初代ホンダ・NSX(NA1)とは?
世界でも戦うことができる車として販売されたホンダ・NSX(NA1)。現行モデルとは顔立ちにかなり違いがありますが、今と変わらずスポーツカーらしい印象を感じますね。
初代のNSXは16年のも間フルモデルチェンジが行われませんでした。日本車だと早ければ4年、外車でも6〜8年程度のサイクルでフルモデルチェンジは行われるため多くの方から長く愛されていたのでしょう。
ミッドシップエンジンにも関わらずトランクルームがあるので全長が長く、パッと見た時にバランスが悪く感じてしまう人もいるかもしれませんが、ホンダはその部分にも自信を持っていたのかもしれません。
世界初のオールアルミボディ、V6エンジンを搭載したMRスポーツカー
初代NSXはオールアルミボディで作られた世界初の量産車でもあります。アルミのボディは外観だけでなく、エンジン周り、足回りにも採用されています。
オールアルミボディはスチールボディと比較し100kg以上の軽量化を実現することができました。アルミを使用した分、車両の価格が高くなってしまいますが、軽快な走行性能を得ることができました。
またNSXは前述したように、日本車には珍しいMR(ミッドシップエンジンリアドライブ)を採用した車です。搭載されているV6DOCHエンジンは規制ギリギリの馬力数値を叩き出しました。
フェラーリ、マクラーレン、ポルシェなど、MRを採用しているメーカーから一目置かれていたことでしょう。
初代ホンダ・NSX(I型)のモデル変遷
引用元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BBNSX#/media/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Honda_NSX_(NA1)_front.JPG
NSXは長い間フルモデルチェンジが行われなかった車ですが、マイナーチェンジによる大きな変更は多々ありました。これまでのNSXの変遷を辿ってみましょう。
280馬力の5速MTと265馬力の4速ATの2モデル
初代のNSX(I型)はMT、ATの2種類で1990年に販売が開始されました。5速MT仕様では、前述したように規制ギリギリとなる280馬力を発揮します。日本国内では敵なしといえるレベルだったのではないでしょうか?
現在ではほとんど見ることがなくなった、リトラクタブルヘッドライトの採用もとても特徴的でした。現行のNSXとは姿が全く違うため、とても歴史を感じさせられます。
期間限定生産のタイプR
ホンダのスポーツカーの象徴ともいえるタイプRは1992年に追加され、3年の期間限定で生産されました。
赤色のイメージが強いNSXですが、タイプRに与えられたのは白一色のみ。ホンダのこだわりが感じられます。
タイプRでは軽量化が施され、通常モデルより120kgも軽い車重となりました。入念なチューニングで徹底的に削ぎ落とし、走行性能に特化したよりレーシングカーに近い車へと変貌を遂げました。
タルガトップ仕様のタイプT
タイプRの限定生産が終わろうとしている頃にタイプTが発表されました。タルガトップというワードは聞きなれないかもしれませんが、いわゆるオープン仕様の車のことです。
タイプTはタイプRと似た表記ですが全くの別物で、速さだけでなく快適性に力を入れた仕様になっています。
スポーツカーといえば同時にオープンカーを思い浮かべる方のいると思うので、多くのNSXファンが待ち望んでいたことでしょう。
初代ホンダ・NSX(II型)のモデル変遷
MT車が6速となり3.2リッターエンジンを搭載(NA2)
1997年に行われたマイナーチェンジでNSXはII型へと移行しました。1995年、I型時代に一度マイナーチェンジを行なっているため今回で2度目となります。
主な変更点は5速MTから6速MTになった点とMT車限定で3.2Lエンジンが追加された点です。外観の変化はほとんどありませんでしたが、エンジンの変更があったため1度目のマイナーチェンジよりも大掛かりなものとなったことでしょう。
パワステなどをオプション化したタイプS
快適性を考慮して作られたモデルがタイプSです。通常のモデルにはパワステなどの便利な装備が設けられていませんが、タイプSにオプションで装備されることになりました。
車としての利便性が高まりましたが、それだけでなく車重を50kg近く落としたため走りでも満足させてくれます。
エアコンレス化されたタイプSゼロ
タイプSとは打って変わってできる限りの装備を取り払ったのがタイプSゼロです。名称が違いますが、これまで販売されてきたタイプRと同じポジションに位置しています。
エアコンレスと聞いて「夏は最悪だな」と感じてしまうかもしれませんね。エアコン以外にもパワーステアリング・エアバック・エアコンディショナーまで装備から外されました。
ここまでくると、もはやサーキット走行しか考えていないのでしょうね。
初代ホンダ・NSX(III型)のモデル変遷
リトラクタブルヘッドライトが固定式になるなど外観のビッグマイナーチェンジ
NSXがIII型になりフルモデルチェンジではないものの、それに近いレベルの大きなマイナーチェンジとなりました。外観での大きな変更点はヘッドライトです。
特徴的だったリトラクタブルヘッドライトが固定式になったことで、ガラッと印象が変わりました。ライトの開閉トラブル・事故による怪我・重量面などデメリットが多かったため廃止となったようです。
タイプR(NSX-R)の復活
I型で登場して3年の限定生産で販売されていたタイプRは、2002年のマイナーチェンジ以降に追加されました。性能面はタイプSゼロと同じようなものですが、やはりホンダといえばタイプRの響きがいいですよね。
こちらは3年限定で販売されたわけではないのですが、NSXは販売終了になったため結果的に3年間のみの販売となりました。
タイプRは人気が高く、憧れの存在でもあったため盗難被害が相次いだようです。そのため、販売から1年で防犯装置のイモビライザーが装備されることになりました。
ホモロゲーション取得用のNSX-R GTを5台限定発売
ホモロゲーションは日本語に訳すと「承認」の意味になります。量産車がレースに参加のためにはホモロゲーションを取得する必要があり、NSX-R GTという車が限定発売されました。
発売台数はたったの5台なので街で見かけることも少ないでしょう。
NSX以外でも、三菱のランサーエボリューション、ニッサンのフェアレディZなど、日本国内で有名なスポーツカーのホモロゲーションモデルが作られています。
ですが、どれも生産台数が一桁ということは無いため、NSX-R GTは圧倒的に希少価値が高いといえるでしょう。
初代ホンダ・NSXの中古車価格相場は?
初代ホンダ・NSXを購入するのであれば中古車を探すしかありません。カーセンサー、グーネットで確認したところ、共に60台程度販売されていました。
年式が新しく、走行距離も浅い車であれば2,000万円近い車もありますが、だいたい400万円〜900万円くらいに収まっています。
以下の表を参考にしてみてください。
価格 | 年式 | 走行距離 |
900万円台 | 2000年〜2005年程度 | 5万〜8万km |
800万円台 | 1995年程度 | 5万〜8万km |
600万円台 | 1990年〜1995年 | 5万〜12万km |
400万円台 | 1990年〜1995年 | 7万〜15万km |
やはり年式も走行距離も浅い車になると、必然的に価格も上がるようです。また、III型になると多少走行距離が伸びていても高い価格で取引されています。
全体的に走行距離は5万km程度のようなので、それより浅い2、3万kmの車が見つかればすぐに購入を検討してみると良いかもしれませんね。
限定5台での販売となったNSX-R GTは取引されていませんでした。おそらくプレミアが付いている車なので、どれくらいの価格で取引されているのか…気になるところですね。