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ホンダ・ブリオとは?
タイ・インドネシアなどで販売されるコンパクトカー
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日本では聞き慣れない、ホンダ・ブリオという車種。経済発展に伴い、本格的なモータリゼーションの到来が予想される東南アジアなどの新興国向けに開発された世界戦略モデルです。2011年にタイ、インド、インドネシアで発売されました。
価格の安さと取り回しの良さに加え、実用性も備えた5ドアハッチバックのコンパクトカー。8割を超える現地調達部品を使った現地生産でコストを抑えながら、高い燃費・環境性能も実現しました。
フィットのプラットフォームベースながら一回り小さいサイズ
初代モデルのプラットフォームは、2代目フィットがベース。ブリオは全長、全幅、全高、ホイールベースのいずれも一回り小さいサイズで、軽自動車とフィットの中間のような感覚です。コストに加え、新興国の混雑した道路に対応する取り回しを考慮した設計といえます。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
ブリオ | 3,610mm | 1,680mm | 1,475~1,500mm | 2,345mm |
2代目 フィット |
3,900~3,920mm | 1,695mm | 1,525~1,550mm | 2,500mm |
現行モデルは2代目、1.2リッターi-VTECエンジン搭載
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2018年4月のインドネシア国際モーターショーでプロトタイプが、8月にはガイキンド・インドネシア国際オートショーで市販モデルが発表されたブリオ。10月13日、インドネシアで第2世代のブリオが発売されました。
全グレードに、ホンダのL型エンジンである1.2リッターのi-VTECを搭載。初代から引き継がれたエンジンですが、注目するべき点があります。それは、ローコストカーでありながらエンジンの気筒数を減らさず、4気筒のままを貫いているということ。エンジンメーカーを自負するホンダのこだわり、美学が感じられるのです。
RSグレードも設定
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ホンダ車のスポーツグレードを意味するRS。ブリオには2016年、RSが追加されました。2代目ブリオの最上位グレードに設定されたTYPE RSのボディはオレンジが専用色で、ルーフにはブラック塗装が施されています。ここまでくると、もはやシビックTYPE Rと見まがうほどの戦闘的な雰囲気です。
足回りには15インチのアロイホイールと、コーナーリング性能を高める専用サスペンションを装備。サイドスカートやリアのディフューザーなどの空力パーツも取り付けられています。
さらに、室内を見れば、シート表皮にはボディカラーに合わせたオレンジのステッチが。Bluetooth対応の6.1型ディスプレイオーディオも備わり、高い快適性を実現しています。
ホンダ・ブリオのサイズはどれくらい?かつてのシティと比較!
初代ホンダ・シティ
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現在のフィットがそうであるように、軽自動車を除くホンダ車で最もコンパクトな乗用車がシティでした。搭載していたのは1.2リッターエンジン。排気量が共通していることもあり、ブリオはシティの後継車のイメージが湧きます。
2代目ブリオのボディサイズを初代シティと比べると、全長は230mm、全幅は110mm上回りますが、当時のシティの小ささを思い起こせばコンパクトそのもの。全高はトールボーイ・シティとほぼ変わりません。初代シティはキレのあるコーナーリングが特徴でしたが、ブリオはホイールベースが125mm長い分、直進安定性が増したといえます。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
ブリオ | 3,610mm | 1,680mm | 1,475~1500mm | 2,345mm |
初代 シティ |
3,380mm | 1,570mm | 1,470mm | 2,220mm |
2代目ホンダ・シティ(GA)
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初代から一転、クラウチングフォルムと名付けられたワイド&ローのスタイリングに刷新された2代目シティ。1986年にフルモデルチェンジされました。全長、全幅、ホイールベースは、ブリオとほぼ互角。全高の明らかな違いは、居住性の違いといえます。
当時のホンダは、F1グランプリで常勝のエンジンメーカー。ホンダ車はクーペのみならず、高級セダンのインスパイアやビガー、レジェンドも、ワイド&ローのスポーティーなスタイリングで人気を得ました。シティの変貌も、その流れをくんだもの。ホンダ=F1というイメージに基づく市販車への期待が、あまりにも強かったのです。
全長 | 全幅 | 全高 | ホイールベース | |
ブリオ | 3,610mm | 1,680mm | 1,475~1,500mm | 2.345mm |
2代目 シティ | 3,560mm | 1,620mm | 1,335mm | 2,400mm |
ホンダ・ブリオの兄弟車はどんな車がある?
4ドアセダンのブリオ アメイズ
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5ドアハッチバックのリアオーバーハングを延長し、容量400リットルものトランクスペースを確保した4ドアセダンがブリオ アメイズ。2012年にタイで、13年にはインドで発売されました。
タイ市場のエンジンはブリオと同じ1.2リッターのi-VTEC。インドでは1.5リッターのディーゼルエンジンも用意されました。インドのデリーオートエキスポ2018(2月)で初のフルモデルチェンジを果たした新型が世界初公開されたブリオ アメイズ。5月にインドで発売され、わずか3カ月間で累計3万台を超えるセールスを記録しました。
コンパクトミニバンのモビリオ
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2代目ブリオはコスト抑制のため、プラットフォーム前半部分の内外装は初代のエレメンツを受け継ぎました。ただし、後半部分はオール新設計。後席の居住性や荷物の積載性がグンとアップしました。
ヘッドランプやフロントフードはモビリオのパーツを流用。ブリオと同じく初代フィットがベースのモビリオは2001年から2009年まで日本国内で生産・販売された、マルチパーパスビークルと呼ばれた3列シート7人乗りのミニバン。後継車種であるフリードにバトンタッチする形で、2009年に国内での生産・販売を終了しました。
モビリオは2014年、インドネシア、インド、タイ市場でデビュー。インドでの供給は2017年に終了しましたが、インドネシア、タイ仕様は大幅なマイナーチェンジを実施。現地生産による販売が継続されています。
ホンダ・ブリオとは別にシティもセダンとして生き残っていた?
フィットアリア
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フィットから派生した4ドアセダンがフィットアリア。2002年に日本国内で発売されました。実はこのクルマ、タイで生産されていた海外向けセダンの2代目シティを輸入・販売したものだったのです。
シティは1981年、日本国内向けの3ドアハッチバックとして発売。背の高さが強調されたスタイリングからトールボーイの愛称で親しまれ、ターボやカブリオレも設定。若者らの人気を集めましたが、2代目となった93年に生産を中止、94年には販売も終了します。
一世を風靡したシティの車名はいったん途絶えましたが、96年に東南アジアなどをターゲットにした小型セダンとして復活。ホンダのグローバルコンパクトシリーズとして登場した初代モデルは、シビックセダンをベースにしていました。
フィットアリアの駆動方式はFFのほか、リアルタイム4WDも設定。シビックが3ナンバーとなって以降、国内では新車で購入できるホンダ車唯一の5ナンバーセダンでしたが、フィット、シティがフルモデルチェンジしても、フィットアリアはマイナーチェンジ後の仕様を継続。2008年12月をもってタイからの輸入を停止し、翌年早々に販売も終えました。
2代目フィットのセダン版(GM2)
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フィットアリアが消滅した一方、シティは世界7カ国で生産され、39カ国で販売。グローバルコンパクトシリーズの基幹車種に位置付けられています。2008年にデビューした3代目シティは2代目フィットと共通の1.5リッターエンジンを搭載。パワーだけでなく、燃費、環境性能も向上しました。
ボディは相変わらずのコンパクトさながら、内外装ともデザイン性と質感が向上。レザーシートを装備したエクスクルーシブも発売されました。シティはこのモデルから、南アフリカ共和国でバラードという懐かしい車名で販売されています。
グレイスのノンハイブリッドモデル(GM6)
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2014年に発売された現行モデルの4代目シティは、3代目フィットがベース。デザインは高級感に加え、スポーティーさが増しました。日本ではグレイスの車名で国内工場で生産され、ハイブリッド専用車種としてデビュー。後にガソリン車が追加されました。
一方、海外向けのシティにはガソリン、ディーゼルの両エンジンが用意されましたが、ハイブリッドの設定はなし。ただ、タイ仕様ではエチルアルコールのE85燃料対応車が用意されています。
クラス以上の誇り
新型のコンセプトは「Proud over Class」
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シティと並び、グローバルコンパクトシリーズの有力車種であるホンダ・ブリオ。今回のフルモデルチェンジのコンセプトは「Proud over Class」(クラス以上の誇り)でした。その言葉の通り、走行性能や快適性、環境性能などあらゆるポテンシャルが高められています。
2019年夏には、ブリオをベースとしたSUVモデルが登場する予定です。カスタムカーのようなホットハッチのTYPE RSとともに、日本導入を望む声もますます高まりそうです。