30台限定のウライアRは、2021年3月18日にサンチェザーリオスルパナロ(イタリア)で公開されました。「純粋・情熱・力強さ・魅力」に制限を設けずに表現されたモデルのようです。
同モデルは、サーキットに焦点を当てて開発され、パガーニ技術をふんだんに盛り込むことで、最高レベルの自動車工学と空力ノウハウが美的デザインと融合しています。
ここでは、パガーニ・ウライアRのエクステリアやパワートレインなどをご紹介します。
パガーニ・ウライアRの概要など
パガーニ・ウライアRは、1960年代から1970年代のル・マンなどで活躍したモデルをモチーフにしています。それは、スッキリとしたボディラインを現代の英知によって具現化した点です。
無限ではない限界点を知り、その中で自由を探求することを表現したモデルであるといえます。サーキットに合わせたパフォーマンス・テクノロジー・アート性をウライアRで大胆に表現させています。
ウライアRは、今日の空力学を探求したモデルという概念でなく、60年代、70年代の美しさを融合させたモデルではないでしょうか。
パガーニ・ウライアRに採用されている技術など
引用:https://www.pagani.com/press/the-pagani-huayra-r/
ウライアRは、その前身であるゾンダR(2009年発表)の技術をさらに革新させているモデルに仕上がっています。航空宇宙及びF1に向けて開発された最先端テクノロジーを組み合わせたゾンダRは、当時公道ではなし得なかった最高のパフォーマンスを提供するトラッカーとして君臨していました。
この哲学・美学を継承し製作されたウライアRは、史上最高のパガーニカーとして開発されています。
パガーニ・ウライアRの空力学について
引用:https://www.pagani.com/press/the-pagani-huayra-r/
最大空力は、320㎞/hで1000㎏のダウンフォースを稼ぎ出します。最初のプロトタイプでは、この空力は比較的簡単に達成できたとされています。しかしながらこれにパガーニの美学を盛り込んで、さらにウライアRの魅力をアップさせていく必要があると、パガーニが開発側は考えていたようです。
車のデザインを昇華させつつ、空力性能を維持することは、非常に至難の技であったという報告が行われています。これは、最低地上高の設定からウライアRに対する美学追求の仕方によってなし得たとのことです。
パガーニ・ウライアRのパワートレインなど
引用:https://www.pagani.com/press/the-pagani-huayra-r/
ウライアRの心臓部であるエンジンは、6.0Lの12気筒自然吸気レーシングエンジンが搭載されています。ウライアRのためにゼロから新設計されています。同エンジンは、パガーニがHWA AGと提携しながら開発したものです。
新開発されたこのエンジンは、今までで最も軽量化されもっとも強力に仕上げられたエンジンとなっています。最高出力は861ps、最大トルクは750Nmです。エンジン回転は9000rpmまでを可能にし、サーキット走行が、最高のパフォーマンス場に変わります。エンジン重量は、198㎏です。
クラッチは、トリプルクラッチシステムによってドッグリングギアボックスに接続されます。これを最短にしたシフトリンケージとシフト精度で制御しています。ミッションの重量は、わずか80㎏です。
マフラーでは、エキマニの全長が12気筒すべて同じ長さにて製作されています。同じエキマニの長さに仕上げるために、ユニークなパイピングデザインにもなっています。排気騒音は、FIA制限である110デシベル内です。
ブレーキは、長年培ってきたブレンボと共同開発しています。ウライアRに採用されているブレーキディスクは、CCM-R自己換気カーボンセラミックディスクです。これにレーシングパッドが組み合わされています。
腰下重量に重要な要素であるサスペンションシステムには、鍛造アルミニウム合金製のサスペンション+ヘリカルスプリングが装備されています。コーナー侵入及び離脱時と加速、ブレーキ時にて最適な姿勢を保てるように仕上げられています。そしてアルミホイールは鍛造19インチとし、タイヤはピレリを採用しています。
シャーシは、パガーニの30年の技術と最新の複合材料で作られたモノコックボディとなっています。これは、ドライバーズシートを完全に保護できるように衝撃吸収とロールバーも付属しています。最新の素材と長年の技術にてM乾燥重量が1,050㎏という軽量モデルに仕上がっています。
パガーニ・ウライアRの主要諸元など
- エンジン パガーニV12-R-6.0リットル-自然吸気12気筒V
- パワー 850HP(625 kW)/ 8250 rpm
- トルク 750Nm / 5500-8300 rpm
- トランスミッション 後輪駆動
- ギアボックス 6速シーケンシャル非同期ドッグリングギアボックス
- ブレーキ Brembo CCM-Rベンチレーテッドディスク:フロント410×38mm、モノリシック
- 6ピストンキャリパー リア390×34mm、モノリシック6ピストンキャリパー付き
- ホイール APP鍛造モノリシックアルミニウム合金 フロント/19インチ、リア/19インチ
- タイヤ ピレリPゼロスリックバージョン-ドライアンドウェット フロント275/675R19、リア325/705R19
- サスペンション ヘリカルスプリングと電子制御ショックアブソーバーを備えた鍛造アルミニウム合金独立ダブルウィッシュボーン
- シャーシ Carbo-Titanium HP62G2およびCarbo-TriaxHP62、CrMo合金鋼のフロントおよびリア管状サブフレーム
- 乾燥重量 1050 Kg(2314ポンド)
車両本体価格は、260万ユーロです。日本円では、約3億3700万円となります。これに税金などを考慮すると約3億5000万円以上になると予想されます。また世界限定30台のデリバリーとなる予定です。
まとめ
パガーニ・ウライアRが公開!サーキット仕様で3億5千万円超え!?をまとめると
パガーニ史上、最高モデルとして設計・開発製造されています。
パガーニの歴史と、最新技術が盛り込まれたモデルです。
販売価格は、日本円で3億5000万円以上となりそうです。
ここでは、パガーニが開発したウライアRの詳細をお伝えしました。パガーニが丹精込めて製作したサーキットモデルがこれから走行している姿が見られるのではないでしょうか。