最新テクノロジーはここまで進化している!これからクルマ業界に導入されそうな新技術をまとめてみた

     
   

クルマにまつわる最先端技術は、私たちの知らないところで日々進化し続けています。自動運転技術はついにレベル3に突入、アウディなどが計画するレベル3では何が可能なのでしょうか?12Vから48Vへの電装へ移行しつつあるのはどうしてなのか?日産が発表した可変圧縮比エンジンにはどんなメリットがあり、今後の主流となるのかなど、2017年に登場しそうな新技術を、現時点でわかる範囲で解説します。

完全自動運転も視野、レベル3に突入した自動運転技術

photo by アウディジャパン公式サイト

2016年には“半自動運転”とも言われるテスラやメルセデス、そして日産から、高速道路の1つの車線であれば自動で走行できるモデルが発表されました。そして車線変更までシステムが判断して行えれば、自動運転は次の段階にすすみます。その「レベル3」の自動運転は2017年にも実用化が始まり、複数のクルマに搭載される予定です。

「レベル3」の自動運転技術は、車がドライバーの監督下で加減速および操舵を自動で行うことが可能な自動運転機能を指すことをいいます。特定の自動車専用道で、限定された速度域に限られます。また、自動運転システムが必要に応じてドライバーにコントロールを返すことに操縦者が対応しなくてはなりません。

これだけだと、日産のプロパイロットのようなこれまでの「レベル2」と変わらないと思うかもしれませんが、「レベル3」では周辺環境を把握して対処する機構の精密さと信頼性が段違い、ドライバーの操作なしで車線変更を行う複数車線の自動運転の前段階となるわけです。

その「レベル3」の自動運転を可能にする車として、先陣をきるのが新型「アウディA8」です。2017年内に発表される予定のアウディのフラッグシップ・サルーン、次期「アウディA8」は、完全にドライバーレスの自動運転モードを提供する予定と言われ、時速59km/hまでなら、パイロット・ドライバー・テクノロジーが完全にクルマを制御するというものです。

そして、行き先をインプットするだけで、緊急時にも自動で退避行動を行うことのできる「レベル4」の自動運転が投入される時期は決して遠くないといえますが、2017年はまずは「レベル3」が発進します。

12Vから48Vへの電装へ移行は何が目的?

あまり話題に上がらないけど、大きな変化が訪れつつあるのが電装系です。現在の12Vから2017年にはこれを48Vにアップグレードしたニューモデルが登場する予定で、メルセデスは技術発表をすでに行っています。この48V電装は、マイルドハイブリッドに使うことで、格段に性能が向上し、小さなバッテリーでも十分に高性能が実現するのです,。

また、車体制御系では電動スタビライザーや電動リアステア機構などを油圧から電化に進化させる上で効率が良く、さらに、電動スーパーチャージャーを搭載したモデルも、2017年後半あたりに市場に投入される可能性もあります。このように自動車の電装系が48Vになると、革新的な技術が次々に登場する可能性を秘めており、もちろん自動運転においても例外ではなく48Vになることによって、さまざまな活用が期待されます。

日産が開発を進める可変圧縮比エンジンとは?

photo by 日産自動車株式会社

「VC-T」は、2016年のパリモーターショーにおいて日産が世界初公開した「可変圧縮比」技術で、ハイパフォーマンスを求めるシーンでは低圧縮比に、高効率を追求する場合は高圧縮比にすることで、あらゆるシチュエーションにおいて理想的な圧縮比を実現できるというわけです。

構造としては、通常はクランクシャフトとピストンをつなぐコネクティングロッドに複雑なマルチリンク機構を与えているのが特徴。これによりピストンの上死点の位置をシームレスに変化させることが可能になっています。

それにより、走行状況やドライバーの操作に合わせて瞬時に、自在に変化するというのもポイントです。マルチシリンダーガソリンエンジンのパフォーマンスと、ディーゼルエンジンの高効率を持つ「VC-T」エンジンは、理想のエンジンともいえ、今後この「可変圧縮比エンジン」はトレンドとなり可能性もあります。

発表された仕様は、2.0L4気筒で最高出力200kW(268hp/272ps)、最大トルク390Nmとなっています。

この「VC-T」エンジンを搭載した市販車は、次期「インフィニティQX50」に搭載され、日本市場向けにも「スカイラインクロスオーバー」としての車名で販売される可能性があります。時期的には2018年の1月のロサンゼルスモーターショーとされており、東京モーターショ-でもその一端が見られるかもしれません。

新型リーフに注目しよう

photo by 日産自動車株式会社

その他、すでに市販化されている技術にも新たな展開が予定されています。中でも新技術が盛りだくさんとなる予定の新型リーフは最も注目されています。

自動運転技術の「プロパイロット」の採用は確定的となっていて、既にセレナにおいて導入済みの「プロパイロット1.0」は、高速道路における単車線走行の自動化が可能な「プロパイロット2.0」になることが期待されています。また、駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量は、40kWhと60kWhの2タイプがラインアップされ、航続距離は最大で547kmと約2倍に延長される予定です。

時期「リーフ」の発表は9月のフランクフルトモーターショーが有力で、日本でのお披露目は10月の東京モーターショーとなりそうです。

ドラえもんの世界のような近未来もそう遠くない

最新技術と言えば自動運転が注目され、たしかにその進化は早くも「レベル3」に達しています。しかし、それ以外の技術も次々と送り出されているのです。

日本がまだ江戸時代だった1769年に、フランスのニコラ・ジョセフ・キュニョーが、蒸気で走る自動車を発明したのが始まりであった自動車。時速3㎞/Lがやっとで、ハンドルも機能しなかった自動車も、今では自動で目的地までたどり着くのも夢ではなくなりました。さまざまな道具や製品の中でも、これほど社会に密着し、生活になくてはならない存在になった自動車は、その急速な技術的進歩を目のあたりにできるのも特徴です。

高性能、低燃費、そして安全性と次々に問題をクリアしてきた自動車業界は、きっとこの先もさまざまな難題をクリアしてくれると思います。これからの自動車は、どんな未来を私達に見せてくれるのでしょうか。そして、それが一部の人だけでなく多くの人に享受される技術であることが望まれるのです。

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