日産が災害後のモバイル給電システムを構築へ、その名はRE-LEAF!

日産が災害後のモバイル給電システムを構築へ、その名はRE-LEAF!
     
   

日産は、2020年9月に世界向けEVモデルであるLEAFの生産台数が、50万台を突破したことを発表しました。LEAFは、欧州市場で拡大し世界にも広がっている車種です。同モデルベースモデルにして、自然災害や異常気象後に必要不可欠となる電気供給を行えるモバイル電源として設計された100%電気緊急対応車両のコンセプトを公開しました。

RE-LEAF 1の実用モデルとなるプロトタイプは、世界初の量産電気自動車である日産LEAFの乗用車をベースにしている点が最大の特長です。破片で覆われた道路を安全にナビゲートするための変更が加えられ、RE-LEAFは、車両の外部に直接取り付けられた耐候性プラグソケットから110〜230ボルトのデバイスに車両の大容量リチウムイオンバッテリーから電力できる仕組みとなっているようです。

ここでは、RE-LEAFの目的や活動予定などをご紹介していきます。

日産 RE-LEAFの目的とは?

引用:https://global.nissannews.com/en/releases/release-93464f7850c37fb62e4006e33412151f-nissan-re-leaf-power-when-its-needed-where-its-needed

RE-LEAFは、災害が発生した場所の中心に直接移動し電源を提供することを目的にしています。それは、安全に電力を復旧させるプロセスを支援することができるということです。統合されたエネルギー管理システムでは、医療、通信、照明、暖房、その他の生命維持装置を稼働させることが可能になります。

停電が起きる原因は、自然災害によるものが大半である報告がされています。。2019年の世界銀行の報告書では、2000年~2017年で自然災害や気候変動が原因の停電は、欧州で37%、同期間の米国での停電は、44%となっています。

実際に災害が発生した場合の電力供給が復旧するまでの期間は、被害程度によって違いはありますが、24時間から48時間程度となっています。その期間電気自動車は、ゼロエミッションの移動式非常用電力提供車となることです。

日産は、災害復旧を行えるモデルであるかと、電気自動車の可能性を実証するためにRE-LEAFを企画しました。この試みは、すでに現実の世界で使用されています。例えば日本では、2011年から自然災害後の緊急電力と輸送にLEAFを使用できるように。60を超える地方自治体とパートナーシップを組んで災害救援活動を行える準備をしています。

日産 RE-LEAFの仕様など

 

引用:https://global.nissannews.com/en/releases/release-93464f7850c37fb62e4006e33412151f-nissan-re-leaf-power-when-its-needed-where-its-needed?

RE-LEAF活動動画

ポータブル発電所として機能できるモデルが、日産リーフです。最新世代の日産リーフe +では、完全充電された場合62キロワットとなるバッテリーを備えていることになります。平均的なヨーロッパの家庭の場合は、約6日間電力を供給することが可能です。このリーフをベースモデルにしているRE-LEAFは、災害時にも役立つ車であるといえます。

RE-LEAFは、災害復旧車両として複数のデバイスに同時に電力を供給することが可能です。230ボルトの電力使用の場合の能力は以下のものがあります。

  • 電気削岩機 24時間–36kWh
  • 圧力換気ファン 24時間–21.6kWh
  • 10リットルのスープケトル 24時間–9.6kWh
  • 集中治療用人工呼吸器 24時間–3kWh
  • 100ワットLEDフラッドライト– 4時間–2.4 kWh

RE-LEAFの仕様

  1. ベースモデル 日産リーフテクナ
  2. タイヤ BFグッドリッチバハオールテレーンタイヤ225/65/17
  3. ホイール Compomotive MO5 8 “x 17”
  4. アーチ 特注のGRP複合材40mm幅のアーチ
  5. 地上高 225㎜
  6. トラック(フロント/リア) 1830㎜/ 1890㎜(1740㎜/1760㎜から増加)

災害時の混乱の中や、道路上に散らばった破片や瓦礫をクリアできるような仕様になっています。最低地上高が、225㎜となっています。

日本でのLEAFは、災害時どのように役立つ仕組みなのか?

引用:https://global.nissannews.com/en/releases/release-b8a1567ee6066d582c91ef8f1d0b47ad-190920-00-e

日産は、2010年に最初のLEAFが販売されたときに災害時の同モデルの可能性を視野に入れていました。初代のリーフが販売されて3か月後、日本の北東海岸では、2011年3月の地震と津波に襲われました480万世帯が停電し、日産は被災地に66枚の葉(LEAF)が提供されました。3月は、非常に寒く医療関係施設の暖房などの利用でREAFの電源が役に立ったようです。

これを機会に、LEAFの災害時での可能性が広がりを見せています。ポータブル発電所の機能を有した最新世代日産リーフe +は、完全に充電された場合62キロワットバッテリーとなります。平均的な日本の家庭では、4日間電力を供給することができます。さらに6,200台のスマートフォンを充電したり、43階建てのアパートで100回以上のエレベーター往復が可能になります。

現在では、約60以上の地方自治体と災害時救急協定が結ばれています。

日産とコンビニとの締結によって

引用:https://global.nissannews.com/en/releases/release-b8a1567ee6066d582c91ef8f1d0b47ad-190920-00-e

日産は、コンビニとのパートナーシップを締結し、コンビニエンスストアチェーンは、緊急時に電力を回復するためにリーフを採用しています。これによって、他のほとんどの事業がまだ閉鎖されている場合でも、住民は食べ物や飲み物からおむつやトイレタリーまで、必需品を購入することが可能になっています。

まとめ

日産が災害後のモバイル給電システムを構築へ、その名はRE-LEAF!をまとめると

  • RE-LEAFは、欧州や米国での災害時に役立てる電力供給カーとして開発されています。
  • ベースモデルのLEAFに、駆動力をタフにした仕様にしています。
  • 日本では、市販のLEAFで救援できる仕組みが構築され始めています。

RE-LEAFは、現時点では欧州や米国向けに開発された電力救援カーといえます。ただ日本でも悪路の中、救援に向かわなければならないときがあると考えます。日本にも導入される可能性が高いでしょう。

 

 

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