新品タイヤに付いているトレッド面の「線」・「ヒゲ」の正体は?

新品タイヤに付いているトレッド面の「線」・「ヒゲ」の正体は?
     
   

新品タイヤって、気持ちいいものですよね!新車でも中古車でも、車自体がキレイに見えたりもします。年に1万キロ走行する人であれば、大体3年に一回くらいのペースでタイヤを交換します。

アッ!3年に一回交換するという目安は、後でお話しします。

新品のタイヤに交換したときには、路面と設置するトレッド面に青・緑・赤・黄・白などの線が描かれていたり、サイド部分に数多くのヒゲのようなものがついていたりしていることに気づく人はいませんでしょうか?

人によっては、これが新品!と思う方もいるやもしれませんし、せっかくの新品なのに、「なんでヒゲみたいのが」と思う人がいるやもしれません。

ここでは、新品タイヤの線の意味やヒゲ、そしてタイヤのサイドに記載されている数字などの意味について解説してみます。

タイヤのトレッド面に付いている新品タイヤの線って?

引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/2384223?title=%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%20%E6%96%B0%E5%93%81%E5%A4%8F%E7%94%A8%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4%E8%A1%A8%E9%9D%A2&searchId=832477335

新品タイヤには、路面と設置しているトレッド面に青・緑・赤・黄・白などの線が描かれていることがあります。漠然と「新しいタイヤだから、付いている」と思う人が多いと思います。

ではこの線って、どんな意味があるのでしょうか?

その正体は、「識線」と呼ばれている線のことです。製造工程にて付けられる線となります。

タイヤは、ナイロンやレーヨンなどの繊維でできたカーカス素材に、ゴムを染み込ませたタイヤの基礎部分にトレッドゴム(トレッドコンパウンドともいう)を貼り付けた構造になります。

製造工程で作業員などがミスなくトレッドゴムを貼っていくために、目印となる線が描かれています。もう少し細かく話すと、ベースタイヤにマッチした一週分のトレッドゴムを正確に張り付けるための線です。

という事は、製造工程上では必要な物であり、製造終了後、販売される際は必要のない線であるともいえます。ただこの線を物理的(削ったり)、または薬剤などを使って消すということはコストの関係などからも無駄なため行われていません。

この識線ってユーザーにとっては何か意味があるの?

では、せっかく残っているはっきりとした識線は、ユーザーにとって何かお得な部分はあるのでしょうか?

筆者も色々考えましたが、「これがメリット!」というようなことは見つけられませんでした。いろいろ考えて導きだしたメリットは2つでした。

①この識線がはっきりと刻印されているという事は、間違いなく新品(新古品もある)であるという証明。

②トレッドゴム自体は、一定の長さに切られタイヤを一周しています。そして線と線のつなぎ目が、タイヤの始点と終点になるという事です。

この識線がピッタリ一直線であれば、出来の良いタイヤであるといえます。製品のユニフォミティ(均一性)とも言われ、もしつなぎ目に段差や左右不均衡があれば出来の悪いタイヤである可能性が高いという事です。

じつはこういった識線が無いタイヤもあります。識線がないという事は、目安がないという事にもなりますので、激安タイヤなどを購入する際は、参考にもなるやもしれませんね。

識線があるというだけでなく、タイヤを商品として出荷する際は、かなりの検品検査が行われます。また識線によって目安があることで作業を均一化できるメリットを考えると、識線は、安心してユーザーが購入できるポイントでもあるでしょう。

タイヤのサイドウォールに沢山出ているヒゲみたいのは?

引用:httpswww.photo-ac.commaindetail3395363title=%E6%96%B0%E5%93%81%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%A4%E3%81%AE%E3%83%92%E3%82%B2%EF%BC%88%E5%81%B4%E9%9D%A2%EF%BC%8903&searchId=3217199700

新品タイヤを購入すると、サイド部分やトレッドとサイドの角の部分に数多くのヒゲみたいなものが生えていることに気づく人も多いのではないでしょうか。

このヒゲは、正式にはスピューと名付けられています。

何故このスピューが生えているのでしょうか?簡単に言うと、タイヤの製造工程中に重要である空気を抜くときにできるものがスピューです。

具体的には・・・

  1. カーカス、ベルト。ビート、トレッド、サイドウォールを巻いて切った生タイヤを作ります。
  2. 生タイヤを凹金型(モールド)に押し付けてタイヤを形成していきます。その時の圧力は、60kPaほどで、温度は、150度から180度くらいです。
  3. この金型に押し付けるのですが、当然隙間には空気が混入しています。押し付けた際に空気が抜けるように金型には小さい無数の穴が開いています。
  4. 押し付けた際に穴から空気が抜けるのとあわせて、ゴムがエア抜きの穴に侵入していきます。
  5. これが、スピューとなります。

製造工程上できてしまうのが、ヒゲです。ユーザーがみるヒゲの長さは10㎜程度ですが、製造工程時は、30㎜程の長さになっているものが多いです。

これを出荷前に短くカットしています。

トレッド面にもスピューは、発生しています。スタッドレスタイヤの方が、トレッド面のゴム質の関係で一般的にスピューが多いとされています。

上の方のように、メーカーによってはスピューを裁断しない(し忘れ?)で出荷されることも在るようですが、走行しているうちに消えてしまうので性能には影響ないとされています。

タイヤのサイドウォールに記載されている文字などは?

引用:https://www.goodyear.co.jp/knowledge/sidewall.html

タイヤのサイドウォールには、そのタイヤの情報が記載されています。

  • タイヤのメーカーや名称
  • タイヤサイズ
  • タイヤの種類(ラジアル、チューブなど)
  • 製造国
  • 製造年及び週数
  • スリップサイン位置
  • 製造工場

など。一度所有タイヤをチェックしてみると良いでしょう。

先程の年一万キロの走行の場合、大体3年くらいでタイヤ交換という根拠って?

タイヤの溝の深さは、ほぼ8㎜となっています。そしタイヤの種類(スポーツ、エコノミー)などにもよりますが、一般的に5000㎞で1㎜程の消費とされています。

「5000㎞×2=10000㎞」、「え!8㎜だから4年じゃない?」と思うかもしれません。タイヤの使用限界(車検取得)では、1.6㎜以下は×とされています。

実質6㎜強の使用溝深さとなります。なので3年くらいで交換となるわけです。

まとめ

新品タイヤに付いているトレッド面の「線」・「ヒゲ」の正体は?をまとめると

  • どちらも製造時に必要な物であります。
  • ユーザーにとっては、特にメリット・デメリットのあるものではなく、性能に影響しないものです。
  • 両者ともに、新品である証でもあります。

ここでは、新品タイヤに付いている気になる識線やスピューについてお話ししました。知らなくても良いことかもしれませんが、知っていて損のないことと考えます。

ニュース・コラムカテゴリの最新記事