世界のオートショーサーキットは、世界のプレミア自動車メーカーにとって自社の最新プロジェクトのアイディアを披露し、意見を反映させる絶好の機会である。
次世代のモデルが披露され、車の性能が説明され、批評家やオートモーティブジャーナリストたちが技術的なデータ情報を浴びせる中、多くの来場者が真っ先にショーの目玉へ足を運ぶ。それは、コンセプトカーだ。
コンセプトカーとはまさにその名の通りだ:自動車メーカーが開拓する、未だ生産に至っていないアイディアのことだ。ほとんどのコンセプトがエンジニアオフィスで生まれてはボツになる一方、ステージやオートショーのショールームで披露されるものもあれば、実際に生産ステージにいけるのはそのうちのごく限られたコンセプトカーだ。
どうしたらコンセプトカーはドローイングボードからローカルディーラーの駐車場に辿りつくことが出来るのだろう?数えきれないほどのマイナーチェンジとフォーカスグループ調査、そして運だ。
だからと言って、車マニアたちがコンセプトカーが実際に道を走ることを想像し、期待することまでは止められない。
では、最高の新しいコンセプトカーはどういったものがあるのだろう?デザインやパフォーマンスバリアがなくなるのを見たいといった熱望を満たしてくれるものが他に無いというのであれば、今すぐにでも生産すべき8つのコンセプトカーをまとめた。
さて、これ以上ごちゃごちゃ言わずに、その8つのコンセプトカーを見ていくことにしよう。
1. 日産ディーゼルフロンティア
改造されたターボチャージャー付きのタイタンの発表が差し迫る中、日産のディーゼルフロンティアプロジェクトに注目が集まっている。
2014年フロンディアデザートランナーを使い、カミンズ社(Cummins Inc.)と日産は200馬力と2.8リッターのカミンズディーゼルエンジンの後ろに350フィートポンドのトルクを実現するピックアップカーをまとめた。現時点では開発ステージにある一方、ディーゼルのフロンティアピックアップカーが実際に市場にローンチされる期待感は非常にワクワクさせるものだ。
日産は新型タイタンに青信号を出しており、実際に生産されることはありそうだ。
2. トヨタ FT-1
過去15年に渡ってコミューターカーやハイブリッド技術に注力してきたトヨタにとって、トヨタのFT-1コンセプトは企業としても非常に大きな方向転換である。しかし、FT-1はランボルギーニやフェラーリの美学を持ち合わせており、将来のトヨタのデザインにとって刺激的なものだ。
実際、FT-1はレーシングビデオゲームの『グランツーリスモシリーズ』(Gran Turismo Series)の一部として元々デザインされたものであり、ゲームのスクリーンから現実世界へと飛び出したものだ。詳細まで見ていけるほど技術的な仕様は無いのだが、FT-1が街を走行している姿を実際に見れたら、それは感動するだろう。
3. キャデラック エルミラージ
トヨタがランボルギーニのようなデザインを後追いするのに忙しくしている間、キャデラックはより洗練された外観のコンセプトカー作りに専念している。その適例が、エルミラージだ。20世紀初頭から出てきたような車のイメージを思い起こさせるような、滑らかな曲線に長く、軽量のクーペだ。
エルミラージが実際に街を走るようなことがあれば、4.5リットルのツインターボチャージャー付きのV8エンジンを搭載し、500馬力が想定される。ラグジュアリーなマッスルカーを愛するファンにとっては垂涎ものだ。
4. 三菱自動車 アウトランダーPHEVコンセプト-S
Lexusやトヨタのデザインを思わせるフロントグリルに加え、三菱自動車のアウトランダーPHEVコンセプト-Sは2.0リッターで、電子モーターとペアになった4気筒ガソリンエンジンを搭載し、非常にいかした技術を採用している。
アウトランダーのコンセプトは従来のアウトランダーのデザインよりも劇的にセクシーであり、オートショーサーキットで披露しているコンセプトSUVのシリーズの中で唯一そうである。実際に生産されることを望むばかりだ。
5. フォルクスワーゲン XLスポーツ
XLスポーツを見て、フォルクスワーゲンが作ったなどと全く想像もしないだろう。いや、事実そうなのだ―XLスポーツの背後にはパサートやトゥアレグを生産する同会社が存在する。フォルクスワーゲンのラインナップのどれよりもAudi R8に似た、ドゥカティエンジンを搭載したスポーツカーだ。
XLスポーツは時速168マイルのトップスピードを出すことが出来、0-60-mphで5.8秒以内に加速する。正しく。その外観からは、その驚異的なパフォーマンス統計は正確には分からない。ドゥカティ・スーパーレッジェーラ V-ツインエンジンは197馬力で、スリリングかつこれまでとは違うドライブ体験を提供してくれるには十分すぎるはずだ。
6. ランボルギーニ アステリオン
デザインやパフォーマンス性で限界に挑戦し続けている企業があるとするなら、それはランボルギーニだ。アステリオンコンセプトカーで、ランボルギーニはそのレガシーを強固にしている。
V10型エンジンと3つのサポート電子モーターを搭載するプラグインハイブリッドカーに注目すると、アステリオンの走行パフォーマンスは信じられないほど凄い。素晴らしくないか?時速199マイルのトップスピードで0-60-mphを3秒以内で走行するなんてどう思う?
もしこのコンセプトカーが生産されるのであれば、テスラのようなライバル車は安心してはいられない。
7. ボルボ コンセプトクーペ
ランボルギーニ アステリオンとまではいかないものの、ボルボコンセプトクーペは自動車市場にまさに歓迎されるものになるだろう。
「新型ボルボコンセプトクーペは今度どのように我々がボルボ車を形作っていくのかを物語っています。」とデザイン担当 上級副社長のトーマス・インゲンラート氏は語った。「他社ブランドの表面的なエキサイトメントから離れ、ボルボブランドにエモーショナルな価値を与えています。スカンジナビアデザインを代表するような、落ち着いていてかつ自信に満ちた美しさです。」
多くの新機能やノスタルジックな外観に加え、その背後にあるそういった自信を持って、コンセプトクーペが市場へ出る見込みがかすかにでもあると良いのだが。
8. オペル モンザ コンセプト
米国の消費者はオペルブランドに馴染みがないだろうが、ドイツを拠点としているゼネラルモーターズの子会社である。オペル社はゼネラルモーターズ社の為に欧州市場を押さえ、その間オペル モンザ コンセプトのような素晴らしいアイディアを生み出してきた。従来とハイブリッドテクノロジーの両方からなるドライブトレインを使用し、モンザはパフォーマンス性を切り詰めることなく、効率性を重要視している。
「オペル モンザ コンセプトは我々のオートモーティブの将来に向けたビジョンの他ならないのです。」とオペルCEOのカール・トーマス・ニューマン氏は話す。「次世代のオペル車の開発に注力するというテーマに取り組んでいます。それは接続性と最適な効率性を最大化するものです。」
このコンセプトカーが実際に生産され、オペルとゼネラルモーターズ全体の次の黄金時代を先導していってもらいたい。