ゼネラルモーターズとホンダ米国現地法人のアメリカン・ホンダモーターが、2020年4月に共同開発を行うことを発表しました。
この共同開発は、ゼネラルモーターズの新しいバッテリプラットフォームとホンダのデザイン性を総合的に推進させ統合するということです。両社は、2024年にホンダ専用車を2車種開発し、米国生産をして投入する予定となっています。
今回は、ゼネラルモーターズの技術とホンダ技術について色々ご紹介していきます。
共同開発においてホンダの役目
引用:https://www.honda.com/
今回の共同開発では、ホンダモデルを投入することが前提で進められています。ホンダモデル2車種分のエクステリアや内装デザインは、ホンダが開発していくことになります。
ホンダが得意としているデザインイディオムや最新ヘッドライトシステムなどをさらに進化させていくことでしょう。
ゼネラルモーターズとホンダは、いままでにも燃料電池や、バッテリーモジュール開発、自動運転モビリティサービス事業専用車両「Cruise Origin (クルーズオリジン)」の開発などで提携をしています、
両社は、電動化分野で数々の提携を行っていますね。また今回の提携では、もともとホンダのセンタータンクレイアウト技術が、ゼネラルモーターズのグローバルEVプラットフォームにピッタリで合致したとも考えられます。
新型EV二車種の共同開発では、ホンダはGMのコネクテッドサービス「OnStar(オンスター)」のセーフティ&セキュリティ機能と「HondaLink(ホンダリンク)」を統合活用することも決定しています。
共同開発でゼネラルモーターズの役目
引用:https://media.gm.com/media/us/en/gm/news.detail.html/content/Pages/news/me/en/2020/gm/094-09-General-Motors-and-Honda-to-Jointly-Develop-Next-Generation-Honda-Electric-Vehicles-Powered-by-GM-s-Ultium-Batteries.html
ゼネラルモーターズの役目は、モジュール式推進システム+独自のUltiumバッテリーを搭載したプラットフォームをホンダ用に設計していくことです。このプラットフォームは、非常に柔軟な第3世代グローバルEVプラットフォームという位置です。
これを米国で人気のホンダモデルに搭載することで、生産量≒販売量を増やし総合プラットフォームの低価格化にも寄与して行きたいという想いがありそうです。
Ultiumバッテリーの特徴
引用:https://media.gm.com/media/us/en/gm/news.detail.html/content/Pages/news/us/en/2020/mar/0304-ev.html
- 新開発のUltiumバッテリーは、大型ポーチタイプのセルをバッテリーパック内で垂直方向または水平方向に設置できる点です。設置の自由度アップが、各車両設計の際にバッテリーストレージとレイアウトを最適化しやすくなります。
- Ultiumエネルギーの範囲は、50〜200 kWhです。推定航続距離は、フル充電で最大400マイル以上が可能になります。社内で設計されたモーターでは、前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動、全輪駆動用アプリケーションをサポート。
- Ultiumを搭載したEVは、レベル2およびDC高速充電対応です。乗用車では、400Vのバッテリーパックと最大200 kWの高速充電機能に、トラックでは、800Vのバッテリーパックと350kWの高速充電機能となります。
自動車分野では、幅広い車種にEVモデルが設置でき、なるべく統一されたプラットフォームを使用することが出来るように開発が進められているようです。
Ultiumエネルギーの将来性
引用:https://media.gm.com/media/us/en/gm/news.detail.html/content/Pages/news/us/en/2020/mar/0304-ev.html
- バッテリーコストの継続的な改善:ゼネラルモーターズとLG Chemの合弁事業によって、バッテリーセルのコストは、100ドル/ kWh未満を達成。電池は独自の低コバルト化学物質を使用することで継続的な技術と製造の進歩によって、さらにコスト削減が可能です。
- 柔軟性:新プラットフォームは、パフォーマンス、パッケージング、および手頃な価格にすることで、幅広いトラック、SUV、クロスオーバー、自動車、商用車を構築する柔軟性を有しています。
- 資本効率:ゼネラルモーターズのもともとある土地、建物、工具、ボディショップなどを利用することで、EV事業を拡大するための資本支出を削減していけます。
- 複雑さの軽減:現在では、550種類の内燃パワートレインの組み合わせがあるのに対し、19種類のバッテリーとドライブユニットの構成で複雑性を回避。
- 新たな収益源:バッテリーセルの製造を垂直統合し、他者にライセンス技術を提供することができます。
2024年から2030年付近では、インフラの整備などによりEVモデルの普及が進んでいくとホンダとゼネラルモーターズでは考えています。低価格のプラットフォームを完成させ、ホンダデザインを載せたモデルを投入するための共同開発といえます。
まとめ
ホンダとGMが次世代バッテリー採用のEVモデルを共同開発をまとめると
- ホンダのデザインとゼネラルモーターズの新EVプラットフォームでホンダモデルを2モデル製造・販売
- 2024年に投入するために、2020年から企画・設計・進化を進めていく
- 将来のEVモデル普及に向けてのコストダウンや新開発を目的にしている
この共同作業による2モデルは、現時点では米国にて販売開始になる予定です。将来的に日本でも販売されることに期待します。