信号待ちで青になるのを待っていたら、隣のトラックから「プシュー」と音がしてビックリしたことはないでしょうか。走行中などでも聞こえるくらい、「いがいと大きな音」がしているのを経験された方もいらっしゃるかと思います。
この「プシュー」という音は、たぶん近くにトラックがいるときにしていると思います。当記事では、トラックの「プシュー音」である排気ブレーキやエアブレーキに関して解説していきます。
トラックの排気ブレーキって?
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/4954092?title=%E9%A7%90%E8%BB%8A%E4%B8%AD%E3%81%AE%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF&searchId=3953651431
乗用車のブレーキは、フットブレーキ・サイドブレーキ・エンジンブレーキの主に3つのブレーキがあります。
アッ!もう一つブレーキがありました。
「心のブレーキ」です(笑)⇒実際にこのブレーキは、事故防止・違反防止には重要なことです。
トラックは、非常に重量が重く、荷物も積載する働く乗り物です。上記のブレーキの他に「排気ブレーキ(エキゾーストブレーキ)」という装置が付いているトラックがあります。
保安基準では、車両総重量3.5トン以上のトラックやバスに装備される補助的なブレーキで「減速装置」と定義されています。
排気ブレーキの仕組み
一言でいうと、乗用車でいうエンジンブレーキの強化版という位置づけ!
排気ブレーキは、走行中にアクセルをオフにした際に、排気管(エキゾースト)内のバルブが閉ることで、排気ガスの流れを一時的に抑えるシステム(排気ゼロにはならない)です。
排気ガスの流れを抑えることで、エンジン内部のピストン稼働が抑制されて、抵抗が補助ブレーキの役目を担ってくれる装置です。
トラックの多くは、ディーゼルエンジンです。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもエンジンブレーキが効きづらい点や、フットブレーキの負担軽減という観点から排気ブレーキが装備されています。
排気ブレーキの操作方法は?
①「排気ブレーキ」のスイッチをONにする。アクセルから足を離した時、排気管内に設置された可動式の弁が閉じて排気の流れが一時的に止まる。
②エンジン内の排気圧力が高まり、エンジンの回転速度を抑え制動力を高めてくれる。
③排気ブレーキの制動力で減速してくれる。
本日は新年の顔合わせでしたが
毎年恒例のお祓いなどは中止にして
全車両、各担当者へお守りを配布して、トラックの排気ブレーキのレバーに吊しました!
(コメ)ブログ更新しました😃
by koda pic.twitter.com/4g9OIQbbq6— 柿沼運輸(株) (@kakinumaU) January 4, 2021
大型トラックを運転している知り合い数人に聞いてみたところ、アクセルを戻すと排気ブレーキが効き、再度アクセルを入れたりする際に、蓄積された排気が解放されプシューと音が出ていると聞きました。
またもう一人のドライバーさんは、排気を閉じ込めるバルブが、電磁弁になっていて一定の圧力で開放され「プシュー」といっているというご意見もありました。
一口に排気ブレーキと言っても、メーカーや年式ごとに方式が違うことのようです。
トラックのもう一つの「プシュー」、エアブレーキ
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/2902553?title=%E9%81%8B%E8%BB%A2%20%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%96&searchId=2044786383
トラックの「プシュー」という音には、もう一種類の音があります。それは、エアブレーキです。車を物理的に制動する装置がブレーキです。
一般的には、「ディスクブレーキやドラムブレーキ」、そして「サイドブレーキ」があります。前者の二つは、動いている車を停車させる際にフットブレーキとして使用しています。
後者は、駐車しているときや坂道などで車が動かないようタイヤをロックするブレーキです。
乗用車の多くは、油圧式(中にはエア式もあり)が現在は多い状況です。一方トラックのほとんどは、エアブレーキ式となっています。
トラックは、そもそも重量が重い事と荷物などの積載でさらに重くなるという観点から、制動力の強いエアブレーキを採用しています。
エアブレーキの仕組み
トラックから聞こえる謎の音。
エアブレーキの時に使った圧力を逃すために、大きなトラックやバスから「プシュ!」という音がなります。
もし走行中にエアが無くなると怖い事になります。サスペンションにエアが使われている車両もあります。https://t.co/L7GPJCFlDS pic.twitter.com/CiruDfvaZC
— ぞうむしプロ合同会社 (@zoumushi6) February 27, 2021
エアブレーキは、ブレーキを踏むころでコンプレッサーが空気を圧縮します。圧縮された空気は、数倍の力になります。その力を利用してディスクブレーキやドラムブレーキをかけ、トラックでも安心して止まれる仕組みです。
このエアブレーキを使用し、その後圧を逃がす仕組みになっています。この時「プシュー」と音がします。
エアブレーキは、エアを圧縮し、使用し、逃がす仕組みのため、残量が少なくなるとエアタンクに蓄積される仕組みになっています。
ただブレーキの使い過ぎによるエア不足に陥ると、トラックの制動力に大きく影響してしまうため、エアブレーキの使い過ぎは事故などに繋がってしまいます。そのことから排気ブレーキの活用が重要でもあります。
またトラックでは、サイドブレーキにもエアが使用されています。そして、トラックドライバーの多くは、信号待ちなどの時に、サイドブレーキをかける習慣があるようです。
これは、重たい車でさらに積載物がある場合には、フットブレーキが緩くなっていると、動いてしまう可能性が高いからです。
このため信号待ちをしている際に、隣のトラックから「プシュー」という音が良く聞こえたりします。
まとめ
トラックで聞く「プシュ~」音の正体は?排気ブレーキやエアブレーキのアレコレをまとめると
- トラックのブレーキには、エアブレーキ式が使用されています。
- エアを抜くときに「プシュー」と音がするのは、必然のことです。
- トラックは、排気ブレーキとエアブレーキを効率的に作動させることで制動力を高めています。
トラックは、重量などの性質上乗用車とは少し違うブレーキシステムを採用していることがお分かりいただけましたでしょうか。プシューという音は、エアを開放する際に出る音となっています。