前回のあらすじ
板を叩きました。
前回までのおさらい…鈑金とは
・叩く【前編】
・引張る【中編】
・溶接する【後編】
の3種類があり、今回は2つ目の「引張る」編です。
今回取材させていただいたのは関東最大級の自動車修理・鈑金工場である京南オートサービスの鈑金チームの方々。鈑金について詳しく丁寧に解説して頂きました。
公式サイト | 京南オートサービス |
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住所 | 〒206-0024 東京都多摩市諏訪6-3-1 |
営業時間 | 9:00~19:00 ※日曜日はフロントのみ10:00~17:00 |
電話番号 | 042-311-2600 |
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引張る鈑金…とは!?
前回叩くは板の裏側に金属の塊を当てることが前提でした。
ということは、いつでも叩けるわけではないですよね?
そうですね。
例えば、複雑な形をしている部分や、外せないパーツなどはハンマーでは無理です。
どうするんですか?
引っ張ります。
引っ張る…?
Photo By Jamie McCaffrey
くっつけて、引張る
引張る時はこの道具を使います。
ん?
これで引っ張れるんですか?
はい、ひっぱりたい部分に先端部分を溶接してくっつけてから引っ張ります。
この焼けた跡は溶接した時のものです。
この跡は残らないんですか?
ある程度形を整えたらパテをうってから塗装をするので大丈夫ですよ。
パテをうつとは…?
パテをうつとはどういう作業なのでしょうか?
パテをうつとは、粘土のようなものを塗り平らにすること、と思って頂いてかまいません。
【職人直伝】パテの塗り方
最初にパテをパレットに出して練ります。
空気が入らないように素早く…
一緒に硬化剤も混ぜます。
は…はやい!
硬化剤を混ぜると、気温の高い夏は特にすぐ固まり始めます。
なので素早くまぜる必要があります。
なるほど。
そして凹んでいる部分を覆うようにパテを塗ります。
固まったパテを使ってしまうと後で塗装が禿げる原因にもなってしまうのでここでも素早い作業が必要です。
ちなみに、パテは一人前になるまで何年くらいかかるんですか?
10年かかりますね笑
そ、そんなに!?
私は20年やっていますがまだまだです笑
(ストイックだ…。)
実際に塗ってみた
む…難しいですね。
コツは
1.人差し指と中指でおさえること
2.立てると少し、寝かせると多く塗れるので、角度を調整して塗る量をコントロールすること
の2つですね。まぁ頑張ってください。
引張る道具の使い方
引っ張る時にはここの金属の塊を手前に引っ張ります。
おぉ!
ハンマーでたたくような感じですね。
もっと広範囲だった場合
もし、もっと深かったり広い範囲が凹んでいたらどうするんですか?
もっと大きいものが登場します。
むむむ!
では、逆に狭くて溶接しにくい部分が凹んでいた場合はどうするんですか?
別の板を溶接してくっつけて、
そのくっつけた板を挟んで引っ張ります。
もっともっと広範囲だった場合
では、これでもかというくらいに損傷していたらどうするんですか?
※写真はイメージです
その場合はフレーム修正機が登場します。
こちらですね!
で、でかい!
フレーム修正機で引っ張って形を元に戻してから、
壊れた部分のパーツを交換します。
パーツ交換するだけじゃダメなんですか?
パーツ交換をするときも引張る必要がある
フレーム修正機で凹みを直したのに、わざわざパーツ交換してしまうんですか?
全てのへこみに交換が必要な訳ではありませんが、
フレーム修正機が必要なくらい歪んでしまったものは交換する必要がありますね。
凹んだ部分をそのまんま取り外せばよさそうですが…
衝突した時に変形しているのはぶつかった部分だけではないんです。
全体の歪みを直してあげないと、交換用のパーツの寸法が合わなくて新しいパーツがはまらないんです。
ということは、引っ張りすぎてもいけないわけですね。
そうです。
年代や車種別に細かく寸法が指定されています。
そして必要な部分だけを切り出して溶接します。
ついに…溶接が登場するんですね!!!
次回予告
パーツ交換が必要、そんな時は「溶接機」の出番だ!
編集部が炎上覚悟の体当り取材をしてきたぞ!マジで、燃えるかと思った…。