トヨタは、2020年1月7日（火）～10日（金）に米国ネバダ州ラスベガスで開催されたCES 2020会場にて、人々の暮らしを支える色々な物やサービスをつなげる実証都市「コネクティッド・シティ」プロジェクトの概要を公開しました。
同プロジェクトは、2020年末に閉鎖することになっているトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場（所在：静岡県裾野市）の跡地を活用して、175エーカー（約70.8万㎡）の広範囲な街づくりを進める予定です。
2021年初に着工する予定で、これから様々なパートナー企業や研究者と連携を行い、新たな街作りを未来のビジョンとして描くことになるでしょう。ここでは、トヨタコネクテッドシティの概要や特徴などをご紹介します。
トヨタ コネクティッドシティの目的や概要など
引用：https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html?padid=ag478_from_kv
コネクティッドシティプロジェクトは、実際に人々が生活を送る環境の中で、自動運転、モビリティ・アズ・ア・サービス（MaaS）、パーソナルモビリティ、ロボット、スマートホーム技術、人工知能（AI）技術などを導入・検証するための実証都市を作ることです。
プロジェクトの目標は、人々の暮らしを支えるあらゆる物、サービスが情報でつながっていく近未来を見据えて、実証都市で技術やサービスの開発とサイクルの実証をその場で行うことです。さらに新たな価値やビジネスモデルを生み出すことも大きな目的の一つとなっています。
同社は、網の目に織り込まれた道に織りなす街の情景から、この街を「Woven City」（ウーブン・シティ）と名付けています。建設当初は、トヨタ従業員やプロジェクト関係者をはじめ、2000名程度の住民が暮らすことを想定してプロジェクト化されています。
街作りを進めていく過程で、それぞれが独自プロジェクトとして実際に活用できるように、世界中の様々な企業や研究者などに向けて、実証への参画も募る予定です。
「Woven(織り) City」の構想など
引用：https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html?padid=ag478_from_kv
街を通る道を3つに分類分けして、それぞれの道が網の目のように織り込まれた街作りを行っていく予定です。
- スピードが速い車両専用の道路として、「e-Palette」など、完全自動運転かつゼロエミッションモビリティのみが走行できる道。
- 歩行者とスピードが遅いパーソナルモビリティが共存できるプロムナードのような道。
- 歩行者専用道路として、公園内歩道のような道。
街の建物は、主にカーボンニュートラルな木材を使用し、屋根には太陽光発電パネルを設置することなどで、環境調和やサステイナビリティを大前提とした街づくりに仕上げます。暮らしを支える燃料電池発電やその他のインフラは、すべて地下に埋設することでスッキリとした街並みになる予定です。
居住者は、室内用ロボットなどの新技術を検証したり、センサーデータを活用するAIによって健康状態をチェックしたりしながら生活する予定となっています。日々の暮らしに役立てたり、改良しながら生活の質を向上させることとなりそうですね。
e-Paletteは、人の輸送やモノの配達だけでなく、移動用店舗としても利用できるなど、街の様々な場所で活躍する予定です。街の中心や各ブロック毎には、人々の集会の場として様々な公園・広場を作ることで、最新技術の革新だけでなく元来のコミュニケーションを培う生活も視野に入れて建設するようです。
※カーボンニュートラルとは？
地球上の炭素（カーボン）の総量に変動を起こさない、CO2の排出と吸収がプラスマイナスゼロになるようなエネルギー利用のあり方やシステムの社会実装を指す概念です。
たとえば、植物は光合成によって成長期はCO2を吸収し続けてくれます。成長が止まるとカーボンニュートラルの状態（吸収も排出もしない）となり、最終的に枯れて腐敗するとCO2の排出源となります。植物が取り込んだCO2は、もともと大気にあったものであり、その植物の生涯サイクルでは、カーボンニュートラルの状態であるという理論です。
このプロジェクトでトヨタの想いは？
引用：https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/31170943.html?padid=ag478_from_kv
プロジェクトは、たとえ壮大な計画でなくても中身が壮大な内容であれば実証する価値があり、未来の根幹をなす技術が構成されると考えているようです。トヨタでは、この街づくりを通じて将来の車や生活の新ビジョンを日本から大きく描き、さらに新しい技術を実験検証していく場として、富士山の見えるところに都市計画を選んだのでしょう。
まとめ
トヨタ コネクティッドシティ、これからの未来に向けた実証都市！をまとめると
- トヨタコネクティッドシティ「Woven City」は、2021年に着工予定です。
- 街全体の物・サービス情報がつながる、未来の街づくりの基幹となる実証都市です。
- この実証都市で、あらゆる可能性や未来技術を検証することになります。
これからの新しい街づくりでは、現在ある街並みの在り方などが大きく変わるのではないでしょうか？または変わらないとならないのではないでしょうか？将来の人と物（車）、サービスの構築が楽しみですね。