空飛ぶクルマがいよいよ実用化目前!?経産省も実用化検討を開始!【ジュネーブモーターショー2018最新情報】

空飛ぶクルマがいよいよ実用化目前!?経産省も実用化検討を開始!【ジュネーブモーターショー2018最新情報】
     
   

マンガやアニメの世界で登場する架空の乗り物。その代表といえば「空飛ぶクルマ」でしょう。読者の中にも子供の頃に自由に空を飛びまわれる乗り物に憧れた方は多いと思われます。

そんな近未来の夢の乗り物が実は間もなく街中で見られるかもしれないということをご存知でしょうか!?

スイス・ジュネーブにて3月8日から10日間にわたって開催されたジュネーブモーターショー。その中で、オランダの企業が世界初の量産市販車をうたった空飛ぶクルマを初公開しました。

今回は、この”ナゾの空飛ぶクルマ”の情報をお伝えするとともに、世界や日本での実用化に向けた動きについてもご紹介していきます。

ジュネーブモーターショーで初公開!世界初の量産型空飛ぶクルマ

3月8日から18日まで開催されたジュネーブモーターショーにて、オランダのPAL-V International B.V.(パルヴィインターナショナル)社が、空飛ぶクルマ「PAL-V Liverty」を初公開しました。

これまでイキクルでも空飛ぶクルマについてのいくつかご紹介してきました(アニメやマンガの世界がいよいよ現実に! 「空飛ぶ自動車」が発売)が、PAL-V Livertyはこれまでの空飛ぶクルマと違い、世界初の量産市販タイプということがうたわれています。

さて、PAL-V Livertyはどのようなクルマなのか、スペックを見ていきましょう。

このクルマは地上を走行するドライブモードと空を飛ぶフライトモードの2つのモードがあり、それぞれ違う2基のエンジンが搭載されています。

ドライブモードの外観は3輪車のレースカーのような見た目で、最高出力は100hp、最高速度は160km/hで走行が可能です。

一方、フライトモードはヘリコプターに近い見た目をしています。フライトモードでは最高速度180km/h、最大出力200hp。この大きなローター・ブレードは、普段は折りたたんでルーフに格納されており、飛行時に変形して使用します。

ただし、両モードの切り替えには5~10分の時間が必要で、離着陸時は飛行場と滑走路が必要とのこと。とはいえ、広い空き地があれば十分なようです。

ちなみに、値段は40万ドル(約4300万円)から。販売時期は2019年を予定しているようです。

空飛ぶクルマの実現にはまだまだ問題山積み!?

夢物語ではなくなってきている空飛ぶクルマですが、実現に向けた問題がまだまだあるのが現実です。

先に述べたようにPAL-V Livertyは2019年の納入を目指して、既に欧州航空安全機関とFAA(連邦航空局)の飛行に関する認可を受けているものの、まだアメリカを始めとする多くの国で認可が下りていません。当然ですが認可がなければ走行も飛行もできませんので、今後の各国の動向が注目されます。

そのほかにはライセンスの問題も挙げられます。PAL-V Livertyの場合、自動車免許とヘリコプターのパイロット免許が必要で、さらにPAL-V International B.V.社が発行するライセンスも別に必要となります。道路を走るクルマと違う操作が求められるので当然ですが、たとえ国の認可が下りたとしても実際に運転するとなると相応の技術と労力が求められるでしょう。

そして一番の問題として、空飛ぶクルマの需要があるのかという議論があります。空飛ぶクルマには主に2つの用途が考えられます。

1つ目は「従来のクルマに変わる移動手段」という用途です。確かに空飛ぶクルマは従来の乗り物と比べてロマンもあり、便利で、交通渋滞を気にする必要がない快適さはあるのかもしれません。しかし、現状では導入コストが高く、従来のクルマに取って代わるという可能性は低いでしょう。

2つ目は「新たなサービスや価値の提供」という用途です。例えば、災害で道がふさがった場所への人命救助など、従来の乗り物では時間がかかる場合でも素早く急行できる点は大きなメリットです。また、ヒト、モノ問わない輸送としての手段や、アトラクション、広告といった新しいビジネスサービスの開拓ならアイデア次第でまだまだ可能性は広がっていることでしょう。

空飛ぶクルマ実用化に向けて経産省も検討開始!

空飛ぶクルマの実用化に向けて日本国内でも動き始めています。

経済産業省は3月19日、空飛ぶクルマの実用化に向けた検討を開始しました。今後、2020年代の実用化に向けて、技術開発や法整備などを審議会で議論していく方針で、国土交通省とも連携して規制改革なども進めていくとのことです。

また、空飛ぶクルマを開発しているのは海外のベンチャー企業だけではありません。日本が誇る自動車メーカートヨタが、空飛ぶクルマだと思われる「エアロカー」の構造に関する特許を出願。さらにグーグルの創業者も空飛ぶクルマに膨大な投資をするなど、近年は大企業も活発に動き始めています。

私たちが生きているうちにクルマが空を飛ぶ時代が来るのはおそらく間違いないでしょう。もしかしたら東京オリンピックが終わった頃にはクルマが日本の街中を飛んでいる、なんて光景が見られるかもしれません。近い将来が少し楽しみですね。

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