星空観察
と言えば冬のイメージを持っている方も多いかと思います。
ですが、実は夏の夜空も星空を見上げる価値があるんです。
今回は星のソムリエ(星空案内人)の里山ホテルときわ路の小野瀬さきさんに、夏の星空を観察するコツを教えてもらいました。最後には2015年の主な流星群の日程表もありますのでぜひご覧ください。
星空案内人・星のソムリエとは…
星空案内人(通称星のソムリエ)とは、おいしいワインを選んでくれるソムリエのように、星空や宇宙の楽しみ方を教えてくれる人のことです。
星空案内人は試験を受けて合格した人だけが名乗ることができます。合格するためには、奥深い天文学の知識や星座探し、望遠鏡による天体観測の技能、星座の物語に関する知識などを幅広く学ぶ必要があります。
星空案内人(星のソムリエ)公式サイト
小野瀬さきさんとは?
小野瀬さきさんは茨城県北部にある常陸太田市の里山ホテルときわ路という場所で宙ガールとして活躍しています。
豊かな自然に囲まれたときわ路に泊まる宿泊客の方々に、星空を観察することの面白さや、楽しみ方などをわかりやすくレクチャーしています。ここ、里山ホテルときわ路は他にも、薪割りをすると宿泊料が割引にな薪割り割など特徴的なプログラムが用意されています。
里山ホテルときわ路とは
住所 | 〒313-0008 茨城県常陸太田市増井町1800 |
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公式サイト | http://tokiwaji.jp/ |
電話番号 | 0294-72-4141(9:00〜21:00) |
1.流星群は肉眼で、惑星は望遠鏡で見るのがベスト
-天体観測と言えばBUMP OF CHICKENの午前2時フミキリに望遠鏡を担いでったイメージですが、実際のところどうなのでしょうか?
そうですね、もしも惑星を観察する場合は望遠鏡がベストです。でも、流星群を観察する場合は実は肉眼で見たほうが楽しめます。
※惑星:水金地火木土天海のこと
-意外ですね、星を見るには望遠鏡が必要だと思っていました。
一つの天体を観察する場合は確かに望遠鏡がある方が楽しめます。
でも、流星群は夜空を面で眺める方がその迫力を楽しみつくすことができます。
-なるほど。観測する時のコツはありますか?
コツは、流星群が流れてくる方向を見つけることです。
例えば有名なペルセウス座流星群はペルセウス座の方向から流れ星が放射状に広がります。この放射点を見つけると夜空に広がる流星群を体感できるんです。
2.簡単に手作りできる赤いライトを用意する
-よく仕事帰りに星空を見ようと空を見上げるんですが、なかなか星が見えません…。
実は人間の目は星空を見上げるために暗闇に慣れるまでしばらく時間が必要なんです。
特に明るい建物から出た直後は、目が建物の明るさに慣れてしまっているのでなかなかキレイに星空を眺めることができません。
-なるほど、どのくらい慣れるまでに必要なのでしょうか?
おおむね30分くらい必要だと言われています。
-意外と長いですね…
お客様がこの時間で退屈しないようにするために、宙ガールとして星座に関するさまざまなお話を紹介したりしています笑
ちなみに、外に出てから懐中電灯などで照らしてしまうと意味がなくなってしまうので注意が必要です。
-でも外は暗いですよね。
そんな時は赤いライトを使うといいと言われています。
実は懐中電灯の光る部分に受験勉強などの暗記で使う赤い下敷きをくっつけるだけで簡単に作れるんです。
-意外と簡単ですね!
3.星空をキレイに観察する場所の選び方
-星空が綺麗な場所とか聞くんですが何が違うんですか?
綺麗な星空を見る条件は
1.夜空を遮るものがない開けた場所
2.近くに明かりがない
3.空気がきれい
の3つがあります。
-都内はほぼNGですね
明かりが強い都会は、暗い星を見るには向いていませんが、そんな時は夏の大三角がおすすめです!
晴れた夜、空を見上げて明るく光る3つの星があったら十中八九それが夏の大三角です。
-へ…
明るい都会みたいな場所は特に、光が強い星しか見えないので逆に見つけやすいと思いますよ笑
-なるほど…
夏の大三角ははくちょう座のデネブ、こと座のベガ、わし座のアルタイルからできています。
ちなみにはくちょう座のデネブは尾っぽという意味です。
デネブを尾っぽにしてはくちょう座を描くと、ちょうど羽を広げた下に天の川があります。天の川が見えなくても天の川を感じられるんです!
それに、ベガとアルタイルが織姫と彦星なので、2人の間を分かつ天の川をはくちょう座の翼がつないでるって思うと…ロマンチックじゃないですか!
-は…はい!
4.月が明るければ月を見ようよ
-そういえばそろそろ満月が近いですね
満月に近いと実は夜空が明るくなって星が観察しにくくなるんです。だから流星群の日を把握するのと同時に、月齢も確認しておくようにしておいてくださいね
-なるほど、ということは満月の日の流星群はあまり楽しめないんですね…
そんな時は月を見ればいいじゃないですか!
-そ、そうですね!
ふだん何気なく見上げている月も、望遠鏡で見てみると肉眼で見るよりも明るく見えてびっくりする方も多いんです。それにきれいにクレーターが眺められるので見ていて楽しいですよ。
星空観察の注意点
星空は眺めていると我を忘れがちですが以下の4つの注意点は忘れないようにしてください。
1.夏は虫が出るから長袖もしくは虫除けは必須!冬は羽織るものを忘れずに!
2.暗くて広い場所は獣と出会う可能性も!音が出るスズなどを持っておくようにしよう!
3.夜、明かりを消していると車から見えにくくなります。自動車事故にはくれぐれも注意!
4.星空を眺めながら歩きまわると、足元が見えずに危険です!自分の周囲にも気を配るようにしましょう!
6.2015年下半期流星群の日程まとめ
流星群の名前 | 活動期間 | 極大日 |
---|---|---|
みずがめδ | 7月12日~8月19日 | 7月28日 |
やぎ | 7月3日~8月15日 | 7月31日 |
ペルセウス | 7月17日~8月24日 | 8月13日 |
りゅう | 10月 6日~10月10日 | 10月9日 |
オリオン | 10月2日~11月7日 | 10月22日 |
おうし | 10月1日~11月25日 | 11月6日 11月13日 |
しし | 11月10日~11月23日 | 11月18日 |
ふたご | 12月 7日~12月17日 | 12月15日 |
こぐま | 12月17日~12月26日 | 12月23日 |
まとめ
思いの外熱く語ってくれた星のソムリエの小野瀬さん。
小野瀬さんの話では、実は世の中にはまだ観測例が少なすぎていつ次の流星群が来るかわからないものもあるそうです。その中の一つが去年観測されたほうおう座流星群!
年末に星空を観測していた研究者が何十年かぶりに観測したそうです。肉眼でも楽しめる流星群、今回紹介した日程ではなくても、夜空を見上げていると運良く見ることができるかもしれません。
ぜひ夜空を見上げてみてください!
※「裸眼」ではなく「肉眼」ではないかというご指摘がございましたので修正いたしました(08/10追記)