【撮影】 お値打ち中古車・2代目フィアット・パンダ
初代とは全く似つかない2代目フィアット・パンダは、2004年の欧州カー・オブ・ザ・イヤーに輝くなど、実はなかなか侮れない実力を持っています。日本ではあまり見かけることがなく情報も流通していません。
フィアット・パンダはイタリア生まれの人気コンパクトカー
フィアット・パンダとはイタリアの自動車メーカー、フィアットが生産するコンパクトカーのことを言います。初代モデル開発時の1970年代、オイルショックの影響などもありフィアットの経営状態は芳しくありませんでした。
1980年、イタルデザインのジョルジェット・ジウジアーロがデザインした初代パンダは、デビューするやいなやそのシンプルなメカニズムやデザインから大ヒット作となり、フィアット復活の起爆剤となります。
その後1999年までロングセラーを続けたパンダは、2003年に2代目がデビュー。ランチア・イプシロンやフィアット・500とは兄弟車の関係にあり、現在は2011年に3代目がデビューし進化を遂げています。
コンパクトカーでありながら、室内空間が広いのが魅力
フロント部分は電動スライディング式となっていて、開放感あふれるドライビングが楽しめます。荷室の大きさもこ のクラスのコンパクトカーとしては標準的で日常使いで困ることはないでしょう。
コンパクトカーなのに、全体的にSUVのようなデザイン。細部に凝った造りが、ひとクラス上のクルマのような雰囲気を醸し出すことに成功しています。必要最低限の収納があり、初代パンダにはなかったドリンクホルダーも装備しているのも嬉しい。
シートの座り心地は硬すぎず柔らかすぎず。シートポジションはリクライニングがダイヤル式なので細かく調整ができ、ベストなドライビングポジションが簡単に見つけることができます。運転席側にはシートリフターも装備。更にステアリングはチルト機構付き。これもドライビングポジションを決める上では欠かせない特徴です。
ちなみに、2代目パンダのデザイナーは、フィアット・X1/9やランチア・ストラトスなどを手がけたイタリアの名門カロッツェリア、ベルトーネ。日本車にはないシンプル且つクリーンなデザインに仕上がっています。
鳴り響くエンジンと共に走る喜びを実感できるコンパクトカー
エンジンをかけてみてブルブルッと小さな振動を起こし目覚めるのは、1.2リッターのFIREユニット。ちなみにFIREとは「Fully Integrated Robotised Engine(完全機械生産エンジン)」の略です。水温が安定するまではタコメーターが上下動を激しく繰り返し、その息吹たるやまるで生き物のようです。
マニュアルギアボックスをベースとしたセミオートマチック、デュアロジックのレバーを操作し、いよいよ走り出します。手始めに「オート」モードで走りだすと、1速から2速に変速する際一瞬タイムラグがあり、ギクシャクした変速感になります。
初めてこの手のセミオートマに乗る人はビックリして「壊れたんじゃないの?」と思うかもしれません。これはあくまで仕様であり故障ではありません。
その後はスイスイとシフトアップ。信号待ちで減速する時などは、デュアロジックがご丁寧にシフトダウンまでしてくれます。良く出来たオートマチック車でも、ここまで細かい制御はしてくれないクルマが多いです。
山道に差し掛かったら、今度はレバーを左側に倒しマニュアルモードにしてみます。小さいエンジンでパワーがないので、マニュアルモードはこのクルマの腕の見せ所です。するとエンジンを引っ張って楽しむ、あの小排気量車独特の楽しさが目の前に現れてきます。
エンジンパワーは60馬力しかありませんので、ブン回して乗る楽しさを味わえます。クルマをちょっと知っている人なら、この痛快さが魅力の一つになっています。
輸入車生活を手軽に始めたい人向きという意見も
走る楽しさとイージードライブの両立、そして優れたスペースユーティリティ。これこそが初代パンダとは違う2代目パンダの最大の魅力です。何より中古価格が安く、国産コンパクトカーと同じくらいの値段で手に入れることも可能です。
「でもイタ車って、壊れるんじゃないの?」という声もよく聞きますが、しっかりメンテナンスされた個体を選べば、そこから先は国産車+αの金額で楽しむことができます。クルマも小さいので、税金や保険などの維持費が安いのも魅力の一つです。
輸入車生活を手軽に始めてみたい、という方にはこの2代目フィアット・パンダ、中古市場でもお手ごろな価格でお求めできます。