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日本の車の中で、オフロード車の代表格といえばズバリ、トヨタ・ランドクルーザーではないでしょうか?「どこでも走れる!」というコンセプトで作られたこの車は、その期待に添えるように世界中で支持され続けています。
そのランクルも現行である200系へのモデルチェンジ以降、すでに10年の年月が経過しました。そのため、ここ数年の間フルモデルチェンジの噂が毎年のように出ている状況です。10年が経過した今、いよいよもってその噂も濃厚になってきた感触があります。
今回はトヨタ・ランドクルーザーの魅力を、200系のフルモデルチェンジに向けて今一度おさらいをしてみたいと思います。
ランクルシリーズ累計販売台数は900万台、110カ国以上で販売
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トヨタ・ランドクルーザーは日本だけに留まらず、全世界で発売されており、数多くのファンに支えられ続けています。
なぜそこまで人気があるのか?一番の理由はやはり、その走行性能にあるのではないでしょうか。
海外の悪路は日本の常識では考えられないような道路が存在
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海外には、日本では考えられないような悪路が横行する国が多数存在しています。トヨタの開発者は実際にそれらの国々に赴き、走行テストや現地の人の声を取り入れ、次のモデルチェンジにつなげるとか…。
それにより、耐久性に関しても十分に対応できるレベルの車を開発することができるというわけです。さすが日本が誇る自動車メーカー、トヨタです!
ランドクルーザーの歴代モデル
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ランドクルーザーは、トヨタで一番歴史のあるモデルだったということをご存知でしたでしょうか?実は「セダンの王様」と呼ばれているクラウンよりも長い歴史を持っています。
そこで、ランクルがどのような経緯で生まれ、どのように進化して行ったのか…その軌跡をたどってみました。
ランドクルーザーの起源トヨタジープBJシリーズの登場
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太平洋戦争終結後から数年が経過した1951年、自衛隊の前身である警察予備隊が車両導入のため、自動車メーカー数社に対し入札を依頼しました。
トヨタもトヨタジープBJ型でこの入札に参加をしますが、惜しくも負けてしまい採用されずに終わってしまいます。(この時採用されたのがウイリスジーブのライセンス生産を行なっていた三菱。)しかしその後、時の国家地方警察から声がかかり、パトロールカーとして納品されることになります。
これを機にトヨタジープBJは製品化に向けて動き出し、引き続き開発が続けられることになったのです。
その後、「JEEP」は米国ウィリス・オーバーランド社の登録商標となったため、トヨタは独自の名前をつけることになります。
当時はイギリスのランドローバーがJEEPに劣らないクロスカントリー車として頭角を表して来ている矢先のこと。トヨタは「ランドローバー」=「陸の海賊」に対抗するため「ランドクルーザー」=「陸の巡洋艦」というネーミングを与えることにします。
「海賊を退治する」という意気込みでの命名です。
これが、1954年の初夏の時期、世界的な大ベストセラーとなるクロスカントリー車「トヨタ・ランドクルーザー」が生まれた記念すべき瞬間です。
なお、この時点のエンジンはBJ型(「B」型の「J」EEPタイプのエンジン)が使われていましたが、消防ポンプ車用にFJ型というエンジンも開発されます。
FJ型は、この時点ではまだ大型車両用に開発したエンジンでしたが、このエンジンこそがその後のランクルの主流のエンジンとして進化していくことになるのです。
20系ランドクルーザーとステーションワゴンの30系登場
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ランドクルーザー命名からおよそ1年後の1955年8月、ランクルは初のモデルチェンジを行いました。ランクル20系の登場です。
エンジンは前モデルから引き継いだ3.4LのB型エンジンの他、3.9LのF型エンジンも追加され、ユーザーはそのラインナップから好みのタイプの車両を選べるようになりました。
このときのランクルはまだ2WDが主流で、販売されている車両の大半が4WDでは無いFR(後輪駆動)の2WDです。
ボディーは、ハードトップ、ソフトトップ、ピックアップ、バン、ステーションワゴンなど、すでにこの時点で一通りのラインナップが揃っています。
ロングセラーとなった40系ランドクルーザー
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1960年、20系がフルモデルチェンジされてランドクルーザーの3代目にあたる40系が発売されます。今もなお人気の高い年式としてマニアックなファンが多い他、現役で活躍している車両も世界中到るところで走っています。
現在(2018年)の中古車市場でも、第三期と呼ばれる1979年式以降のモデルであれば、140万~200万位で購入することが可能です。また、ランクルで初めてディーゼルエンジンが搭載されたのもこの40系です。
その後、後継機種も発売されますが、この40系はマイナーチェンジをし続け発売開始からなんと24年もの間販売され続けたのです。
40系をベースに乗用モデルとなるランドクルーザー55/56型が登場
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1967年、好調である40系においてマイナーチェンジの一環として発売されたのが55/56型です。常用車への意識を感じさせる外観は工業デザイナーを起用したということもあり、ひと目で違いがわかる「顔つき」となりました。そのためマイナーチェンジ+α的な位置付けで見られています。
ただ、あくまでもフルモデルチェンジでは無いため、「55/56型」と表現され「50系」という言葉は使用されませんでした。アメリカではその風貌からヘラ鹿の意味であるムース(moose)と呼ばれました。
ヘビーデューティー系から独立したランドクルーザー60
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1980年、55型の後継機種として発売されたのがこの60系です。JEEP然としたフェンダーが無くなり、より近代的な作りになったため、21世紀の我々から見るとより今風なデザインに近づいた感じの車体となりました。
いよいよもって1984年に40系は生産が終了し、その時点でランクルの主力はこの60系に全てがスライドします。それまでの40系はコンパクトなイメージがありましたが、それに変わる大きな車体として北米では高い評価を得ました。
40系の後継として登場したランドクルーザー70
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1984年、40系の後継として販売を開始されたのがこの70系です。丸型ヘッドライト、フロントフェンダー、程よく四角い車体、クロカンらしい車高…私が思描くランドクルーザーの形はまさにこの70系です♪!
大ベストセラーだった40系の後継車種ということもあり、かなり人気の高い車種となりました。また、全体的に「軽く」改良された「ライト系」モデルが発売されたのもこのモデルです。(ライト系はのちに「プラド」と命名され、現在に至る。)
この70系はその後、2004年までの20年にわたり販売され続けることとなります。
販売終了から10年が経過した2014年、「ランクル30周年記念復刻モデル」として、この70系が1年間限定で復刻しました。
高級路線を強めたランドクルーザー80
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1989年、60系の後継車種として北米やオーストラリアなどを中心に海外輸出向けに開発されたモデルがこの80系です。車体が60系よりもひと回り大きくなり、いかにも海外向けというイメージが強い車となっています。
クロスカントリーの基本のコンセプトは振れること無く継承され、外装内装ともにグレードアップし、ランクルに初めてSUVの要素が加わった車種となりました。
発売からおよそ9年の間、後継モデルとなる100系に切り替わるまで、ヘッドライトなど細かい部分のマイナーチェンジこそはあったにせよ、4ドア仕様のロールーフというスタイルは徹底して維持され続けました。
始めてV8エンジンを搭載したランドクルーザー100
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1998年、80系の後継車種として登場したのがランクル100系です。ランドクルーザー-で初めてV型8気筒エンジンを搭載しました。
強靭なボディーと美しい内装は高級車としての貫禄が見事に出されており、性能の部分においても「どこでも走れる」というランクルならではのコンセプトに十分な磨きがかかっています。
今までのランクルにあった高い走破性と頑丈なボディーは継承されながらもしっかりとバージョンアップがなされており、トヨタは「トップオブSUV」という「称号」を自ら与えた程でした。
残念ながら、ディーゼル車に対する「平成17年排出ガス規制」をクリアすることができず、2007年に生産が終了します。
より豪華により安全性能を高めたランドクルーザー200
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2007年に、前モデルの100系を継承し誕生したのがこの200系です。内外装のデザインや質感に対するこだわりの他、ランクルならではであるオフロード走行はもちろん、街乗りから高速走行まで全てにおいて十分な力を発揮してくれる存在として生まれ変わりました。
走破性能は変わること無く、更に豪華な内装が与えられたプレミアムな4WDは、世界100カ国で販売され続けており、そして現在に至っています。
次回はランクルから派生した車種を徹底検証!
さて、今回はランドクルーザーの誕生から現在に至るまでの軌跡を、簡単に振り返ってみました。
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次回はランドクルーザーの各モデルから派生して生まれた車種を紹介しつつ、現行モデルである200系からのフルモデルチェンジはいつになるのか?を徹底検証してみたいと思います。