出典元:https://vr38dett.hatenablog.com
R35GT-Rとは
スカイラインGT-Rとは別物
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2007年に登場した日産・R35GT-R。R34まで続いたスカイラインGT-Rの後継として誕生しましたが、スカイラインとは全く別の独立したモデルです。
もちろん、2ドアクーペのスタイリングや丸目4灯テールランプは、往年のスカイラインGTを連想させるもの。しかし、R35GT-Rの生い立ちは、開発当初からスーパーカーとしての立ち位置を意識したものでした。
左ハンドル仕様が用意され、全世界で販売されているのも、スカイライン時代のGT-Rとは異なる展開です。さらに、イヤーモデル制の採用による進化は性能、スタイリングの両面でとどまることを知りません。
R35GT-Rのノーマルのエンジンスペックは?
初代は480馬力、MY17では560馬力へ
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R35GT-Rのパワートレーンは、GT-R専用に開発・製造されたVR38DETT型の3.8リットルV6ツインターボエンジン。直列6気筒エンジンを守り続けたスカイラインGT-Rと異なり、GT-Rを名乗るモデルで初めてV型エンジンを搭載したのがR35GT-Rでした。
職人による手組みで1基ずつ組み立てられる、VR38DETT型エンジン。初期モデルのスペックは最高出力480馬力、最大トルクは60.0kgmに達しました。2011年には500馬力の大台を超える530馬力、62.5kgmをたたき出します。
さらに、過去最大規模の改良を加えられた2017年モデル(MY17)は最高出力560馬力、最大トルク65.0kgmへと進化。ボディ剛性に加え、足回りの性能も高められました。新設計の電子制御バルブ付きチタン合金製マフラーも備わっています。
ニスモ
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VR38DETT型エンジンに、レース専用車両であるGT-R NISMO(ニスモ) GT3のGT3タービンを搭載。最高出力は600馬力、最大トルクも66.5kgmへと引き上げられています。
シリンダーごとの最適な点火時期をコントロールする制御システム、燃料噴射量を最適化するインジェクター、そして冷却性能を高める加圧式リザーバータンクを装備。いずれもNISMOモデル専用です。
足回りも、NISMOモデル専用の組み合わせ。レイズ製の鍛造アルミホイールとダンロップ製のSPスポーツマックスGT600 DSST CTTタイヤ、さらに、特注のビルシュタイン製電子制御ダンパーのダンプトロニックとスプリングを装備しています。
JUNオートメカニックのR35GT-R、JUN 420Rのチューニング内容
VR38DETT改4.2リッター化×GTX3582Rタービン、ブースト2.5で1500馬力!
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埼玉県のチューニングショップであるJUNオートメカニック。並み居る自動車メーカーに交じり、SUPER GTに参戦したこともあるJUNが製作したデモカーが、JUN 420Rと命名されたR35GT-Rです。VR38DETT型を4.2リットルにボアアップしました。
タービンもギャレット製のGTX3582Rを2基装着。最大ブースト圧は驚異の2.5kgf/cm2で、最高出力は何と1500馬力オーバー。最大トルクも150kgmを上回るスペックです。
外装はJUNワイドボディキットで武装
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JUNワイドボディキットは、ビス留めのオーバーフェンダーで武装しています。バンパーもオリジナル。大迫力のGTウイングはサード製です。
タイヤとアルミホイールは、ダンロップSPスポーツマックスGT500(285/35-20)と、5スポークのアドバンレーシングGTプレミアムバージョン(11J×20 +5)の組み合わせです。
内装はストリート仕様でほぼノーマル
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スパルタンながら快適装備もそろったR35GT-Rのインテリアは、ほぼ手つかずのまま。センターコンソールに配置されているのは、米国COBBチューニングの専用コンピューターチューニングキット、アクセスポートV3です。
利便性や快適性を損なわないインテリアは、1500馬力を超えるこのマシンが、日常的に使えるストリート仕様であることを物語っています。
国内チューナーによるチューンドR35GT-R、排気量アップとタービン交換で1000馬力超え
HKS・GT1000+レーシングスペック
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日本を代表する総合チューニングパーツメーカーのHKSによる、GT1000+レーシングスペック。最高出力1012馬力、最大トルク120.7kgmを絞り出すGT1000レーシングスペックを進化させたパッケージです。
GTII 8267シンメトリツインターボを採用したGT1000+レーシングスペックは、最高出力1227馬力、最大トルク156.2kgm。HKSが「R35GT-Rの頂点」に位置付ける自信作です。
トラスト・GREDDY 35RX
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2012年の東京オートサロンで、コンセプトカーとして出展されたトラスト・GREDDY 35RX。2014年にトラストがDIGPに復帰した際のマシンが、35RXの技術を引き継いだGREDDY 35RX SPEC-Dです。2号機まで製作されています。
4WDの駆動形式をFR化した、6速MT仕様のドリフトマシン。VR38DETT型エンジンの排気量は4.0リットルに拡大され、1号機は1058馬力、軽量化された2号機は900馬力ほどを出力します。
2号機を操る川畑真人選手は2018年ドライバーズランキング2位、1号機の末永正雄選手は4位に輝きました。
トップシークレット・スーパーGT-R1200
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ボディにペイントされたローレックスゴールドは、トラストのコーポレーテッドカラー。トップシークレット・スーパーGT-R1200は2013年、イタリアのナルド・サーキットで最高速アタックに挑みました。
4.0リットル化されたエンジンにはトラストのTD06-25Gフルタービンが装備され、最高出力1034馬力、最大トルク118.5kgmを発揮。最高速アタックの結果は、チューンドR35GT-Rの世界記録となる377.246km/hを達成しました。
海外チューナーのチューンドR35GT-Rは2000馬力も当たり前?
海外のR35GT-Rチューニング事情
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日本のハイパワー車は、信頼性の高いチューニングベースとして海外でも人気があります。スカイライン時代と違い、R35GT-Rは世界に輸出されていることから、さまざまなチューナーが個性的なカスタマイズを手掛けています。
米国で開かれている世界最大のチューニングカーの祭典「SEMAショー」にも、毎年多くのR35GT-Rが登場しています。2018年には、タイでも正規販売が始まったR35GT-R。欧米ばかりではなく、アジア発のカスタムも注目されそうです。
T1 Race Development・GT1R
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米国テキサスのチューニングブランドであるT1 Race Developmentは、2005年に設立されたばかり。R35GT-Rのチューニングをステージ1~7にパッケージ化したコンプリートカーを製作しています。
最高レベルのステージ7は、最高出力2136馬力、最大トルク180kgm、最高速度378km/hというモンスター。公道走行も可能とのことですが、これほどの性能をためらうことなく引き出せる場所は、米国でも少ないと思われます。
もはやロケット!?
AMSパフォーマンス・ALPHA G GTR
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2001年、米国シカゴのチューニングブランドであるAMSパフォーマンスがフルチューンを手掛けたALPHA G GTRは、最高出力3000馬力オーバー。1/4マイル(ゼロヨン)が7.126秒という、信じられないスピードの世界記録を達成しました。
ストリートもサーキットも、ゼロヨンも。どんなステージでも世界トップレベルの性能を引き出せるスーパーカーが、R35GT-Rなのです。熟成の進んだチューニングが、さらにどう進化するのか、これからも目が離せません。