ファンベルトが切れた!?2本のベルト交換作業

     
   

夜お世話になっている大先輩から入電!「エブリーワゴンのエンジンってタイミングベルト・タイミングチェーン?」筆者はとっさに「K6Aエンジンなのでタイミングチェーンです」と応えました。

話はここからが本番で、「今買い物に行ったドライバーから電話があって、シート下の辺りで回転に合わせて、紐でたたくような異音がする」と大先輩に電話があったようです。

今回は、ファンベルトの交換作業を行っていきます!

故障車両の詳細

印用:筆者撮影画像

エブリーワゴンは、すでに何度も登場しているのでこの車の詳細データは省略します。ここでは、エブリーワゴン自体の仕様をご紹介します。スズキ エブリーワゴンは、キャブオーバータイプの軽ワゴンです。室内空間は非常に広く荷物も多く積める万能軽自動車です。

エンジンは、ワゴンRやスペーシア、MRワゴンなどに積載のK6Aエンジンです。これをキャブオーバータイプに合わせて、縦置きにしているのが特徴です。車の下に収めるためにエンジンを斜めにして搭載しています。

故障の原因を探っていきます。

引用:筆者撮影画像

最初に電話を頂いた時に、エンジン故障に直結するタイミングチェーン部分ではないことを確認しました。タイミングチェーンの場合は、切れることはほとんどないのですがオートテンションが効かないで外れるということはありえます。今回はエンジンが普通にかかることから問題ないと判断します。

ということはファンベルトが1番怪しくなります。ということでチェック!

「あれ?」ファンベルト2本のうち1本の太さが変です。筆者もこの切れ方は始めてみましたが、15㎜位の幅であるベルトが12㎜位の幅になっています。ファンベルトが切れて回転にあわせてシート下フロアを叩いた結果、異音がしたということでしょう。

必要なパーツの購入

引用:筆者撮影画像

今回切れたファンベルトは1本なのですが、切れ方や走行距離などを考えて2本とも交換することにします。

筆者ワンポイントアドバイス!

最近の車は、ファンベルト一本(長い)で全ての補記類を回しているものもありますが、複数本ある場合は作業の二度手間や経年劣化を考えると両方交換するのがベターです。

それにしても軽自動車のファンベルトってお買い得です。

2本で2,500円ほどです。

またファンベルトは35,000㎞で交換しましょうと書いてあります。多分この車は、一回も交換されていないのかもしれません。

交換作業開始

引用:筆者撮影画像

まずファンベルトを走行中などの異物接触等から避けるカバーを取り外します。10㎜のボルト3本で止まっています。ボルトは簡単に外れたのですが、カバーを取り外すのが知恵の輪状態です。元に戻すときも大変そうです。

引用:筆者撮影画像

カバーが外し終われとベルトの全貌が見えます。エンジンは、斜めに搭載されていることがわかります。①のベルトは、クーラーコンデンサー側です。破損②のベルトは、オルタネーター、ウオーターポンプ側のベルトです。

ということは、完全に切れていなくて良かったです。知らないで走行したらバッテリー切れや最悪の場合オーバーヒートでエンジン×になるところでした。

引用:筆者撮影画像

このエブリーのファンベルトを取り替えるには、下からと運転席ハッチの両方を交互に行き来しないとなりません。「リフトって幸せです!」。ジャッキアップではこの作業は非常に辛いと考えます。

クーラーコンデンサー側のベルトを外します。

  1. クーラーコンデンサーとエンジンの取り付けボルト2本(下側から)を外します
  2. クーラーコンデンサー調整機構を緩めます。画像上の黄色○の下にブラケットと本体を止めているボルトも緩めます
  3. 黄色○を緩めていくとベルトが緩んでいきます

オルタネーター側のベルトを外します

引用:筆者撮影画像

オルタネーター側は、テンションプーリーを緩めてベルトを外します。12㎜のボルト2箇所を緩めてあげればベルトは外れてくれます。

引用:筆者撮影画像

古いベルト(左)と新しいベルト(右)を比較してみます。やはり一山分ベルトの太さが違います。筆者はこういうベルトの切れ方は初めて体験しました。

新しいベルトを装着

引用:筆者撮影画像

ベルトを装着していきます。結構はまりづらいので慎重に作業していきます。使用しているベルトは2本ともリブベルトなので、きちんと溝にはまっているかも確認していきます。

引用:筆者撮影画像

まずはオルタネーター側のベルトを張っていきます。先ほどのテンションプーリーの下側のボルトを外すと10㎜の六角が入ります。

コレを時計回りに回すとテンションがかかっていきます。ちょうど良いところで上側のボルトを締め付けてあげます。最後に外したボルトを締めて調整終了です。

クーラーコンデンサー側は、外す時と逆の手順で行えば、ベルトのテンションもかかっていきます。

ここで一旦エンジンをかけて、張りすぎによる異音や不具合がないか確認していきます。エブリーのベルト張り具合は、10㎏fで指押しを行い5㎜位のベルトの動きです。

問題なく稼動しました、最後に知恵の輪のようなベルトカバーを取り付けして終了です。

まとめ

ファンベルトが切れた!?2本のベルト交換作業をまとめると

  • ファンベルトは、きちんと定期交換しましょう
  • 切れたベルトによっては、走行できなくなったりエンジン破損の可能性があります

皆さんも街で走行中に「キュルキュル」とファンベルト異音を鳴らしながら走行している車を見たことあるかもしれません。ベルト交換は定期的に行いましょう。

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