長野県にまたがる日本アルプスの中腹、海抜1,462mの高地にひっそりと存在している中房温泉は燕岳登山口にあり、古くから登山者に愛されてきました。
文政4年に開湯して以来、谷あいの湯で旅人を癒してきた中房温泉は昔ながらの湯治場の雰囲気を残していて、温泉ファンからも根強い人気があります。
ここでは紅葉の名所としても知られている中房温泉の情報と魅力を、たっぷりと紹介します。
中房温泉の歴史
Photo By 中房温泉
中房温泉にまつわるもっとも古いエピソードは、804年まで遡ることになります。当時の征夷大将軍であった坂上田村麻呂が、村人を苦しめている魏志鬼八面大王を討伐したあと、傷ついた将兵を湧き出る湯で癒やしたと言われています。
近年のように湯治場として利用されるようになったのは、文政4年に松本藩の命令で本格的に開湯してからです。それ以来現在まで200年近くの年月が経過しましたが、今もなお源泉かけ流し100%のお湯をどのお風呂でも楽しむことができます。
中房温泉の魅力
源泉のほとんどの温度は90度を超えていますが、加水してうすめるわけではなく、自然のエネルギーを利用して適温に調整しています。こうした自然との調和を大切にして、柔らかい泉質を堪能できるところが魅力のひとつです。
宿泊施設の大浴場でお湯を感じるだけではなく、岩風呂や滝の湯、菩薩の湯、白滝の湯などバラエティ豊富な浴場が点在していて湯めぐりを楽しめることがポイント。
平成18年に完成した日帰り専用野天風呂の「湯原の湯」では、積み上げられた川の石風呂でヌルヌルとした湯を感じながら、すべすべのお肌に生まれ変わることができるでしょう。
中房温泉へのアクセス
カーナビに電話番号をいれてしまうと「中房温泉冬期事務所」を案内されてしまうため、施設名か住所で検索するようにしましょう。
最寄りICである豊科インターからは、57号線と48号線を走って有明の交差点に行きます。その後は左折し、15km程度ある山道を登っていきます。立ち寄り湯である「湯原の湯」が見えると、中房温泉に到着します。
名称 | 中房温泉 |
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住所 | 〒399-8306 長野県安曇野市穂高有明7226 |
公式サイト | http://www.nakabusa.com/ |
日本を代表する山脈であるアルプス山脈内にある中房温泉は、今では数も少なくなった源泉かけ流し100%を堪能できるため、美肌効果を期待することができそうです。
紅葉の名所としても知られているため、入浴しながらもみじを眺めるととてもよい思い出になります。山奥の秘湯でのんびりと贅沢な時間を過ごすことができますね。
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