車に興味がある人であれば、タイミングベルトという言葉を聞いたことはあると思います。ですが、実際に目にする機会はないですよね。
今回はそんなタイミングベルトがどのような役割を果たしているのか、「交換時期」や「交換にかかる費用」などの情報と、近年主流となっているタイミングチェーンなどもあわせてご紹介していきます。
タイミングベルトとは?
エンジンが動いている時に、吸気・燃焼・排気の行程が行われているのですが、この行程が正しく行えるのもタイミングベルトがあってのことです。ここではタイミングべやタイミングチェーンの基礎知識などについてご紹介していきます。
タイミングベルトと近年主流のタイミングチェーン
エンジンが正しく動くための重要なタイミングベルトですが、最近の車はタイミングベルトの代わりにタイミングチェーンを使用したものが多くなっています。どちらも同じ役割を果たしているパーツですが、タイミングベルトの場合は定期的に交換が必要です。タイミングチェーンに関しては、金属でできているので基本的に交換の必要はありません。
近年ダウンサイジングエンジンではタイミングベルトの採用も
近年では、輸入車のフォルクスワーゲンやプジョーシトロエンなどのダウンサイジングエンジンに、タイミングチェーンではなく、タイミングベルトが採用されるようになりました。これには、「高強度グラスコード」を使用した高性能タイミングベルトが登場したことによるものです。
「高強度グラスコード」とは、今まで耐熱性と耐油性の両立ができなかったタイミングベルトの弱点を高強度グラスコードの使用により可能にしたものです。これによりタイミングチェーンを使ったエンジンの構造を大きく変えることなく、タイミングベルトにすることができます。
タイミングベルトを使うメリットは、伝達効率や静粛性に優れ、軽量であることです。また、高強度グラスコードを使用したタイミングベルトは、タイミングチェーンと同じく基本的に交換の必要がありません。
タイミンベルトの交換時期は?
メーカー指定のタイミングベルト交換時期は?
普通車のタイミングベルトの交換時期はほとんどのメーカーで、走行距離10万kmごと、期間でいうと10年ごとに交換が必要といわれています。
また、状態や車種によっても交換時期は異なる場合があるので、自動車ディーラーのサービス工場で確認が必要です。
軽自動車のタイミンベルトは早めに交換した方が良い?
軽自動車のタイミングベルトは、早めに交換することをおすすめします。なぜなら、軽自動車が普通車よりも排気量が少ないので、パワーを出すためにエンジンの回転数を上げねくてはならないからです。
エンジンの回転数が上がればその分タイミングベルトも多く回ることになります。必然的にタイミングベルトへの負担が増えるので早めの交換が必要になるということです。
タイミングチェーンのメンテナンスは不要?
タイミングチェーン自体は金属でできているので基本的に交換の必要はありませんが、メンテナンスが不要というわけではありません。もしエンジンから「カチャカチャ」音などの異音が聞こえてきたらタイミングチェーンが緩んでいる可能性もあります。
タイミングチェーンが緩んでいる状態をそのままにしておくと、エンジンの不調に発展することもあるので早めのメンテナンスが必要です。
タイミングベルトの交換費用はどれくらい?
タイミングベルトの交換にどのくらい費用がかかるのか気になりますよね。ディーラーなどで交換をお願いした場合の相場が7万円前後と、結構な金額になります。
エンジンを分解する作業になるので交換工賃が高いのは仕方がないとはいえ、お財布には優しくないですね。ちなみに、タイミングベルト自体の金額は1万円前後になります。費用のほとんどが交換工賃ということです。
スバルの水平対向エンジンやフェラーリの交換費用
タイミングベルトの交換費用もスバルの水平対向エンジンや輸入車のフェラーリなど高額なものも存在します。
スバルの水平対向エンジンは、部品点数の多さや左右にシリンダーヘッドがる横に広いエンジンなので、タイミングベルトを取り外すまでに手間がかかります。通常の縦型エンジンに比べると工賃が高く、ディーラーにお願いした場合で10万円〜12万円程になるそうです。
フェラーリのタイミングベルトは高級輸入車ということもありかなり高額になるようです。高額になる理由として、車体にエンジンが乗った状態でタイミングベルトが交換できない車種があります。
エンジンを下ろすだけでも20万円前後かかるので、タイミングベルトを交換するとなるとそれ以上。また、同時交換が必要になるパーツもあるので30万円はくだらないでしょう。
テンショナーなどタイミングベルトと同時に交換したいパーツは?
タイミングベルトの交換するときに多くのパーツを外すことになるので、外したパーツの中に今後交換が必要になるものは交換しておいた方が後々交換するよりも費用が抑えられることがあります。
・ウォーターポンプ
・オートテンショナー
・アイドラープーリー
・カムシャフトのオイルシール
上記のパーツに関しては、タイミングベルトがついている状態だと取り外すことができない部品になります。これらのパーツがまだ使えたとしても後から交換した時の工賃を考えれば、同時に交換しておいて損はありません。
タイミングベルトの交換をDIYで行うことは可能?
ディーラーや整備工場にタイミングベルトの交換をお願いすると工賃が高いので、パーツだけ購入して自分で交換できれば安上がりですよね。車種によっては車をあげるリフトがなくても、工具と知識さえあれば交換できるものもあります。
しかし、整備に慣れていない人はおすすめしません。タイミングベルトはエンジンの重要な部品です。
組み方を間違えるとエンジンの破損につながります。また、ディーラーなどに交換をお願いすればほとんどの場合、整備保証も付きますので安心です。
タイミングベルトを交換しないとどうなる?
タイミングベルトを使っている車の多くは、使用者の見えるところにタイミングベルトの交換時期を表記したステッカーが貼ってあります。メーカーが交換時期を指定するタイミングベルトを交換しないと、どのようなことが考えられるのか見ていきましょう。
最悪エンジンブロー
タイミングベルトはエンジン下部のクランクシャフトと上部のカムシャフトの動きを連動させています。もしエンジン運転中にタイミングベル切れるとクランクシャフトとカムシャフトが連動できなくなり、最悪の場合、ピストンとバルブがぶつかりエンジンブローにつながります。
走行中にタイミングベルトが切れてしまった時は?
走行中にタイミングベルトが切れてしまうとエンジンとミッションがつながっている状態なるので、タイヤがロックする可能性があります。
エンジンが止まるだけで済めばよいですが、タイヤがロックした場合大事故につながる恐れがありますので、タイミングベルトは早めに交換しましょう。