こんにちは、里美です。高級車に乗ったリッチな男性と結婚したくて、日々婚活に励んでいます。お金持ちの集まるクルーザーパーティーで偶然再会したのは、同級生のマキコ。結婚相談所を経営しているというマキコに相談したら、半ば強引に彼女の会社へ連れてこられたところです。
里美…30歳、某IT企業勤務。大学生の頃からセレブな男性とばかり付き合ってきた。そろそろ結婚しないとマズイかなと思い若干焦って婚活中であるものの、生活レベルは落としたくないので難航気味。瀧本美織似。
マキコ…30歳、偶然再会した里美の同級生。自分で結婚相談所を経営している。橋本マナミを派手にした感じの整形美女。
受付の男性「社長、お疲れさまです!」
さっと立ち上がって挨拶してきたのは、まさかの男性。しかもかなりのイケメン。受付にこんなイケメンが?!と思わず見とれてしまったところにやってきたのは、マキコの直属の部下だという高田万由子似の美女。私たちより1回り近く上といったところでしょうか。相談者に安心感を与えるような、賢そうな顔。そして押しの強そうなところがあります。相談者の背中を押す必要がある仕事において、気の強い女性はぴったりなのかもしれません。
佐々木「初めまして。佐々木です。里美さん、マキコ社長のお友達なんですってね。私が責任持ってしっかりカウンセリングさせて頂きますからね」
佐々木優子、と名乗ったその美女は、にこやかにアンケート用紙を渡してきました。
それにしても……この会社、美男美女ばかり。結婚相談所の受付や担当者って美男美女はNGかと思っていました。だって、担当者が登録者の人が見劣りしてしまうでしょう?あとでマキコに聞いてみようと思いつつ、アンケート用紙に目を落としました。
用紙には、お相手に対する要望がずらり。「希望する年収」「喫煙はOKか」「次男を希望するか」「普段の生活で異性と話す機会はあるか」「結婚までにかけたい期間」「自分を動物に例えると?」など、一見婚活に関係ありそうな質問から、よく分からないものまでズラリと質問が続きます。
あっ!!そうだ、趣味に「車」「ドライブ」「サーキット走行」なーんて書いてある男性だったらイケてるお金持ちの可能性が高いかも……。「フェラーリ乗ってます」なんて自己紹介してる人いないかな?っていうか、そもそも年収で選び放題じゃない。なんて素晴らしいシステム。
相手への希望を書くアンケート欄があったので、しっかり条件を書くことにしました。
里美「車持ってるのが最低条件。外車に限る。都内で車を維持するには、やっぱり年収2000万以上欲しいわよね。あとは……」
佐々木「里美さん、年収などの条件をあまり上げ過ぎると出会いの可能性がグッと低くなってしまいます」
里美「え、そうなの?相談所ってお金払えば誰でも結婚できるんじゃないの?」
マキコ「結婚相談所に入会しても、1年以内に結婚できる可能性は3割以下よ。」
里美「そんなに低いの?!」
マキコ「友達だから里美にだけ教えてあげる。長く、長く在籍してくれたほうが私たちにはお金が入るの。月会費ってお布施みたいなものだから。これ、ナイショよ。しかもね、成婚にこぎつける人の半分以上は入会から3ヶ月以内に紹介された人でさっさと決めているんだから。里美みたいに条件ばかり言っている人はなかなか結婚できないわよ」
いきなり厳しい現実を突きつけてくるマキコ。でも、友達なんだから相談所の登録者の中でも条件のいい人を紹介してくれてもいいはず。もちろんタダで!
とはいえ、あまり条件を高くしすぎるなと言われたのでもう少し絞ることにしましょうか。車は譲れないし、サラリーマンは話が合わないから経営者がいいな。7センチヒールを履きたいから、身長は私より15センチは上であって欲しい……。ああ、条件を絞るのはなんて難しいのでしょう。
次回に続きます。
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