出典元:https://en.wikipedia.org/wiki/Koenig_Specials
チューニングメーカー、ケーニッヒスペシャルとは?
出典元:https://dyler.com/posts/119/koenig-specials-managed-to-tune-even-the-most-amazing-cars-around
ケーニッヒスペシャルとはクリスマスマーケットで有名なドイツのミュンヘンに本拠地を置くチューニングメーカーです。ヨーロッパの高級車をメインにチューニングを行い、1980年から2000年にかけてフェラーリの改造でその名を轟かせました。
フェラーリだけでなく、メルセデスベンツのカブリオレなどのカスタマイズも手掛けています。往時を知るファンはその隆盛がニューロンとシナプスに焼き付いていることでしょう。
ケーニッヒスペシャルはオリジナリティー溢れるコンプリートカーが多数あり、21世紀の中葉に差し掛かろうとしている現在でも根強い人気を得ているチューニングメーカー。本物の車好きが選ぶコンプリートカーといっても過言ではありません。
フェラーリのケーニッヒコンプリートカー
ケーニッヒ・512BB
出典元:https://www.drive2.ru/b/473270487598760745/
フェラーリは馬のいななく姿のロゴが印象的なイタリアの自動車メーカー。それをドイツ連邦共和国のチューニングメーカーが改造を手掛けています。521BBは1970年代のスポーツカーでメンテナンスするにも部品の調達が難しい代物です。
ツインターボエンジンを後部に設置し、シートと同じぐらいの容量をエンジンが占めています。エキゾーストマニホールはケーニッヒスペシャルのオリジナル。メンテナンスでは交換ではなく、再加工という方法を取ります。
やがて、1980年代に入りマイナーチェンジとなる”521BBi”がお披露目。エンジンはツインターボに変更され、爆発的な加速力を大きく高めることに成功しました。時速100キロへの到達時間は3.9秒を記録しました。
ケーニッヒ・328GTB/GTS
出典元:http://www.madwhips.com/photo/69999/koenig-ferrari-328-gtb-4
1980年代後半にケーニッヒが取り扱ったのはフェラーリの328GTB/GTSです。308GTBの後継モデルでサイドのホイール周りが女性のような丸みを帯びた柔和なフォルムへと変わりました。そのスポーツカーにケーニッヒが手を加えると周囲の目を引く鮮烈な自動車へと進化します。
チャールズ・ダーウィンは自然淘汰によって種は進化すると主張しましたが、フェラーリはケーニッヒによって進化するのでしょう。ツインターボによって最大出力は450PSへと向上しました。
ケーニッヒ・テスタロッサ/テスタロッサ コンペティション
出典元:https://www.pinterest.jp/pin/547468898425224803/
フェラーリ・コンプリートカーの金字塔ともいえる”テスタロッサ コンペティション”はオークションでも注目の的。ランボルギーニのような低重心で赤いリヤウイングは、これぞフェラーリと思わせるようなカスタマイズでした。
出力は800馬力でアニメ「鉄腕アトム」に少し追いついたスポーツカーです。後部に設置された巨大なエンジンはそのままでフェラーリらしさを表現した一台です。
メルセデスベンツのケーニッヒコンプリートカー
ケーニッヒ・560SEC(W126)バージョン1/バージョン2
出典元:http://www.coys.co.uk/cars/1987-mercedes-benz-560-sec-by-koenig
日本のバブルが崩壊した1991年前後に着手したのがケーニッヒの560SE(W126)です。鉄色のボディカラーはまさにドイツを連想させる色。そして角ばったデザインが90年代の日本のアスファルトを疾走していました。
それは往年のベンツファンを唸らせるコンプリートカーでした。バンパーやサイドスカートもさることながら、リヤの流れるようなデザインはロシア空軍のミグ25を彷彿とさせます。
ケーニッヒ・500SL(R129)
500SLのR129は少し落ち着いたイメージのカスタマイズ。メルセデスベンツの重厚感をキープしつつ、ケーニッヒスタイルを施したようなフォルムです。二人乗りでボンネット部分が長く見えるのが特徴。ケーニッヒファンは何台か所有していることもあり、R129はレアな一台といえるでしょう。
ケーニッヒ・500SEC(C140)
500SLに蒸気機関車のような厚みを加えたのが500SEC(C140)です。ケーニッヒスペシャルはミニカーになるほどの人気。ブラックのボディカラーではベンツのロゴも漆黒に染まり、車体との一体感を演出しています。
なお、オリジナルはメルセデスベンツ・初代CLクラスで1992年のデトロイトモーターショーでデビューの運びとなりました。
ポルシェのケーニッヒコンプリートカー
ケーニッヒ・911ターボ(930)
現行の911ターボモデルの元祖のごときデザインのケーニッヒスペシャル。柔らかなボンネットから後ろへと抜ける流線形フォルムはケーニッヒの911ターボにも見られます。ボディカラーはレッドが人気を博し、プラモデルとしても好評です。
ケーニッヒ・928
ケーニッヒスペシャルの911ターボに比べるとスクウェアなボディとなったケーニッヒ928ですが、2019年現在も古さを感じさせない外観で中古車市場ではレア扱いされています。コンプリートカーに限らず、輸入車は日本における保有台数が少ないので時が経つにつれ、流通量も減ってきます。
ときおり、中古車取り扱い店がケーニッヒスペシャルのポルシェをフォーカスしているのはこれらの理由が挙げられます。
ケーニッヒ・911カレラ2/4(964)
出典元:https://en.wheelsage.org/porsche/911/73635/pictures/nuebof/
ケーニッヒの911はカレラ2とカレラ4のモデルがコンプリートカーとして出回っています。カレラ2は車に詳しくない人でも一目でクラシックカーと感じるデザイン。サイドミラーや大きく膨らんだライトは往年のデザインを物語っています。
カレラ4は、いかにもスポーツカーというフォルムで磨き上げれば最新の車種にも劣らない見栄え。ポルシェ社のセンスを感じさせます。
メルセデスベンツのような重厚なフォルムだけでなく、ポルシェのようなスタイリッシュなデザインも創造できるドイツは自動車大国の名を今に受け継いでいます。
ケーニッヒ・C62
出典元:https://en.wheelsage.org/koenig/c62/pictures/290822/
モナコグランプリにもそのままエントリーできそうな車体がケーニッヒのC62です。俗にいうF1仕様の車体を公道向けにチューニングしたケーニッヒ。最高速度は381km/h、車両重量は1070kgにまで落としています。
ケーニッヒC62で街を走れば、注目されるのは必至でしょう。シートも運転席と補助席の間は狭く、ひたすらドライビングテクニックを磨くのに適した一台。トランクなどの荷物スペースは皆無なので、勢いで購入しないようにしましょう。最もC62は郊外を走る分には楽しめるポルシェです。
ジャガーのケーニッヒコンプリートカー
ケーニッヒ・XJ-S
出典元:https://www.jaguarforums.com/articles/jaguar-xjs-koenig-specials-sale/
ドイツ連邦のチューニングメーカーはドーヴァー海峡を越えてカスタマイズを行っています。注目したいのはジャガーのXJ-S。英国らしさを残しつつ、XJ-Sのコンプリートカーを仕上げました。
ケーニッヒのカスタムパーツではリヤフェンダーがファンの間で支持を得ており、外観はドイツ車のようなずっしりとしたコンプリートカーです。
オープン式のXJ-Sはリヤウイングが目を引くような設計になっています。まさにアスファルトを走るジャガーといった風貌です。
ケーニッヒは現在どうなっている?
出典元:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%B5
1977年にウィリー・ケーニッヒによって設立されたチューニングメーカーは2019年現在も営業中。主にオリジナルパーツやチューニングパーツ、ホイールの取り扱いを行っています。
メーカーではフェラーリ、ランボルギーニ、メルセデスベンツ、BMWが中心で愛用者のメンテナンスに対応しているようです。
現在はコンプリートカーのカスタマイズは行っておらず、過去に発売されたコンプリートカーの部品を調達するのを生業としています。
しかしながら、1970年代から1980年代に多くのフェラーリファンを獲得した実績から、ウィリー・ケーニッヒやケーニッヒスペシャルのコンプリートカーを所有するオーナーも世界中に存在し、その英名は知れ渡っています。