1980年代のホンダ軽自動車モデル、トゥデイ・アクティ(バン・トラック)

     
   

1980年代のホンダでは、軽自動車の製造・販売も行われています。同社は、1960年代終わりごろからライフ、Z、バモスなど当時の軽規格モデルを生産していました。

1970年代に入り、シビックなどの登場によってホンダの製造・販売が一気に普通乗用サイズに転換されていました。それから10年ほど経過した1980年代に入り、軽自動車の製造・販売も徐々に増えていくことになりました。

ここでは、トゥデイ、アクティバン、アクティトラックという70年代、80年代の数少ない軽自動車に焦点を当てて解説していきます。

①ホンダ トゥデイ

引用:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/

トゥデイは、1985年から製造販売されている軽商用ボンネットバンです。可愛らしいヘッドライトが特徴的です。ヘッドライトが、ボンネットやバンパーの奥に配置され、可愛らしさを表現しています。当時としては斬新であったフロントワイパーは、一本式を取り入れています。

当時の軽商用としては、斬新なショートノーズなエンジンルームに、スラント(傾斜)のついたキャビンデザインでした。リアライトは、バンパーに付属させることでコストダウンも図られています。またこの位置に設置することで低フォルム感を醸し出していました。

販売当初のモデルに搭載されていたエンジンは、EH型545cc直列2気筒 SOHCでした。組み合わされるミッションは、4速マニュアル又はホンダマチックです。初代モデルは、マイナーチェンジなどを受けて1998年まで製造・販売され、二代目にバトンタッチされています。

引用:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/

車内の居住空間をできるだけ広くとるために、エンジンルームを短くする工夫が行われています。これはエンジンを水平近くに傾斜させ、デフなどのギアをエンジンの下に配置したことによりショートノーズのエンジンルームができました。室内は、当時の軽自動車バンとしてはかなり広々とした空間となった仕様です。

主要諸元表

  • 販売期間 1985年~1998年
  • 乗車定員 4人
  • ボディタイプ 3ドアハッチバック
  • EH型 直列2気筒SOHC 545ccエンジン
  • 全長×全幅×全高 3,195㎜×1,395㎜×1,315~1,320㎜
  • 車両重量 550-640kg

②ホンダ アクティバン

引用:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/

アクティシリーズは、当時製造・販売中止になってしまったホンダ軽自動車の中で生き残った数少ない軽自動車です。当時のホンダは、普通乗用車の製造・販売にシフトしていました。それでも販売され続けたのには、乗用モデルでない、仕事に使う車であったからでしょう。

アクティは、ホンダの100%子会社である八千代工業株式会社(現在は、ホンダオートボディー)で製造していました。初代アクティバンは、1979年にトラック販売開始2年後に追加設定されました。当時の多くのメーカーがキャブオーバーの下にエンジンか、キャブオーバータイプでリアにエンジンというモデルが多かったのに対し、アクティではミッドシップエンジンとなりました。

このためエンジンは、ほぼ水平の状態までバンク角を変更し開発されています。EH型545cc直列2気筒 SOHCエンジンは、当時のゴールドウェイングに搭載されていた水平対向エンジンの片側を改良開発したといわれています。

引用:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/

アクティバンは、4人が広々乗車でき荷物も積載できる仕様としています。特に荷物は、トラックと違い突然の雨などによって濡れる心配がないことがポイントです。実際には、仕事として配達の車や大工さんなど幅広いユーザーが同モデルを使用していました。

主要諸元

  • 販売期間 1979年~1988年
  • 乗車定員 4人
  • EH型 直列2気筒SOHC 545ccエンジン
  • ボディタイプ  5ドアライトバン
  • 全長×全幅×全高  3,195㎜×1,395㎜×1,745~1,895㎜
  • 車両重量 バン705~710kg

②ホンダ アクティトラック

引用:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/

アクティトラックは、1977年に初代として登場しているモデルです。アクティトラックからアクティバンへ、基本的なベース部分は継承されています。アクティトラックは、農業・漁業・森林など様々な一次産業を支えているモデルです。アクティバン同様に丸目でかわいいスタイルが特長です。

初代は、1988年までの約11年間販売されています。1983年には、ミッドシップとして珍しい4WDモデルも追加されました。

 

引用:https://www.honda.co.jp/hondafan/meisha/

巷では、軽トラと称されるアクティトラックは、2人乗りで内装などもシンプルに構成されています。仕事で小回りが利き、荷物がたっぷり詰めるというのが最大の使命であると考えます。

主要諸元

  • 販売期間 1977年~1988年
  • 乗車定員 2人
  • EH型 直列2気筒SOHC 545ccエンジン
  • ボディタイプ  2ドアトラック
  • 全長×全幅×全高  3,195㎜×1,395㎜×1,660㎜
  • 車両重量 トラック590kg

まとめ

1980年代のホンダ軽自動車モデル、トゥデイ・アクティ(バン・トラック)をまとめると

  • 1980年代のホンダは、普通乗用モデルを多くラインアップしていた時代
  • 普通乗用モデルが多い中、軽自動車規格としてトゥデイが販売開始。
  • アクティトラックは、1977年から登場し継続して販売されています。バンは、派生モデルとして1979年に追加。

今回は、ホンダが普通乗用車に力を入れている1980年代の中で、少ないながらも軽自動車モデル達をご紹介しました。

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