皆さんも「バッテリー上がり」って言葉を耳にしたことがあると思います。特に冬場に「バッテリーが上がっちゃった」なんてことを聞いたことがあるでしょう。
バッテリーは、冬場に上がりやすいという印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか?実は夏場にもバッテリーは酷使されていることが非常に多いのが実態です。ここでは、冬場のバッテリー上がりと夏場のバッテリー上がりの違いやバッテリーの仕組みなどを解説していきます。
冬場と夏場のバッテリー上がりの原因って?
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/598183?title=%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC(無料画像)
冬季のバッテリー上がり上がりの原因
一般的にバッテリーは、温度変化に弱い性質があり特に気温低下などによってバッテリー自体の温度が下がることで性能も低下してしまう現象が起きます。このことからバッテリーは、冬に厳しい環境になるということです。
気温が低下したことによってバッテリー性能が落ちてしまい、ヘッドライトが暗くなる、エンジン始動ができなくなる、車の調子が悪いなどといった現象が起きてきます。
JAFさんの統計データを参考にお話しすると、2019年度の年末年始シーズンでのバッテリー過放電による救援出動は、一般道+高速道路で約25,000件となっています。いろいろな事由の中でやはりバッテリー上がりが1番多い状況です。
参考URL JAF(年末年始)
夏季バッテリー上がりの原因
では夏季の場合はどうでしょうか?夏場では、冬場とは少し違う状況でバッテリーを酷使していることが多い状況です。これは、冬場のように気温が低くバッテリー性能が低下するというよりは、電装品の使用などによってバッテリー自体に負荷がかかるからです。
エアコンを使用する機会も多くなり、お出かけの際に大渋滞なんてことも考えられます。夏場の場合は、車の電装品によってバッテリー上がりが起こる可能性が高くなります。
こちらもJAFさんのデータをもとにお話をすると、お盆時期ほどではないのですが、一般道と高速道路で約19,000件となっています。夏場もJAF救援理由は、バッテリー上がりが1位です。
参考URLJAF(お盆時期)
冬期間同様に夏期間でもバッテリー上がりの可能性が高いといえますね。バッテリーを酷使することで、夏場でもバッテリー上がりの危険性が高まります。また夏場はバッテリーが上がらなかったけれども、夏期間に弱ったバッテリーが、冬場の気温低下でさらに性能が低下してしまいバッテリーが上がるということも考えられます。
夏期間でのバッテリー酷使の原因など
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/3575707?title=%E3%83%AC%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC(無料画像)
バッテリーの容量などから解説していきます。
例えば55B24Rというバッテリーを使用しているとします。この場合一般的にバッテリーは、5時間稼働というのを基準にして計算しています。55(性能ランク)÷5時間=11となります。計算上では11アンペアを5時間放出することができるということになります(充電なしで)。
車のバッテリーは12V(実際にはもう少し高いのが正常)なので、132ワットの製品を5時間稼働させられるということです。言い換えると電子レンジは1500Wとかの容量ですので、充電なしで車のバッテリーを使用すると非常に心もとないことがわかりますね。
では、車に使用されている一般的な電装品のワット数は?
- セルモーター 120アンペア(瞬間最大300アンペア)=1,440W(瞬間最大600W)
- ヘッドライトLOW 8~9アンペア100W~110W
- スモール・バックランプ・ブレーキランプ それぞれ約4アンペアで50Wずつくらい
- エアコン最大 18アンペア=約210W
- ドアロック 12アンペア前後で約140W
- 熱線ヒーター(デフォッガー) 11アンペア前後で130W
このほか車のエンジンがかかっている状態で常時18アンペアから20アンペアで200W以上消費します。一瞬の消費が多いセルモーターなどは、バッテリーが性能低下している場合は直撃を受けることになりますね。
一方バッテリーに知らないうちに負担をかけるのが、ドアロック・熱線ヒーター(デフォッガー)・ヘッドライトであったりでしょう。特に長時間使用する装備が負担をかけてしまうことになります。
こういった状況から、バッテリー上がりがトラブルで一番多いのではないでしょうか。バッテリー上がりをしてしまうと、レッカーを呼んだり周りの車に救援してもらうことになるので注意したいトラブル第1位ということになりそうです。
バッテリー交換を早めにすることでトラブル回避
引用:https://www.photo-ac.com/main/detail/3080756?title=%E8%87%AA%E5%8B%95%E8%BB%8A%20%20%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E4%BA%A4%E6%8F%9B(3/4)(無料画像)
バッテリーメーカーの一般的な補償期間は、2年~3年または24,000㎞から30,000㎞というのが多いと思います。実際にバッテリーの交換時期は、先ほどにもあったように車の使用状況などによっても変化します。ユーザー様の使用環境に合わせて交換サイクルを決めて交換することが望ましいでしょう。
また電装品仕様の多い方は、バッテリーの性能ランクを1段階あげたりするのも効果的といえます。バッテリーを交換した年月をバッテリーに記載することで交換目安もわかりやすいでしょう。
バッテリーの性能が低下したことに気づきづらいこともあると思います。最近では、シガーライター電源で、簡易バッテリーチェッカー付きのUSBポートなども売っています。こういったものを活用して管理することも良いのではないでしょうか?
筆者ワンポイントアドバイス
バッテリーは、6つのセル(部屋)に分かれています。完全充電状態で1セル当たり2.1Vを発生します。ということは、2.1V×6=12.6Vとなります(エンジン始動前)。
エンジンを始動すると13.5V前後から14V強で充電されます。簡易バッテリーチェッカーなどで表示される電圧が、エンジン始動前で11.5Vを切った場合などを目安に早めに交換するのが良いと考えます(一般的なバッテリー限界が10.5Vです)。
まとめ
バッテリーは、夏場も酷使!冬前にバッテリー交換で安心ドライブをまとめると
- バッテリー上がりの原因は、冬はバッテリー性能の低下、夏は車の電装品による酷使が多いでしょう
- 夏場に酷使したバッテリーが冬場の性能低下を加速させたり、冬場に性能低下したところに夏場の酷使でバッテリー上がりになる可能性が高いといえます
- バッテリーは、車の使用環境に合わせて定期的に交換するとよいでしょう
今年も猛暑が続いている地域がたくさんあったと思います。夏場に酷使されたバッテリーが、冬になって根を上げてしまわないように早めに交換しましょう。