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私の頭の中のオトコ査定 Ver.4 ~カマロオーナー編~

2016.04.26

街を歩いている時、ある人の香りがしたような気がして後ろを振り返ったり、久しぶりに見聞きしたことから、思い出がふと頭を過ったことはないだろうか。それが心をチクリと突くような、ちょっぴり辛い恋の思い出だったりすることも。

身に着けていた香水、お風呂から出てきた時のシャンプーの匂い、彼氏が使っていた時計、乗っていたクルマ……ある日、過去に好きだった男が乗っていたクルマを街で偶然見かけて、『そういえばあんな人もいたな……』と、乗り越えた恋の傷に思いを馳せる瞬間を経験する女性は少なくないだろう。

私の場合、「シボレー・カマロ」がそれだ。

清潔感があって誠実。でもその本性は?

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「実は女ったらしだった……!自由奔放なゴーイングマイウェイ男」

年収:600万以上

職業:上場企業のサラリーマン

特徴:「ワイルド・スピード」や「トランスフォーマー」シリーズのファン。数あるブランドの中でも敢えてアメ車を選び、日本でアメ車をメジャーにしたいと目論んでいる。マッスルカーを運転する男であるならば、自分も筋肉隆々なのがカッコいいと考え、ジムに足しげく通ってボディメイキングに勤しむ。好きな女優はメーガン・フォックス。

引き締まった筋肉質で高身長な身体に、清潔感のある服装、少年のような優しそうな笑顔がどストライクだった。実家は都内の高級住宅街に立地し、20代前半で購入したという高級タワーマンションの物件に1人暮らしをし、ショッピングは大体銀座や代官山というサラブレッド。

数万円もする高級ボディクリームや香水をいくつも洗面所に並べ、ラベンダーのボディミストを身体にふって寝るような人だった。少し潔癖そうだが、佇まいから育ちの良さが滲み出ている彼は、誠実そうな印象まで与えてしまうから、女に油断させて実は遊んでいる、という罪な男。

ある日、彼の家で見つけたもの。それは・・・

その彼は、さらりと言い放った。「それは、家族のものだよ」

「一人暮らし」の家の洗面所の引出しに無造作に置かれていたメイク落としと、テーブルの片隅に置かれたバースデーカードは、言い逃れようのないほど「もう一人の女の存在」を決定づけるものだった。彼女はいないっていうから、友達に紹介してもらったのに、一体どういうこと? と目の前の事実に頭がくらくらしそうだ。

そうだ、最初のデートの時に『僕だって浮気ぐらいしたことあるよ、人間だもん。』って言ってたっけ。二度あることは三度あるものだ。真面目に見えて、実は相当な女ったらしってこともあり得る。同時並行で進めてたってことなの?じゃあ、あの日家にあった冷え切ったピザは、1人じゃなくて、前日にその子と食べた残飯だったってこと?……ちらっと見えたLINEの表示画面が全部女の子とのチャットだったってこともあったけ。

これまでの一連の彼の言動が、走馬灯のように頭を駆け巡り、点と点が結びついて1つの事実が浮かび上がる。要するに、私は後発案件ってことね。ここに来て、遊び人疑惑が一気に浮上……orz これまでの数か月間を返してくれ!! とは言え、彼女ではないから何も言えず。ショ、ショック……(愕然)

引出しの「例のもの」について言及しても、彼はいつまでも首を縦には振らなかった。呆れてもう責める気にもならない。心では分かりきっているのに、決定打があるわけではないから責めようにも責められず、何事もなかったかのように話題を変えてその場をやり過ごそうとした。

その後のカマロ男との進展は?

Woman using her mobile phone , city skyline night light  backgro

それからしばらく、連絡が途絶えた。友達づてに探ると、やはり「彼女らしい人」がいるみたいだった。

それまで1~2週間に1度は会っていたのが、一切連絡をしなくなり、1か月程が経とうとしていたある日の金曜日だった。

(LINEの着信音♪)

『今日お家にいるの?』

「いるよ」

『会いたいな。行ってもいい?』 

約30分後、到着を知らせるLINEの着信音が鳴った。遅くまで残業をして、仕事帰りに立ち寄ったようだ。

モニターが映すエレベーターの階数がロビー階に近づくにつれ、ざわつく心を落ち着かせる。マンションの下まで降りて正面玄関を出ると、目の前にはジャケットのポケットに両手を突っ込んだまま、シボレー・カマロの横に背中をもたれて立つ彼の姿があった。

悔しいけど、やっぱりカッコいい。嫌いだけど、嫌いになりきれない。そんな少女マンガのようなイタさを自ら感じながらも、表情を変えずに、内心は久しぶりに会えた嬉しさを押し殺す。

『全然連絡くれないのはひどいよ。元気してた? 最近は仕事が忙しくて全然ジムに行けてないんだ……夏までにポパイみたいに腕を太くしたいのに。ずっと、どうしてるのかなって思ってたんだよ』

罪悪感は一切ないのか、何事もなかったかのようにカマロ男は優しい言葉を重ねる。どうせ、いつでも会える都合のいい女としか思っていないくせに。この優しい笑顔はずるい、ずるすぎる……。

彼女のポジションにいる人がいるにも関わらず(その曖昧な関係性にも疑問符を投げかけたくなるが)、どうしようもない男だ……と心の中ではぶつくさと文句を言いながら、もうこの人に会うのは最後にしようと決めた。

『ねえ、もう少し暖かくなったら、僕のカマロでまたドライブに行こうよ』

時刻は既に午前1時を回っていた。『また連絡する。』と言って優しげな笑みを浮かべてカマロに乗り込み、エンジンをかけて一瞬手を上げかと思えば、アクセルを踏んで颯爽と走り去って行った。

blurred urban look of the car movement nights

彼と会ったのはそれが最後。その後も何度か連絡は来たものの、返事はしていない。都内でのカマロ遭遇率は低いものの、街でシボレー・カマロを見掛けると、ドキッとしてしまう。悔しいけど、これが未練というものなのか……

1年程経った頃だろうか。その例の彼女は、カマロ男の浮気性にとうとう愛想を尽かして別れたようだ、と風の噂で聞いた。その理由が、「雲みたいな人で、何を考えているのか掴みきれない」だったのだとか。シボレー・カマロに貼り付けられた「女ったらし」のレッテルは、当分は消えそうにない……。

(文/シーナ・リリー)

東京カレンダー「花より高級車」連載

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