とある休日に友人から電話が入りました。買い物に出かけている最中に、エンジンがストップ(エンスト)してしまい、今レッカーしていると慌てた感じでした。後日、エンストした車の修理をしてほしいとのことで、後日「推理&修理」をすることにしました。
ここでは、エンストの原因究明と修理内容などを紹介していきます。
引用:筆者撮影
今回故障した車は、スズキワゴンRです。平成18年のMH型と言われるモデルとなっています。走行距離は、約13万キロほどです。
では、まずエンストした原因を推察していきます。いつもお話ししていることかもしれませんが、エンジンは、空気・燃料・火花で稼働しています。
エンストしているという事は、基本的にこれらに関するトラブルを抱えている可能性が高くなります。
空気に関しての調査では、エアクリーナーの状態・各センサーの状態確認をしました。汚い部分はあるのですが、特に異常はなさそうです。
火花に関しての調査は、ダイレクトイグニッションの状態(検査機により調査)・プラグの調査を行いましたが、特に異常なし
燃料関連の調査では、エンジン側の燃料ホースを外して点検、「アレ・・・、燃料が来ていない状況」。
所有者さんからエンストの状況を聞くと、信号待ちでスピードを落として、止まろうとしたところ、車が「ガクガク」いい流れエンストしたという事でした。
しばらくしてエンジンをかけるとかかるのですが、また止まってしまう現象となっています。なんとなく燃料ポンプやフィルター詰まりの症状であるとも感じました。
という事で、燃料ポンプとフィルターを交換し様子を見ることにしました。新品商品は、ご本人が調達するという事で数日後に届きました。
ワンポイントアドバイス
燃料ポンプやフィルターは、新品を購入することが望ましいでしょう。中古の商品だとどの位の使用かやフィルターの汚れ具合によっては、また故障してしまう可能性があります。
重たい燃料タンクを降ろす!
引用:筆者撮影
軽自動車の多くのモデルでは、タンクの中に燃料ポンプなどが埋設されています。そして、燃料タンクを降ろさないと作業ができないモデルが多いです。当日の気温が35℃ということで、熱くて撮影時に少し手がブレてしまいました。
タンクに使用されているホースや配線を撤去!
引用:筆者撮影
燃料タンクには、燃料を供給するホースや給油するホース、そしてリターンパイプが付いています。重たい燃料タンクを外す際は、先に付属品を外します。ケガやパーツ破損に繋がるのを防ぐためです。
引用:筆者撮影
タンクを少し下げ、燃料計やポンプを動かすための電気配線コネクターを外します。この作業も先に行わないと、配線を引きちぎってしまう可能性があります。
それにしても降ろす前からかなりタンク上面がサビています。中は大丈夫か心配になってきました。
引用:筆者撮影
取り外したタンクは、作業できる広い場所に移動させます。狭い場所で行わない方が良いでしょう。そして、残っているガソリンを一旦ベール缶などに移して、タンクを軽くすると良いでしょう。
後でタンク戻すときにすごく楽になります。場合によっては、35㎏強の重さになります。ケガなどしないように作業することが大切です。
引用:筆者撮影
タンクに埋設されている燃料ポンプを取り外して、中を見てみます。やはり、サビや砂みたいな堆積物が多く浮遊しています。これでは、燃料フィルターが詰まっていき、燃料ポンプが稼働できなくなってしまいます。
今回は、燃料をキレイに取り除き、できるだけ浮遊物を取り除く洗浄をしました。
ワンポイントアドバイス
燃料タンク内には、サビ、砂、泥などは絶対に混入させないことが大事です。サビが発生しないように燃料タンクに水抜き剤を入れたり、燃料が少ない状態にしておかないことも重要です。
燃料ポンプASSYを分解!
引用:筆者撮影
最近の燃料ポンプASSYは、新品だと40000円近くします。今回は、燃料ポンプとフィルターのみを10000円位で購入し、内部の交換をしていきます。
それにしてもフィルターが真っ黒になっています。
引用:筆者撮影
分解する場合は、相手がプラスティックなので破損しないように注意して作業する必要があります。4か所の爪で止まっていますので慎重に取り外します。
取り外すと、中にポンプが封入されています。
引用:筆者撮影
新品ポンプに交換し、フィルターも新品と交換していきます。それにしても新品と使用品ではこんなに差があります。これでは、燃料ポンプが稼働しなくなるといえます。
ポンプアッシーを元通りに組付け、タンクに設置し、燃料タンクを元通りに組付け、配線や配管を取り付けて作業は終了です。
新しい燃料を投入し、エンジンの状態を確認していく作業に入ります。
10Lくらい燃料を入れたところで、エンジンスタート、10分くらい放置をしてエンジン状況を確認します。異常なし!
そしてアクセルオンオフをしていきます。いい感じでエンジンが回転アップします。エンストもしません。これにてエンスト故障の修理は終了となりました。
今回の作業に要した時間は、1時間くらいでした。原因がある程度推察できることで、修理作業もしやすくなります。
まとめ
路上でエンスト!?燃料ポンプ&フィルター交換で快調に!をまとめると
- エンスト原因は、いろいろあります。基本的には、空気・燃料・火花です。この関連から調査することが良いでしょう。
- 燃料ポンプ交換は、最近は燃料タンク内にあることが多いです。燃料タンク脱着が必要な車種もあります。
- 作業時間は、1時間から2時間くらいが多いでしょう。
ここでは、エンスト故障の原因の推察や修理を解説しました。走行距離が多くなってくると、いろいろなトラブルが発生すると思います。きちんと原因推察して修理できればと思います。