近年では、再注目されつつある80年代の名車たち。若い車好きの方にとってはその形が新鮮さをもって迎え入れられ、また親御さんの世代では青春の輝かしい思い出とともに過ごした大切な存在であったことでしょう。今回はそんな80年代の国産名車を、そのCMソングとともにご紹介いたします。音楽好きも、車好きも、若い方もかつての青春を名車とともに過ごした方も、ぜひご一読いただければ幸いです。
80年代を彩った国産名車とアーティストたち
1980年代は「バブル景気に代表されるような派手な時代」というイメージを持たれる方が多いでしょう。マハラジャがオープンしディスコブームが始まり、スポーツカーが流行した年代でもありました。その当時青春を過ごした方々は今では立派な親になっている方も少なくはないはずです。また今青春を送っている方はその子供の世代である場合もあるでしょう。では、実際にそんな時代にあってはどんな音楽や車が流行していたのでしょうか。TVCMとともに振り返ってみましょう。
トヨタ・MR2(2代目)/高橋幸宏『FAIT ACCOMPLI』1989年
こちらは時折街で目にすることのある車ではないでしょうか。まるでポルシェのような流麗なボディラインを持ったミッドシップのスポーツクーペ、それがトヨタ・MR2です。2000ccの直列4気筒エンジンでNAとターボ車が存在し、今でも人気のある車種となっています。
CMソングは高橋幸宏の『FAIT ACCOMPLI』。サディスティックミカバンドやYMOのメンバーとしての活動や、プロデューサーとしての活動が著名ですが、こちらは高橋のソロ曲です。
ホンダ・シビック(3代目)/Louis Armstrong『What a Wonderful World』1983年
続いてはホンダ・シビックです。シビックはホンダのFF3ドア、5ドアハッチバック、4ドアセダンです。エンジンは直4、1.3Lと1.5Lのモデルが用意されました。ホンダとして初めて日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した車で、現在でも愛好家の多い車種です。
CMソングとして起用されたのはLouis Armstrongの『What a Wonderful World』。皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。Louis Armstrongは20世紀を代表するジャズミュージシャンです。ピカピカのトランペットと哀愁のあるかすれた歌声がトレードマークでした。意味のない音を使ってメロディーに合わせて即興で歌うスキャットという手法を広めたことでも有名なミュージシャンです。
ホンダ・シティ(初代)/MADNESS『In the City』1981年
ホンダ・CITYは1981年に発売が開始された直4、1.2Lエンジンの3ドアハッチバックです。背の高い独特で可愛らしいデザインはトールボーイと呼ばれ、人気を博しました。また、現在の軽自動車よりも短い車体で車重も軽いわりに、よく走ることから若者を中心に人気の車種となっています。
曲はスカバンドであるMADNESSの『In the City』。作曲は井上大輔です。MADNESSはイギリス出身のバンドで、このCMで日本においても一躍有名になりました。現在でもコアな音楽好きのファンを多数持つバンドです。
日産・セフィーロ(初代)/井上陽水『今夜、私に』1988年
日産・セフィーロは1988年に発売された直6エンジンのFRセダンです。スカイラインやローレルと共通のシャシーを使用している点が特徴です。そのため、共通の部品が多く、手軽に購入できるFR4ドアセダンということでチューニングカーやドリフト車のベースカーとしても人気があります。
セフィーロの特徴的な一連のCMは糸井重里によるキャッチコピー「くうねるあそぶ。」や井上陽水の楽曲で話題を呼びました。CMソングは井上陽水の『今夜、私に』。井上陽水は『少年時代』や『夢の中へ』で有名なシンガーソングライターです。楽曲がCMソングとして起用されることも多く、一度は井上陽水の曲を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
トヨタ・セリカ(2代目)/The Rolling Stones『Satisfaction』1981年
トヨタ・セリカは1977年にフルモデルチェンジをし、2代目となりました。2ドアクーペと3ドアリフトバックが用意され、1.6L、1.8L、2Lのエンジンがラインナップされています。さらに1978年にはスープラの始祖にあたる、3ドアファストバックのセリカ XXが発売されました。直6エンジンの2.0Lと2.6Lが用意され、今後のトヨタのスポーツカーの歴史を大きくけん引していくことになりました。現在でも愛好家は数多く、人気車種となっています。
CMソングに起用されたのはThe Rolling Stones『Satisfaction』。The Rolling Stonesはロックの殿堂入りを果たしたイギリスのロックバンドで、『Satisfaction』はその代表曲にあたります。特徴的な唇と舌をモチーフとしたマークはTシャツなどを街でよく目にする機会も多いですし、様々なCMソングとしても起用されています。ロックの登竜門的存在として、今でも老若男女問わず人気があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。見渡してみると、今回ご紹介したような車が今でも街を走っていたりすることがあります。整備には少し手間がかかることもありますが、それだけ車に対して愛着もわいてきます。今回ご紹介した曲たちを聴きながら、ドライブをするのもきっと気持ちがいいでしょう。昔のあこがれの車や愛車にもう一度乗りたい方、そしてこれから旧車と呼ばれるジャンルに興味を持った方も、一度車屋さんを除いてみてはいかがでしょうか。今ではネットも普及していますので、気になる車や曲を調べてみるのもよいかもしれません。きっと、新しい世界が見えてくるはずです。
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