ホンダ・ステップワゴンがいよいよ来月マイナーチェンジ!これまでの歴史と最新情報を振り返る

     
   

ミニバン人気の立役者であるホンダ・ステップワゴンが、来月ビッグマイナーチェンジを控えています。既にメーカーのホームページにてティザーサイトが公開されていますが、新型はどのようになるのでしょうか。ここではステップワゴンの歴史を振り返るとともに、現段階でわかっている情報について詳しくお伝えします。

ホンダ・ステップワゴンの歴史

FFミニバンの元祖的存在であった初代ステップワゴン

1995年、ホンダはこの年行われた東京モーターショーにてコンセプトカー「F-MX」を出展します。早くもその翌年、このコンセプトカーはステップワゴンとして市販化されました。オデッセイ、CR-Vに続く「クリエイティブ・ムーバー」の第3弾で、乗用車感覚で扱いやすいことから大ヒット車種となります。他社の多くがFRのシャシーをミニバン用として用いていたのに対し、ホンダはFF用のシャシーを使用して対抗。これが功を奏して圧倒的な室内空間の確保、効率的なパッケージングを実現したのです。

キープコンセプトながら、さらに洗練された2代目ステップワゴン

2代目は、2001年に登場。全体的なフォルムはキープコンセプトでしたが、プラットフォームは新たに設計されました。この2代目では年々厳しくなる安全基準の対応に心血が注がれ、高いボディ剛性を実現したのが最大の特徴です。その副産物としてフロアはさらに低くなり、乗降性がさらに向上しました。またシートアレンジも多彩で、1列目シートが回転するグレードもラインナップされていました。2003年に行われたマイナーチェンジでは、現在も続く「スパーダ」がデビュー。圧倒的な存在感を示したのです。

流麗なフォルムを手に入れた3代目ステップワゴン

これまでの流れとは異なり、都会的なスタイルを手に入れた3代目は2005年に登場しました。もちろん変わったのはかたちだけではなく、さらに低床・低重心化が進められたのがトピックです。これにより乗降性や居住性はもちろん、ミニバンで重要とされる走行安定性も飛躍的に向上しました。そしてこの代から、ついにスライドドアが運転席側にも追加。両側スライドドアとなり、利便性も改善されます。エンジンは燃費特性を重視した2リッターと2.4リッターで、2.4リッター車にはCVTが組み合わされました。

大きくコンセプトを見直した4代目ステップワゴン

ダウンサイジングをおこなった3代目から一転、ボディサイズの見直しが行われたのが4代目です。全長を30~50mm、全高を45mm延長し、室内空間を確保。いっぽう幅は1,695mmをキープし、5ナンバーサイズに収めています。さらに開放感を高めるべく、一部グレードにはスカイルーフと呼ばれるガラスルーフを採用。世界最大級のガラス面積を誇りました。エンジンは2.4リッターが廃止され、2リッター一本となります。またFF車全車にCVTを採用(4WD車は後期型から)、全域で燃費が改善されました。

時代の流れに乗った5代目ステップワゴン

2015年にデビューした現行型となる5代目の特徴は、エンジンが一新されたことです。欧州などで主流となっているダウンサイジングコンセプトに習い、全車1.5リッターVTECターボエンジンを搭載。低回転から鋭くトルクが立ち上がり、2.4リッターNAエンジン並みの優れた加速性能を実現しています。このほかに新しい目玉として、サブドアである「わくわくゲート」を採用。直接3列目シートへのアクセスを可能にしました。また、スポーティグレード「モデューロX」がされ、走りにさらに磨きがかかりました。

ステップワゴンに待望のハイブリッドが登場

ビッグマイナーチェンジを控えるステップワゴンの最大のニュースは、なんといっても待望のハイブリッド車の登場でしょう。ダウンサイジングターボは確かに効率に優れたユニットですが、日本のユーザーへの訴求力は強くありません。そこで今回は、ハイブリッドをメインに据えたというわけです。肝心のハイブリッドシステムは、すでにアコードで定評のある「SPORT HYBRID i-MMD」を採用。アトキンソンサイクルエンジンとモーター、ジェネレーターをコンパクトに組み合わせて、特性の異なるユニットを最大効率で活用することで燃費向上を実現しています。

メインはスパーダ、大幅なフェイスリフトも

今回のマイナーチェンジではラインナップも一新、スパーダが販売の主役に躍り出ます。先述のハイブリッドはスパーダのみの設定となり、これでスパーダはハイブリッド車3グレード、ガソリンエンジンモデル2グレードの計5グレード用意されることになります(通常モデルは、ガソリンエンジンのみの3グレード)。そしてハイライトは、スパーダの大胆なルックスの変更です。ライバルに比べ押し出し感の弱かったスタイリングは、フロントグリル周りのリファインによりメッキ部分の面積が増えて力強い印象へと大きく変わりました。同時に上質感も増し、商品性が飛躍的に向上しています。

安全装備が充実、選ぶ理由が増えた

Honda SENSING作動イメージ

このマイナーチェンジにおけるもうひとつのトピックは、自慢の安全装備がさらに充実したことでしょう。今もっとも進んだ運転支援システムである「Honda SENSING」が搭載されていることはもちろんですが、今回は新たに「渋滞追従機能付ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」「歩行者事故軽減ステアリング」といった機能が追加されます。ライバルの一歩先をいく機能が加わったことで、安全装備を重視するユーザーとしてはステップワゴンを選ぶ理由が増えたといってもいいでしょう。

発売は9月末が濃厚、ライバルも気になる

これまでライバルに比べ劣勢を強いられていた、現行ステップワゴン。しかし今回の大幅な改良で、一挙に巻き返しということも期待できそうです。気になるのは価格ですが、ハイブリッドのベースグレードで310万円台からになるのではないかという情報があります。ライバルのトヨタ・ヴォクシー/ノアのハイブリッド車の価格が同程度ですので、これは十分考えられますね。一方、もう一台のライバルである日産・セレナは、年末にシリーズハイブリッド車であるe-POWERの投入を控えています。ステップワゴンとの走りの性能の違いが、大いに気になるところです。群雄割拠の様相を呈してきたミドルミニバンクラス、果たして生き残るのはどの1台なのでしょうか。新型ステップワゴンは、9月末登場予定です。

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