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ホンダ・S2000の歴史を振り返る
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ホンダ・S800以来のFRスポーツカー
ホンダ・S2000は本田技研工業の創立50周年を製作された記念すべきモデルであり、1999年に販売が開始されたモデルです。記念車としては珍しく限定販売ではなくカタログモデルとして登場。FR駆動のクーペまたはオープンカーのシリーズであるSシリーズの第4弾です。
Sシリーズの第3弾は1966年に登場した小型スポーツカーであるS800です。S2000はホンダ車としては実に29年振りに登場したFR駆動のスポーツカーということになります。
当時は自動車情報誌「ベストカー」でのスポーツカー企画において100点満点を獲得するなど、リアルオープンスポーツカーとして専門家にも高く評価されたモデルでした。
可変ステアリング機構VGSが搭載されるタイプV追加
S2000のデビューの翌年、2000年には世界初となる可変ステアリング機構VGS(Variable Gear ratio Steering:車速応動可変ギアレシオステアリング)を搭載したタイプVがラインナップに加わります。
ステアリングのレスポンスを改善し、ドライバーの思い通りの軽快な走りを実現。速い車速域では安心感のある走りを可能にしました。
またこのVGSを搭載するにあたって、専用のシャシーを採用しています。
カスタムカラープランと特別仕様車“ジオーレ”
出典元:https://www.honda.co.jp/news/2002/4021003-s2000.html
2001年には登場から2年という比較的短いスパンで初のマイナーチェンジが施されます。エンジン、サスペンションなどの足回りに改良が施されますがエクステリア、インテリアにも大きく手が入れられました。
エクステリアカラー13色、インテリカラー5色、幌のカラー2色から自由に組み合わせを選択できるカスタムカラープランも導入。
またその翌年の2002年にはS2000としては初の特別仕様車”ジオーレ”を発売。これはパワートレインなど車の中身には手を入れず、内外装を豪華にしたもの。「ジオーレ」はイタリア語で”楽しむ”という意味にあたります。
ダークカーディナルレッド・パール、ローヤルネイビーブルー・パールの専用ボディカラーにゴールドピンストライプを施したエクステリアは高級感のある豪華な印象に。アルミホイールも専用のゴールドカラーのものが採用されました。
インテリアは本革シートや専用の革巻きステアリングホイールなどを装備しています。
マイナーチェンジで外装やサスペンション設定変更
2003年には2度目となるマイナーチェンジを実施。ヘッドライトのデザインが変更され、テールライトはLEDに。またボディも高剛性化されました。
タイヤも16インチから17インチにサイズアップ。これに伴いサスペンション設定も見直され、より安定性の増したマイルドな走りが体感できるようになりました。
2.2リッターエンジンに変更
2005年になると日本仕様にはさらなるマイナーチェンジが施され、エンジンが2.0Lから2.2Lに変更されました。最高出力が8psダウンしましたが、低中速のトルクはアップしています。
このエンジンの変更は走りの部分だけではなく年々強化される環境基準に対応する意味合いもあったようです。
このマイナーチェンジでは外観には大きな変更はなく、内装もメーターに時計や外気温表示が追加されるなどの変更があった程度でした。
専用エアロや強化サスペンションのタイプS追加
S2000最後となるマイナーチェンジが施された2008年には、初となる電子制御の横滑り防止システムVSAが搭載されました。
またワイディング走行に焦点を当てたタイプSが国内仕様に追加ラインナップ。専用セッティングの強化サスペンションやボディの軽量化、空力性能を最適化させた専用エアロを纏い高速域での操縦安定性を増したモデルとなっています。
このタイプS発表の一年後の2009年、S2000は生産終了となりその歴史に終止符が打たれました。
ホンダ・S2000の超希少モデル
北米で発売されたCR
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日本でタイプSが販売された2008年、北米ではCR(クラブスポーツ)が販売されました。
これはその名の通りサーキットでの使用を視野に入れたモデルで、通常モデルと比較して40㎏以上のボディの軽量化、サスペンションなどの足回りの強化、そしてタイプSと同じ空力性能に特化したエアロパッケージを採用しています。
シートにはアルカンターラが使用されるなどかなり気合の入った仕様。タイプSよりもスパルタンな印象のモデルです。
このCRはなんとたった59台しか製造されなかった超希少モデルでもあります。2018年にはオークションに出品され話題を呼びました。
ホンダ・S2000の前期/後期のエンジンスペックを徹底比較!
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ではここで、S2000のエンジンスペックを比較してみましょう。
発売時から2005年までの前期モデル、型式AP1に搭載されていたF20C、そして2005年11月の日本仕様モデルのマイナーチェンジで型式AP2に変更された後期モデルに搭載されたF22Cの2種類を比較します。
いずれも直列4気筒DOHC・VTECエンジンです。
排気量(㏄) | 最高出力(kW[PS]/rpm) | 最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm) | |
F20C(AP1) | 1,997 | 184[250]/8,300 | 218[22.2]/7,500 |
F22C(AP2) | 2,156 | 178[242]/7,800 | 221[22.5]/6,500-7,500 |
ホンダ・S2000の最新チューニング・エアロパーツ
モードパルファム(Mode Parfume)・ファントム雅夢ワイドボディキット
出典元:http://www.blowdesign.co.jp/exterior/carms?no=121&c=1&m=5&t=54&tc=142#
フロントのハニカムメッシュが印象的なモードパルファム(Mode Parfume)・ファントム雅夢ワイドボディキット。
フロント・サイドアンダーフラップやフェンダーダクトフィン、リアディフューザーなどはカーボンを贅沢に使用しています。このワイドボディキットが架装されたモードパルファムデモカー仕様はS2000は中古市場でも高い人気を誇ります。
トップフューエル「S2000RR」
他のメーカーはどちらかというとエアロパーツのインパクトの大きさが印象的ですが、このトップフューエルのS2000RRは日本最速を達成したこともあるモンスターマシンに生まれ変わっています。
VOLTEX社と共同開発の専用エアロでスーパーGT並みのワイドボディとなったこのモデルに搭載されるエンジンは通常モデルよりも排気量、馬力ともにアップ。
なんと最高出力は約780psにまで引き上げられています。
J’S RACING FACTORY 「魔王S2000」
その名の通りまさに「魔王」という雰囲気を纏った迫力のキット。デモカーはボンネットに炎に包まれた悪魔(魔王?)のイラストと”魔王”の文字が大きく描かれた強烈な印象を残すものでした。
まるでGTカーの彷彿とさせるワイドボディ。加えて足回りも強化され、よりサーキット走行などに向いた設定となっています。
ホンダ・S2000の中古車相場は?
出典元:https://www.honda.co.jp/S2000/showroom/photogallery1/
2009年に惜しまれながらも販売終了となったFR駆動のS2000。それから10年たった現在でも高い人気を誇り、現在も中古車市場で高値で取引されています。
最近ではタイプSが出回るようになり、新車価格を上回る400万円を超す価格で流通しているものも。通常モデルでは状態にもよりますが150万円程度から手に入るものもあるようです。
いずれにしてもこれからどんどん手に入りにくくなっていくのは確実。いい状態のものを見つけたらその時が買い時といっていいでしょう。