車のバッテリー交換の方法、費用はどれぐらい?交換時期の目安や電圧の見方も紹介!

     
   

バッテリーの交換をご自身で行なったことはありますか?「交換はしたことないけど、外して取り付けるだけでしょ」このように思っている方も多いでしょう。しかし、バッテリーは車のコンピューターの電源を供給する重要なパーツ。正しく交換方法を理解していないとコンピューターが壊れてしまうこともあるのです。ですので、今回は車のバッテリーの交換方法から交換の目安や電圧の見方などの基礎知識までご紹介していきます。

 

車のバッテリーの基礎知識

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車のバッテリーの役割

バッテリーの役割を正しく理解していますか?バッテリーはただ単にエンジンの時だけに電気を供給しているパーツではありません。下記にバッテリーの役割についてご紹介していきます。

 

・エンジン始動時にスターターモーターの電源として

 

・電装品全般

エクステリアでは、ヘッドライトやウィンカー、ブレーキランプなど

インテリアでは、カーナビなどのオーディオ関係やメーター、エアコンのモーターなど

 

・ECU(コンピューター)

車の頭脳であるECUが正しく動作するために安定した電源が必要になります。

ハイブリット車をお乗りの方であれば、ハイブリットバッテリーがあるからエンジンルーム内のバッテリーが上がってしまっても大丈夫だと思っている方もいるでしょう。しかしハイブリットのシステム自体も起動の時はエンジンルーム内のバッテリー電源を使います。

 

車のバッテリーが上がるとどうなる?

バッテリーが上がってしまった時の症状は、バッテリー電圧の状況によって異なります。

 

バッテリーが完全に上がってしまった場合は、キレーレスのリモコンやメーターなどの計器類は全く動かなくなります。

 

バッテリーの電圧が少し残っている場合、キーレスのリモコンやメーター、オーディオなどは使える場合がありますが、スターターモーターを回す電力がなく、スターターモーターに電源を供給するリレーと呼ばれるスイッチの接点が付いたり離れたりして「カチカチ」という音が連続して鳴ります。

車のバッテリーが上がった時の応急処置(ジャンピング)

車のバッテリーが上がった時の応急処置として、ブースターケーブルと呼ばれる電源を分けてもらうための専用のケーブルを使う方法があります。これを「ジャンピング」と言います。

ジャンピングの手順はまず初めにバッテリー上がっている車のバッテリープラス端子にブースターケーブルの赤色のケーブルを繋ぎます。次に電気を分けてもらう車のバッテリープラス端子に赤色のケーブルを繋ぎます。誤った接続をしないためにプラス端子は赤ケーブルと覚えておきましょう。

 

次にバッテリー上がっている車のバッテリーマイナス端子に黒ケーブルを接続します。次に電気を分けてもらう側のバッテリーマイナス端子に黒ケーブルを接続します。ここでも誤って接続しないためにマイナス端子は黒ケーブルと覚えておきましょう。

 

また、はじめにプラス同士を接続したのにも理由があります。はじめにマイナス端子側を接続した場合、ボディーアースが取れてしまっていることになりますので、プラス端子の赤ケーブルを接続する時に誤ってボディの金属部分に接触してしまった場合ショートする恐れがあるからです。

 

ですので、ブースターケーブル取り付けの時はプラス端子の赤ケーブルから、外す時はマイナス端子の黒ケーブルからと覚えておきましょう。

 

接続が済んで無事エンジンが始動したらエアコンなどの電装品は使わずに、バッテリーの電圧が安定するまでアイドリング状態にしておきましょう。

 

車のバッテリーの交換時期は?

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車のバッテリーの寿命はどれぐらい?

バッテリーの寿命は使用状況によって一概には言えませんが目安として3年から4年になります。また走行距離でいうと3万キロ前後になります。長距離運転が多いとバッテリーの寿命は延びる傾向にあり、市街地などで走行距離が短くエンジンの始動を繰り返す場合バッテリーの寿命は短くなる傾向です。また長期間放置してしまうのもよくありません。バッテリーは待機電力と言いまして、使用していなくても少しずつ電力を消費しているのです。

 

車のバッテリーが上がる前兆は?

現代の車でバッテリー上がりの前兆としてはエンジンの始動に時間がかかる、パワーウィンドウの作動が遅いなどが上げられます。

一昔前の車であればヘッドライトが暗くなったりウィンカーが正しく作動しなかったりしましたが、現代の車は発電機(オルタネーター)の性能の向上によりこれらの症状が出なくなりました。

 

昔の車に比べると、現代の車はバッテリー上がりの前兆がわかりにくくなっているので定期的なバッテリーの点検は必須です。特にハイブリットカーに関して言えばなんの前兆もなしに急にバッテリーが上がってしまうこともあります。

 

車のバッテリーの電圧の計測の方法は?

車のバッテリーの測定方法はサーキットテスタと呼ばれる電圧計を用います。エンジンを始動していない時に正常なものであれば12.4V〜12.7V付近に収まります。またバッテリーが正常に蓄電しているかを点検することも必要です。そ方法はバッテリーにテスターを接続した状態でクランキング(スターターを回す)を2秒間行い、その時の電圧降下を点検します。その時に9.6Vを下回っていた場合バッテリーが正常に蓄電していない状態ですのでバッテリー交換が必要になります。

 

車の交換用バッテリーの選び方

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車のバッテリーのサイズ表記の見方

55B24Lのような表記を見たことはありませんか?これはバッテリーの性能やサイズを表しています。下記が見方になります。

 

・55:性能ランクを表しています。数値が大きいほど高性能になります。また50未満は2刻み、50以上は5刻みで性能ランクを表記します。

 

・B:バッテリーの奥行きと高さのサイズを表しています。A〜Hまであり、アルファベットが進むにつれサイズが大きくなります。

 

・24:横幅(一番内外面)を表しています。24であれば24cmになります。

 

・L:端子の位置を表しています。バッテリーを真上から見た時に左上にプラス端子が来るのがL、右上にプラス端子が来るのがR。

 

 

アイドリングストップ車のバッテリー表記の見方

アイドリングストップ車はそうでない車に比べ、バッテリーの負担が大きく専用のものが必要です。そのためバッテリーの表記も異なります。下記が見方になります。

例:M-42R

 

・M:バッテリーの外寸を表しています。K、M、N、Q、S、Tまであり、Kから右に進むにつれてサイズが大きくなります。

 

・42:性能タンクを表しています。標準バッテリーと同様に数値が大きくなるほど高性能。またこちらも50未満は2刻みで性能ランクが表記され、50以上は5刻みに数値が大きくなります。

 

・R:端子の位置を表しています。見方は標準バッテリーと同様。バッテリーを真上から見た時に左上にプラス端子が来るのがL、右上にプラス端子が来るのがR。

 

小見出し:輸入車(欧州車)のバッテリー表記の見方

輸入車(欧州車)は国産車と違い、DIN規格のバッテリーが使われています。

 

例:56219

 

・5:バッテリーの種類を表しています。5は12V100Ah未満のバッテリー、6は12V100Ah以上のバッテリーになります。

 

・62:20時間率容量を表しています。

 

・19:シリアル番号を表しています。バッテリー固有の番号になり、端子位置やサイズを示しています。

 

関連記事:アイドリングストップは燃費に良い、バッテリー負荷が高いのは本当?機能のキャンセル・解除方法や警告灯が点滅した時の対処法は?

車のバッテリーのランクとは?

車のバッテリーのランクとは総合的な性能として性能ランクを設けていますが、蓄電容積は別になります。例えば性能ランク50のバッテリーの場合蓄電容積が40Ahです。

国内バッテリーの場合「5時間率」という基準で表記されており40Ahの場合8A×5h(5時間)=40hということになります。この基準を元に性能ランクが決められています。

 

車のバッテリーの交換方法

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車のバッテリー交換に必要な工具

バッテリー交換したことがある方であればお分かりになるかと思いますが、工具はいたってシンプル、10ミリのスパナやメガネレンチが一つあれば端子を取り外すことができます。

バッテリーのメモリバックアップ

バッテリー交換の注意点の一つにメモリのバックアップがあります。ラジオやカーナビの選曲、パワーウィンドウのオート学習などがリセットされてしまうことがあります。

メモリがリセットされないように予備のバッテリーなどを利用して車両のバックアップ電源を取ることが必要です。

 

古いバッテリーの取り外し

古いバッテリーを取り外す前にバックアップ用の電源を取る必要があるので、プラス端子、マイナス端子の10ミリのナットを緩めた状態にします。バックアップ用のバッテリーのプラス端子と車両側のプラスのターミナルに赤色のブースターケーブルを接続します。次にバックアップ用のマイナス端子に黒のブースターケーブル取り付け車両側はボディーアース(ボディの金属部分)に接続します。このように接続できたら古いバッテリーを取り外して大丈夫です。この時の注意点としては車両側のプラスのターミナルがフリーになるので、ボディーの金属分に触れてショートしないようにしましょう。

 

新しいバッテリーの取り付け

新しいバッテリーを取り付ける時は、プラス端子とマイナス端子を間違えないようにしましょう。プラス端子とマイナス端子それぞれのターミナルが取り付けられたらバックアップ用のバッテリーに取り付けられていたブースターケーブルをマイナス側から取り外し、ターミナルが端子の奥まで入っているか確認して10ミリのナットを締めて完了です。

 

車のバッテリー交換の費用は?

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オートバックスなどカー用品店の一般的なバッテリー交換費用は?

バッテリー本体価格は交換する車種やバッテリー自体の性能ランクなどによって異なりますが、おおよそ10,000円〜30,000円ほどになります。

 

もし交換を依頼した場合、工賃に1,000円前後が相場です。

 

古いバッテリーの廃棄費用は?

バッテリーは資源ごみ粗大ゴミで処分することはできません。バッテリーは一般社団法人JBRCから依頼されているリサイクル協力店に持ち込むか、郵送する必要があります。

ほとんどのガソリンスタンドやカー用品店では、無料で引き取ってもらえるはずです。間違っても不用品回収業者に引き取ってもらうことはやめておきましょう。業者の言い値での買取になるので2,000円から3,000円取られることもあるようです。

 

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