大型車の下回り塗装って、すごく大変な作業!

     
   

いつもお邪魔させていただいている会社さんに訪問すると、なにやら外で大掛かりな作業をしていました。そこでは4トンロングトラックの下回りを防錆する準備を着々と行っている最中でした。

筆者在住の豪雪地帯では、乗用車だけでなくこういったトラックも防錆をしないと1年間で車がボロボロになってしまうとのことです。今回は乗用車でなく、もっと大きなトラックの下回り塗装について解説します。

防錆施工するトラックの情報

引用:筆者撮影画像

平成18年とのことです。ドライバーさんの趣味でフロント部分をメッキでピカピカにしています。走行距離は少ないのですが毎日配送で使用しているようです。

会社もドライバーさんも車を大切に管理してはいるのですが、年式・走行距離などから下回りは結構酷い状態になっているようです。今回は、2年ほど前に施工した下回り塗装をもう1回行うとのことで作業していました。

下回りの塗料を塗る前の下準備が大変!

引用:筆者撮影作業

今回は見学のみにしたのですが、乗用車と違って下回りを塗るための準備が非常に大変そうです。塗料が入ってはいけないところを新聞などできちんとマスキングしたり、塗る前に剥がれかけの塗料を落としたりしていました。

写真にもあるように、車の下にブルーシートを敷いています。これは、塗装のはがれて錆が浮いているところを削ったり、既にフレームが錆だらけになっているところを落としたりするためです。ブルーシートの上にはがれているのが全部錆などです。

ほぼこの錆落としなどで8時間くらいかかったそうです。作業は二人で行っていました。塗るのに邪魔なサイドバンパーや工具箱などボルトが折れながら全部取り外したりしなければならないので大変な作業ですね。折れたボルトの処理も同時並行で行っているので、結構な重労働であるといえます。

引用:筆者撮影画像

上記黄色○部分は、錆を落とした後に専用の錆チェンジャーを塗っています。これは、錆を黒錆に置換することで腐食進行を防ぐ液剤です。こういった処理をすることも豪雪地帯では重要な作業です。

塗装をする前の下準備がきちんとしているか否かで防錆の持ちも変わってくるといえます。

引用:筆者撮影画像

フロントキャビン側は、ドライバーさんが毎日洗車しているだけあって、そんなに錆は来ていません。泥だけ落として塗装すれば良さそうです。普段の洗車で錆具合も変わってくることがはっきりわかりますね。

下回り塗装作業開始

引用:筆者撮影画像

下準備が終わり、塗装作業が始まりました。今回は、専用のガンで施工しています。2名で手際よく作業を進めていきます。下回りを塗る際には、中の方から外に向かって塗っていくのが基本です。

外側から中に作業を進めていくと、塗ったところから塗料が垂れたり、手で塗ったところを触ってしまったり作業が思うように進まないので、車の中心から塗っていくのが良いでしょう。

外した部品も錆が来ています。こういったところも防錆の為に塗料を塗っておきます。黄色○4箇所は、サイドバンパーのステーです。サイドバンパー自体はステンですので、ステーなど鉄素材の部分に塗料を塗っていきます。

全部の塗装が終わったら、マスキングしていた新聞紙などを外していきます。そして外したパーツを取り付けて作業は終了です。2人作業で、2日間かかって1台の防錆塗装が終了しました。じつは防錆塗料を行いたいトラックがまだ5台くらいあるようです。

下回り完成後のチェック

引用:筆者撮影画像

作業している人いわく、このリアのデフ周りの錆落としや塗装が結構面倒だったようです。しっかりと塗装もされしばらくは錆なさそうで安心です。自動車も同じなのですが、デフ周りは、以外と水や塩カリなどが当たる場所です。結構真っ赤になっている車が多い状況です。

引用:筆者撮影画像

フレームや荷台の下にも綺麗に塗料が入っています。上画像のパーツは、マフラーです。今回はマフラーに耐熱塗料施工しなかったようです。錆びているところと、塗ったところの違いがはっきり出ていますね。

引用:筆者撮影画像

サイドバンパーのステーもきちんと塗装しています。こういったパーツの塗装を行うことで、見栄えも良くなりますね。仕事に使用する車だからこそ、周りの人に「汚いない~」といわれないように、ドライバーさんも普段から洗車等もしているようです。

引用:筆者撮影画像

ドライバーさんが滑らないようにサイドステップに足用ステッキが付いています。この部分は、真っ赤になっていたのでシルバーで再塗装しています。

仕上がり上々のようですね。ドライバーさんに聞くと「ここまでやっても、2年位したら冬場の融雪剤(塩カリなどや塩)などで塗りなおしかな」といっていました。

まとめ

大型車の下回り塗装って、すごく大変な作業をまとめると

・乗用車同様に塗装前の下準備が重要で、乗用車以上に時間がかかる作業

・下準備の出来次第で、防錆効果が大きくかわってしまう。

・塗装する時は、車の中心から外に向かって行うのがよいでしょう

・付属パーツもしっかり塗ることで見栄えも良くなります。

今回は、4トントラック(約9m)の下回り作業を解説しました。乗用車の下回り塗装は良く聞きますが、トラックでも同じように防錆塗装することで車を長持ちさせてくれます。

 

 

 

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