ショックの交換をした時だけでなく、継続車検を受ける前にも気になっていたのがタイロッドエンドブーツとロアアームブーツの劣化です。筆者所有の車は、すでに13年が経過した車です。当然ながら、色々なところにガタがきている状況であります。
また筆者は、ボールジョイント部のブーツのみを交換するという作業をきちんと習って行ったことがありませんでした。そこで今回は、整備方法をきちんと習得するためにも、作業方法から工具の使い方などを含めて、先輩の整備士さんに交換作業をお願いすることにしました。ここでは交換作業手順や注意点などを解説していきます。
タイロッドエンドブーツの交換手順など
引用:筆者撮影画像
タイロッドエンドブーツの状態を確認すると、ヒビや亀裂の発生はしていないのですがつぶれて擦れてしまっている状態でした。普通であれば、タイロッドエンドをまるごと交換する方法が一般的なのかもしれませんが、その選択は考えませんでした。
タイロッドエンドを交換しない理由
- タイロッドエンドを交換すると、トーインが狂うため
- タイロッドエンドのパーツ代は4300円、ブーツ代は、400円前後
- タイロッドエンドのボールジョイントにガタがない
以上からタイロッドエンドブーツのみの交換を行うこととしました。
タイロッドエンドブーツの交換作業
引用:筆者撮影画像
筆者のタイロッドエンドは、タイヤのフロント側についています。整備士さん曰く、「この車は、結構簡単な場所」にあるといっていました。タイロッドをナックルから外すだけで交換作業ができるというものです。よくタイロッドのボルトが長く、ナックルとの隙間が少ないと上記画像のタイロッドプーラーが入らなく苦労するとのことです。
ボールジョイント部を外すには、上記画像のようなタイロッドプーラーがあると便利です。ネジ山が壊れないようにプーラーとタイロッド部には、同じサイズのいらないナットを間に挟めて置きます。
引用:筆者撮影画像
無事にタイロッドが外れました。やはりゴムブーツは、変形しつぶれてしまっています。早めの交換をすることで不具合発生を防げるといえるでしょう。このタイロッドエンド部にガタがでてしまうと、操作性が悪くなったり異音を発生させてしまいます。脱落してしまうと、操舵が効かなくなるので大きな事故につながってしまいます。
引用:筆者撮影画像
筆者は、このブーツ交換の正しい手順が知りたくて今回整備依頼をしました。この作業で重要なことは、ブーツを止めている丸いバンドの素材が重要とのことです。
付属の新品が、細くて柔らかいパーツの場合は、新品であっても使わない方が良いと伺いました。細く柔らかいバンドは、ブーツにはめ込むときに広がってしまい止める効果がなくなってしまうからということです。
今回購入したブーツ付属のバンドも細い物でした。古いブーツを外した際に、厚いバンドがついていたので再利用することにします。
バンドをはめるときは、二重になっているバンド(ワイヤー)の一か所をはめ込み、マイナスドライバーで回しながら入れると簡単にはまりました。筆者は、この部分の作業を見たかったのです。
引用:筆者撮影画像
外したタイロッドを元に戻すには、下から角材を当てて圧力をかけると簡単です。タイロッドエンドの中には、ボールジョイントが入っています。ボルトを締めても空回りする性質があります。きちんとナックル部にはまり、下から圧力をかけることで、供回りしないでナットを締め付けることができます。
ブーツ交換手順
- 古いブーツを取りはずす
- 古いグリスをきちんとふき取る
- 新しいグリスを塗布する
- 新しいブーツをはめる
- ブーツバンドを既定の場所にはめる
- ナットをしっかり止めて終了
ロアアームブーツの交換作業
引用:筆者撮影画像
筆者所有の車は、片側にヘッドライトレベライザーがロアアーム上部についています。このパーツを外さないと、ロアアームが落ちてこないです。最初にこのパーツを外してしまいます。
引用:筆者撮影画像
タイロッドエンドを外すときと同じように、エンドプーラーを使用しロアアームナックルを外します。ブーツを外して古いグリスをキチンふき取り、新しいグリスを入れて新しいブーツを装着し、バンドを止めます。最後に角材を当ててテンションをかけたら、ナットで締め付けて終了です。
ロアアームブーツが劣化してしまうと、ガタが発生し異音や振動の原因になります。最悪の場合ロアアームが脱落し、走行不能になってしまいます(ドライブシャフトが抜けたり)。
今回の整備費用
引用:筆者撮影画像
今回タイロッドエンドブーツとロアアームブーツの交換にかかった費用は?
工賃 ロアアーム:7000円 タイロッド4000円
パーツ代 ロアアーム:2600円 タイロッドエンドブーツ:800円
11000円+3400円=14400円+消費税です。
自分で作業できれば、11000円の工賃がかからないということになります。次回機会があったら自分で作業してみます。
上記画像には、スタビライザーリンクの工賃とパーツ代があるのですが、先日新品に交換した社外純正のスタビライザーリンクのナットがどうしても緩んでしまうので、新品の純正品を使用して様子を見ることにしたからです。せっかく足回りの作業をするので一緒にお願いをしました。
まとめ
<予防整備>コトコト・ガタガタと異音がする前に、ブーツ類の交換作業!をまとめると
- ブーツ類は、ゴムでできています。経年劣化が早いパーツです。定期的に点検・交換しましょう。
- 小さく安価な部品ですが、走行したり操舵したりするのに重要なパーツです。
今回の予防整備作業は、筆者も大変勉強になりました。作業時間は、約1時間半でした。一度自分で整備手順を勉強できたので、これからは自分でも挑戦してみたいと思います。