出典元:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design
新型15代目クラウン(S220)の特徴は?
出典元:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design
FRモデル初となるTNGAプラットフォームを採用
新型クラウンのプラットフォームにはTOYOTA New Global Architecture(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)に基づいた新型のTNGA FRプラットフォームが採用されました。
TNGAプラットフォームはここ最近発売されたトヨタの新型車に採用されて好評を博していますが、FR車への搭載はこの新型クラウンが初となります。
ドア後部のCピラーにウィンドウを設けた6ライトデザイン
従来クラウンのような高級車の場合、太めのCピラーが採用されることがほとんど。クラウンも例にもれず、初代から先代である14代目まで太いCピラーというのが定番でした。
特にクラウンは官公庁の公用車などとしても用いられてきたことから要人保護、プライバシーの保護といった目隠し的な意味も果たしていたと思われます。
ところが今回の新型クラウンでは大きく方向転換し、なんとCピラーにウインドウのある6ライトデザインに変更されました。
高級感を損なうことなく以前より軽やかで解放的な雰囲気になり、まさに新世代のクラウンを象徴するポイントといってもいいでしょう。
クラウンとして初めてニュルブルクリンクで走行テスト
スポーツカーのテストコースとして有名なニュルブルクリンク北コースはコース通しての高低差約300ⅿ、コーナー数は170を超えしかもその多くはブラインドコーナー、狭いコース幅などの過酷な条件の揃った超難関コース。
今回の新型クラウンはこのニュルブルクリンク北コースでテスト走行が行われたことから、そのデザインやコネクティッド機能に話題が集まりがちな新型クラウンの走りについても自信があることを窺わせます。
本格的なコネクティッドカーとしての先進装備
この新型クラウンが発表された際には、コネクティッド機能が全グレードに標準装備されることが大きく取り上げられました。トヨタに限らず、最新の機能の一つであるコネクティッド機能は上級クラスにのみ設定されることがほとんどというのが実情です。
国産高級車を代表するクラウンですが初代の登場は1955年と、半世紀以上前のことになります。
また高級車としての位置付けのせいもあるのか、クラウンのオーナーやファンの多くは70歳代ということを鑑みて、コネクティッド機能の標準装備は若者にも興味を持ってもらう為という意図もあったようです。
本格コネクティッドカーとしての進化を遂げたクラウンは車載通信機DCMを搭載し、トヨタのコネクティッドサービス、”T-Connect for CROWN”に接続します。また他のコネクティッドカーに接続することも可能。
24時間365日サポートしてくれるオペレーターにホテルやレストランの予約をお願いしたり、遠隔でナビの操作をお願いしたりすることができます。まるでハイグレードなクレジットカードのサポートデスクのようですね。
車に異常が発生した場合はケアセンターに接続、ここでも24時間365日のサポートを受けることができます。販売店舗にも異常が報告され、販売店からのより適切なアドバイスを受けることも可能になっています。
緊急時にはヘルプネットが活躍。緊急ボタンを押すだけで位置情報を発信し、専門のオペレーターが警察や救急車などの手配を速やかに行ってくれます。エアバックが作動した場合には緊急ボタンを押さずとも自動でオペレーターに接続してくれるので安心ですね。
また新機能”LINEマイカーアカウント”では、LINEにクラウンを友だち追加しておくとLINEでガソリンの残量確認やナビの登録などができるように。車に乗らなくてもいろいろな車の情報がわかるので非常に便利です。
特に若者に浸透しているアプリであるLINEを利用した新機能を開発したことからも、クラウンのターゲットの年齢層を若年世代にしていることが窺えますね。
その他にも遠隔でロックやライトのオン・オフが行えるマイカーSecurity機能、自分の運転が安全か、エコな運転ができているかなどを診断してくれるドライブ診断など多彩な機能が搭載されています。
最新の安全技術・運転支援機構を搭載
トヨタの予防安全技術、Toyota Safety Senseの第2世代型を標準装備し、プリクラッシュセーフティ、レーダークルーズコントロール、レーントレーシングアシスト、ロードサインアシストなど多くの予防安全技術を搭載。
またトヨタ初となる対後方歩行者サポートブレーキを採用しました。
歩行者を検知した場合にはアラームで警告、必要に応じてブレーキ制御を行い事故の起こりやすい駐車時の後方発進の衝突事故の防止・被害軽減を目指しています。
新型15代目クラウン(S220)の搭載するエンジンは?
出典元:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design
2リッター直列4気筒ターボエンジン
新型クラウン唯一のガソリンエンジンはツインスクロールターボチャージャーを搭載したトヨタ独自のエンジンです。加速の心地よさはこのエンジンならでは。
トランスミッションは8速AT、シフトレバーのMポジションではマニュアルのように走りをコントロールできるのも魅力です。
2.5リッター直列4気筒ハイブリッドエンジン
TNGAに基づいて新開発された2.5Lダイナミックフォースエンジンは先進の高速燃焼技術によって高出力でありながらも低燃費を実現する新世代のエンジン。
このエンジンタイプのみフルタイム4WDの設定が用意されています。
3.5リッターV型6気筒ハイブリッドエンジン
このエンジンの搭載はトヨタブランド初。V6エンジンと2基のモーターで構成される新世代のハイブリットシステムのダイナミックな走りと加速の良さはこれまでのクラウンのイメージを覆すことになりそうです。
パドルシフト付きの10速のシーケンシャルシフトマチックを採用することで、アクセル操作に敏感に反応しなめらかな走りを実現。Mモードを選択すればギア段ホールドが可能になり、まるでマニュアルのような操作ができる仕組みになっています。
新型15代目クラウン(S220)のグレード体系はどう変わる?
出典元:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design
これまでクラウンには、”ロイヤル”、”アスリート”、”マジェスタ”という3つのサブネームがあり、それぞれエクステリアやインテリア、パワートレインにも違いがあり差別化されていました。
今回の新型クラウンではそのサブネームがなくなり、1種類となりましたがグレードの設定によって実質的に継承していると見られます。
廉価グレードのB
エントリーグレードにあたるのがこのB。新型クラウンでは今回新しくグレードが設定された中でもこのBは前代にはなかった新しい設定のものと考えてもいいでしょう。2.0Lターボエンジンを搭載するモデルです。
必要最限の装備でクラウンを所有でき価格は抑えめといった設定は、明らかに若い世代を意識した設定と思われますね。
デザインや機能面以外にも価格面においても今回の新型クラウンが若い世代にアピールしたいという姿勢が反映されているのではないでしょうか。
標準仕様のS/S Cパッケージ
これまでの”ロイヤル”にあたるグレードがこのSに相当すると考えていいでしょう。2.0Lターボエンジンと2.5Lハイブリッドエンジンの2種類が用意されます。
本革巻きステアリングなどが標準装備となり、Bよりも機能装備が充実し選べるオプションもより多くなっています。
標準グレードとなるこのSには、上級グレードであるS Cパッケージが用意され、Bや通常のSグレードではオプションとなる”セーフティーパッケージ””セーフティーパッケージPlus”が装備されより高度な安全性能技術が搭載されます。
豪華グレードのG/Gエグゼクティブ
リクライニングシートなどの導入により快適に車内で過ごせる高級車ならではの装備が充実しているのがGグレード。
より豪華な装備で贅沢さを感じさせてくれるのがGエグゼクティブ。これが先代までの”マジェスタ”に匹敵するグレードでしょう。
Gエグゼクティブでは追加可能なオプションがすべて標準装備されており高級車の神髄を楽しむことが出来ます。
間接照明、本杢調が取り入れられた専用インテリアが醸し出す他のグレードにはない唯一無二の高級感がさすがはクラウン、トヨタの最上級車の名に恥じない装備となっています。
スポーティ仕様のRS/RSアドバンス
その名前から簡単にわかると思いますが、これが先代の”アスリート”に匹敵するスポーツグレードです。
RSには多くの専用装備が用意され、他のグレードとは一線を画したスポーティなものになっています。エクステリアにも手が加えられ、メッシュグリル、専用バンパー、LEDシーケンシャルランプが装備。
またRS専用電子制御サスペンション、4本出しのエキゾーストテールパイプ、18インチのアルミホイールなど走行性能に関してもグレードアップしたものに。
上級グレードのRSアドバンスではSグレードと同じく2つの安全パッケージがプラスされ、合成皮革コンビネーションシートなどの専用インテリアが用意されます。
新型15代目クラウン(S220)と競合するラージクラスセダンのサイズ・価格・燃費を徹底比較!
日産・フーガ
出典元:https://www3.nissan.co.jp/vehicles/new/fuga/exterior_interior.html
日産の歴史ある名車、セドリックやグロリアの後継として2004年に登場した日産・フーガ。
プレミアムセダンの名にふさわしい風格のあるエクステリアが周りを圧倒します。GTグレードも存在、プレミアムセダンにおいても走りを追求する歓びを感じさせるものとなっています。
ホンダ・レジェンド
2018年の2月にマイナーチェンジが行われたホンダ・レジェンドはホンダのフラッグシップモデルです。
エクステリアの印象が大きく変化し、よりパワフルで精悍なものへと変貌を遂げました。最新機能を搭載したホンダ・センシングを採用、安全性能においてもより優れた高級車として進化しています。
メルセデスベンツ・Eクラス
出典元:https://www.yanase.co.jp/mercedes-benz/e-class/exterior/
シンプルで迫力のあるエクステリアは国産の高級車とは一線を画している印象。
数多くの先進安全機能が搭載されましたが、当時最新の自動運転技術などが取り入れられたことでも大きな話題となりました。
BMW・5シリーズ
出典元:https://bmw-japan.jp/5-series/sedan/
新型クラウンと同じくコネクテッド機能を搭載し、快適さでより便利な車へ進化したBMW・523i。ジェスチャー・コントロールなど直感的に使用できるシステムを導入しより操作性を高めています。
洗練された内外装、スポーティさを押し出しながらもエレガントさを失わないのがBMWならではといえるでしょう。
ボディサイズ
全長(mm) | 全幅(mm) | 全高(mm) | |
トヨタ・クラウン | 4,910 | 1,800 | 1,455 |
日産・フーガ | 4,980 | 1,845 | 1,500 |
ホンダ・レジェンド | 5,030 | 1,890 | 1,480 |
メルセデスベンツ・E200アバンギャルド | 4,930 | 1,850 | 1,455 |
BMW・523i | 4,945 | 1,870 | 1,480 |
燃費・価格
燃費(km/ℓ) | 価格 | |
トヨタ・クラウン | 12.8~23.4 | ¥4,606,200~¥7,187,400 |
日産・フーガ | 17.8~18.0 | ¥4,800,600~¥6,964,509 |
ホンダ・レジェンド | 16.4 | ¥7,074,000 |
メルセデスベンツ・E200アバンギャルド | 14.7 | ¥6,940,000 |
BMW・523i | 13.9~17.4 | ¥6,460,000~¥8,500,000 |
この中ではわずかの差ですがクラウンが最もコンパクトなボディサイズですね。ハイブリッド車の燃費にかけてはやはり定評のあるトヨタが圧倒的な結果となりました。
終わりに
出典元:https://toyota.jp/crown/design/?padid=ag341_from_crown_navi_design
これまでと大きく路線変更した新型クラウンですが、若い世代にアピールする要素はたくさん取り入れながらもプレミアムセダンとしての威厳を損なわない仕上がりはさすがですね。従来のクラウンファンも興味を惹かれるのではないでしょうか。
国産の高級車にこだわる層にとっては至高の車ともいえるクラウン、トヨタの期待通りに若い世代に定着するか、その行方にも注目したいところです。