目プリウスよりはわずかに劣っている」という3つの特徴を持つ車です。

2代目ホンダインサイトは、完全に2代目プリウスを仮想ライバル車として開発された車です。

2代目プリウスとの差別化の切り札が「お値段189万円~」で、なんと2代目プリウスよりも40万円も安く売られていました。

ただし、2代目ホンダインサイトは、2代目プリウスの圧倒的な販売台数の前に全く歯が立ちませんでした。

また3代目プリウスが投入されると、3代目プリウスは燃費38.0㎞/L、価格は205万円からと設定され、完全に2代目ホンダインサイトが仮想ライバル車としてロックオンされます。

その結果2代目ホンダインサイトは歴史的大敗北をします。

実は初代ホンダインサイト、2代目ホンダインサイトは車名こそインサイトですが、この2台はフルモデルチェンジを経て代替わりをした車ではないのです。

上記の理由から販売不振になり、フルモデルチェンジを果たす前に生産販売を終了した特殊な車なのです。

3代目ホンダインサイト (2018年 ~ )

2018年6月にまずはアメリカから3代目ホンダインサイトが先行して発売されます。同年12月には日本国内でも販売を開始します。

3代目ホンダインサイトの販売は、2代目ホンダインサイトの生産販売終了から約4年の歳月が流れての市場投入です。

実は3代目ホンダインサイトをアメリカから先行販売したのにはある理由がありました。

その理由とは、現在アメリカのホンダユーザーには「シビック」から「アコード」へのアップグレードという強固なリレーパターンが構築されています。

この「シビック」と「アコード」の間に入るモデルとして、3代目ホンダインサイトが開発されたのです。

3代目ホンダインサイトに対するホンダのアメリカでの戦略はピタリと当たり、市場デビューから4カ月間で約6000台の販売という快挙を成し遂げます。

また3代目ホンダインサイトは、これまでプリウスのライバル車だったセールスポイントを全てスパッと切り捨てます。

ボディデザインを「4ドアセダン」にボディチェンジをすることで、完全に過去の2モデルとは別物の車に生まれ変わることに成功しました。

3代目ホンダインサイトのボディデザインの特徴

3代目ホンダインサイトのボディデザインは「プリウスフォルムからの脱却」「3ボックス4ドアセダンへのシフトチェンジ」「シビックベース」の3つの特徴があります。

①プリウスフォルムからの脱却

2代目ホンダインサイトをご存じの方であれば、ボディデザインは完全に2代目プリウスをトレースしたものだとお分かりのことでしょう。

特にリアフォルムは、プリウスそのものでした。

3代目ホンダインサイトは完全に2代目プリウスフォルムからの脱却を果たしました。

②3ボックス4ドアセダンへのシフトチェンジ

2代目ホンダインサイトのボディデザインは「5ナンバー5ドアハッチバック」で、2代目プリウスを若干スリムにしたデザインでした。

3代目ホンダインサイトは「3ボックス4ドアセダン」へのシフトチェンジを果たします。

ボディサイズもひとまわり大きくなり、余裕があり、大人によく似合う車になりました。

③シビックベース

3代目ホンダインサイトのボディデザインのポイントは「シビックベース」ということです。

3代目ホンダインサイトのプラットフォーム(車体構造)は、「シビック」と共通で、シルエットはシビックそのものです。

この2モデルは兄弟車であり、兄になる3代目ホンダインサイトの方が若干サイズアップされ、大きく設計されています。

3代目ホンダインサイトのインテリアの特徴

3代目ホンダインサイトのインテリアの特徴は「余裕のあるシートスペース」「インパネのデザインが高級セダン調」「オーディオやボタン類が洗練されている」などの3つの特徴があります。

実はこれら3つの特徴はアメリカのユーザーを強く意識したインテリアが採用さているからです。

①余裕のあるシートスペース

大柄なアメリカ人を強く意識してインテリアが設計されていることから、シートスペースや足元には余裕があり、ゆったりと座ることができます。

②インパネのデザインが高級セダン調

インパネは高級セダンを思わせるような上質で、落ち着いたデザインが採用されています。

メーターパネルはフルデジタル化されており、大人がワクワクするデザインがたくさん採用されています。

③オーディオやボタン類が洗練されている

こちらもアメリカ人ユーザーを意識したもので、オーディオの音質はかなり良いです。またシフトレバーなどが廃され、ボタンが採用されています。

ボタンの採用などで、かなりインテリアが洗練されたものに仕上がっています。

3代目ホンダインサイトのパワートレインの特徴

3代目ホンダインサイトのパワートレインの特徴は「SPORT HYBRID i-MMD」+「1.5LガソリンエンジンLEB型」を組み合わせたハイブリッドシステムです。

「SPORT HYBRID i-MMD」は現在ホンダ車では、CR-Vやステップワゴンに先行搭載されており、セダンでは3代目インサイトが初搭載になります。

SPORT HYBRID i-MMDとは

「SPORT HYBRID i-MMD」とは、「駆動用モーター」と「発電用モーター」の2つのモーターを搭載、高効率のエンジン(1.5LガソリンエンジンLEB型)を組み合わせたハイブリッドシステムのことです。

「i-MMD」の正式名称は「Intelligent Multi-Mode Drive」といいます。

「i-MMD」を簡単にいうと「EV DRIVE(電気自動車モード)」「HYBRID DRIVE(モーター+エンジンでの発電モード)」「ENGINE DRIVE(エンジン駆動モード)」の3つのモードをシーンによって使い分けるというものです。

1.5LガソリンエンジンLEB型とは

「1.5LガソリンエンジンLEB型」とは、「L15Bエンジン (NA)」 をベースに開発された1.5Lガソリンエンジンのことです。

「1.5LガソリンエンジンLEB型」の特徴は「ミラーサイクルエンジン」ということです。

「ミラーサイクルエンジン」とは、少ない混合気から、できるだけ効率よく膨張圧力を取り出した、エネルギーの効率を高めることに成功したエンジンということです。

「ミラーサイクルエンジン」は、2代目フィットハイブリッドに採用されたエンジンです。

3代目ホンダインサイトのサイズ・スペック

こちらでは3代目ホンダインサイトの2018年12月発売「LX」モデルのサイズとスペックについてご紹介します。

全長×全幅×全高
4675×1820×1410mm
車両重量(kg)
1370kg
室内長×室内幅×室内高
1925×1535×1160mm
最高出力
109ps(80kW)/6000rpm
最大トルク
13.7kg・m(134N・m)/5000rpm
最小回転半径
5.3m

3代目ホンダインサイトのまとめ

3代目ホンダインサイトは、アメリカでは「シビック」→「インサイト」→「アコード」の3モデルのアップグレードコースのミドルレンジモデルとして位置づけられています。

また国内ではホンダのセダンのフラッグシップモデル「レジェンド」を筆頭に「クラリティPHEV」「アコード」「シビック」「グレイス」と「3代目インサイト」を加えた、全6モデルでホンダのセダンのラインアップを充実させています。

現在セダンはどの自動車メーカーも、SUVやミニバン、軽自動車に押され苦境にあえいでします。

ただし、ユーザーニーズが変わればセダン人気の復活も十分ありえます。

生まれ変わった3代目インサイトにはぜひセダン人気を復活させて欲しいところです。

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