2013年12月に現行型が販売されてから約3年半。トヨタのクロスオーバーSUV「ハリアー」が、2017年6月8日に満を持してマイナーチェンジしました。今回のマイナーチェンジでどのような変更があったのか、どれくらいのアップデートしたのかをハリアーの歴史も紹介しながら解説します。
歴代ハリアーを解説
初代ハリアー(1997年-2003年)
初代ハリアーは1997年に販売開始します。その開発コンセプトは「高級セダンの乗り心地や快適な空間を兼ね備えたSUV」トヨタは、この高級SUVというジャンルの先駆者となり、後に世界各国のメーカーがラグジュアリーを兼ね備えたSUVモデルを次々とラインナップしていきます。
2代目ハリアー(2003年-2013年)
2003年2月、ハリアーはフルモデルチェンジを果たし、2代目が発売されます。現行モデルが登場するまでの約10年間、数度のマイナーチェンジを繰り返しつつのロングセラー車種となり、高級SUVの貫禄を見せ付けました。
2005年からハイブリッド使用の販売もスタートしたモデルであり、国内はもとより海外での販売が飛躍的に伸びたハリアーでした。
3代目ハリアー(2013年 – )
現行の3代目は2013年12月に販売を開始します。
この現行型は、高級SUVとしての乗り心地、走行性能さらに燃費を向上させながら、パワートレーンをダウンサイジングするという基本コンセプトを掲げて設計されています。
外観は、ハリアーの伝統である水平貴重を保ちつつ、リアを大きく張り出すことで押しの強い重厚感を出しています。またヘッドライトも全車標準装備でLEDになっております。
そして、パワートレーンは、先代のガソリン車2400CCとハイブリッド3300CC+モーターに対して、2000CCのガソリン仕様車、2500CCのハイブリッド仕様車と、それぞれダウンサイジングしております。
ダウンサイジングしても走行性能が向上する仕組みとして、ガソリン車ではバルブマチック機能付きSUPERCVTの採用。更にアイドルストップを全車標準装備として燃費も向上しております。
マイナーチェンジによる主な変更点は3つ!
今回のアップデートで大きく変更されたのは、次の3つです。
・内外装の意匠変更
・エンジンが、2000CC直噴ターボエンジンの追加
・セーフティセンスPが全グレード標準装備
①内外装の意匠変更
外装の大きな意匠変更として、やはりフロント周りを注目すべきでしょう。バンパーアンダーグリルが、マイナー前は6角形なのに対して、近年トヨタで採用されている台形型になりました。押し出しの強い下部グリルにあわせて、上部グリルの変更も行われました。今回C-HRに採用されたシーケンシャルウインカーも採用。そして今まで2連だったヘッドランプも3連に変更されております。
内装の大きな注目点は、純正ナビの大画面化8インチから9.2インチに拡大。そして電動パーキングブレーキが全車標準装備になりました。
②2000CC直噴ターボエンジンの追加
マイナーチェンジ前にはなかったターボが新たに設定されました。今回、直噴2000CCインタークーラーターボ8AR-FTSが追加されたことで、最高出力が231PSとなり、よりパワフルに走りたい人には非常にうれしいアップデートとなっております。
③セーフティセンスPが全車標準装備に
実は、トヨタでは一部車種を除く、全車種に「Toyota Safety Sense P(セーフティセンスP)」を2017年度末までに搭載することを掲げております。
そのため、今回のハリアーのマイナーチェンジでは、このセーフティセンスPの標準装備は必須であったと考えます。
ハリアーのライバルは、実は身内にある!
ハリアーのライバルとして、マツダ・CX-5、日産・エクストレイル、三菱・アウトランダー、スバル・エクシーガ クロスオーバー7などが挙げられます。しかし、そんな他社SUVよりも真っ先にライバル候補のクルマがあります。それは同じトヨタのC-HRです。
トヨタでは、世界戦略車としてC-HRを世に出しました。一方、ハリアーは全体的な居住空間、走行性能などにおいて、C-HRの上位クラスという位置付けになっています。当然、価格体系もハリアーの方が高い設定です。同社のクロスオーバーSUV同士で食い合いとならないため、トヨタとして購入者の要望を住み分けして販売していけるかがカギとなるでしょう。
また、今後のハリアーの展開としては、やはり7人乗りの車種設定ができるか否かも課題です。トヨタの販売戦略はどのように展開していくのか、これからもますます目が離せません。