よくいわれるラグジュアリーの定義は、その車にオンリーワンの価値があるかどうか。簡単にいえば、その高い価格に見合うだけの満足感を与えてくれる車がラグジュアリーカーなのです。今回はその中でも価格が1000万円を超えるスーパーラグジュアリーカーを10台! 厳選して紹介します。
メルセデス マイバッハGクラス ランドーレット
価格:約6000万円~
メルセデスベンツをベースにさらに上級のラグジュアリーカーを製作するマイバッハ、そんなマイバッハがGクラスをベースに世界99台限定で製作するのがメルセデス マイバッハGクラス ランドーレットです。ランドローレッドとは車体後部だけをオープンにした特別仕様車のことです。大々的なパレードなどで時折見ることができる仕様で、マイバッハはこのランドーレットの製作を長年行ってきたことでも知られています。2列目席までをクローズドボディに収め、3列目部分がオープン仕様、Gクラスベースの超豪華リムジンです。
ロールスロイス ファントム以上の価格もさることながら、世界99台限定という販売台数もプレミアム、もはや資産の域にあるスーパーラグジュアリーSUVです。
テスラ モデルS P100D
価格:約1600万円
イーロン マスク率いるテスラはラグジュアリーEV(電気自動車)という他社にはない価値を生み出すオンリーワンブランドです。そのテスラのフラッグシップセダン「モデルS」の最速モデルP100Dは、スーパーラグジュアリーに相応しい価値を持っています。日本円で約1600万円オーバーのプライスタグを持ち、最大の特徴である大型ディスプレイは独特の価値観を強く主張します。最大の価値は0-100加速2.2秒という脅威のタイム、これは2017年現在市販車最速、EVの持つ可能性を見せつけてくれました。
メルセデス・ベンツ Sクラス
価格:約1000~2600万円
ラグジュアリーカーとなると、この車は外せません。高級車ブランドの代名詞であり、近年日本でも復権の兆しを見せているメルセデスベンツ Sクラスです。近年のダウンサイジングターボの流れを汲んでおり、4気筒ターボからV12 ツインターボまでパワーユニットを選択可能、価格も大きく変わります。流麗かつエレガントなデザイン、振動も走行音も最小に押さえる車内の快適性、圧倒的なパワーなど魅力は盛りだくさん、メルセデスベンツに帯する期待に間違いなく応えてくれる1台です。
ポルシェ パナメーラ
価格:約1100~1700万円
ポルシェといえば911が代名詞ですが、ラグジュアリーカーという点では、やはりパナメーラを押しておきたいところです。ポルシェが造る4ドアF Rサルーンがパナメーラ。スーパーカー顔負けの動力性能を持ち、車としての完成度や内装の造りにはポルシェらしい職人気質な1面が顔をのぞきます。
レクサス LS600hL
価格:約800~1600万円
トヨタ流ラグジュアリーブランドとして完成度が年々増しているレクサス、その中でもフラッグシップとなるLS600hLは、ケチのつけようがないスーパーラグジュアリーカーです。名車セルシオの流れを汲む高級サルーンであり、運転することの煩わしさから解放するその精神はまさにトヨタのそれです。特に魅力的なのが直線的なラインを多用した独特のインテリアデザイン。BMWなどドイツ車の名デザインを追いかけることもなく、レクサス独自の洗練されたものとなっています。
ランドローバー レンジローバー
価格:1400~2400万円
クロスオーバーSUVブームの昨今、2018年発表予定のランボルギーニ ウルスやマセラティ レヴァンテなど高級SUVも群雄割拠の様相ですが、SUVのスーパーラグジュアリーといえばランドローバーのフラッグシップ、レンジローバーを外すことはできません。一見無骨にも見えるデザインは実に洗練されたもの、高いアイポイントと上質な乗り味の組み合わせは、高級SUVというジャンルが4ドアセダンに取って代わるのではないかと思わせます。
キャデラック エスカレード
価格:約1200~1300万円
北米のラグジュアリーブランドキャデラック、そのフラッグシップとして君臨するエスカレードは、レンジローバーとはまた違う世界観を持つスーパーラグジュアリーSUVです。
アメリカらしいピックアップトラック譲りの頑丈で大柄なボディに、これまたアメリカらしい大排気量V8エンジンを搭載していますが、その静粛性能は世界でも最高レベルに達しています。伝統的なアメ車らしいポイントは踏襲しつつ、欧州のプレミアムブランドから質感の高いデザイン性を取り入れ、かつてないラグジュアリーブランドのフラッグシップとして見逃せない1台となっています。
マセラティ グラントゥーリズモ
価格:約1600~2300万円
1000万円を下回る高級セダン ギブリのヒットにより業績をV字回復させることに成功したマセラティ、その中でも上級モデルであるグラントゥーリズモは、2ドアスポーツクーペにかかわらずラグジュアリーカーの空気をまといます。動力性能はもちろん魅力的ですが、最大の魅力は洗練されたイタリアンデザインです。内装のレザーなど全てがイタリアの熟練工による工芸品で構成されます。エクステリアデザインはフロントから再度のライン、もちろんリアまで美しく、艶めかしい美しさを持っています。どの高級車とも違う、マセラティだけでしか味わえない、美しい車です。
ベントレー コンチネンタル GT
価格:約3400万円
今ではミュルザンヌなどラグジュアリーな内装を持つ高級車として有名なイギリスの自動車メーカーベントレーですが、元々ル・マン24時間レースなどレースの分野で名を上げたメーカーです。そんなレース屋だったベントレーの空気を今に残しつつ、イギリスの高級車らしい高い質感を併せ持つ2ドアクーペ コンチネンタルGTは、まさにベントレーを体現するオンリーワンのスーパーラグジュアリーです。エクステリアからインテリアにまで感じられる重厚感、どこかレーサーを感じさせるそのたたずまいを併せ持つのは、コンチネンタルGTならでは。
ロールス・ロイス ファントム
価格:約5100~5900万円
昨年いっぱいで生産を終了し、13年の歴史に幕を下ろしたロールス・ロイス ファントム。世界の4ドアFRサルーンの頂点に立つそのクルマは、新車価格で5千万円を超えますが、精緻な制度で組み上げられた豪華な内装、圧倒的な後席の快適性能は他とは比較になりません。多くのオーナーが自ら運転することはないと思われますが、なんと2ドアクーペもラインアップ。一般人の感性からは想像できませんが、ドライバーズカーとしての価値も持ち合わせているようです。
独善的なほどの個性がスーパーラグジュアリーカーには必要
スーパーラグジュアリーと呼ぶからには、やはりその車・ブランドの持つ独特の価値観を体現する車であることが重要です。特に1000万円を超えるような車には メーカーの独善的とも思えるほど押しが強くなくてはいけません。そういった意味では歴史の浅いレクサスやテスラは、マセラティ・ロールスロイス・マイバッハといったメーカーの域には達していないようにも思えます。独善的なことが時に身を滅ぼすことは、かつての高級車メーカーの衰退が物語っているのですが、独善的だからこそ、スーパーラグジュアリーカーに価値が生まれると思うのです。
【関連項目】