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スバル・WRX STIタイプRA-Rの特徴は?通常モデルとはどこが違う?
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2018年7月19日、スバルの子会社であるSTIが「WRX STIタイプRA-R」というコンプリートカーを発売しました。499万8240円と、性能を考えると破格の値段を実現。限定500台での販売ということもありますが、なんと発売したその日に完売してしまうという驚きの事態に。
昨年発売されたコンプリートカー「S208」も同じような状態でしたが、こちらは高級志向がゆえに最低価格は626万4000円だったので、それを考えると大幅にコストダウンされたWRX STIタイプRA-Rが即完売となってしまうのも目に見えた結果だったのではないでしょうか。
とはいえ約500万もする車が飛ぶように売れるのにはそれなりの理由が伴うはず。今回はこのWRX STIタイプRA-Rが一体どんな自動車なのかを紹介していきましょう。
STI創立30周年を記念したコンプリートカー
WRX STIタイプRA-RはSTI社の創立30周年を記念して作られたモデルです。RA-Rとは「Record Attempt-Racing」の略で、「記録への挑戦」という意味を持っています。1988年からの30年間、常に新しい記録へ挑戦し続けてきたSTIの記念モデルにふさわしいネーミングですね。
開発にあたってのコンセプトは「軽さ、速さ、愉しさ」です。ここで注目すべきは「愉しさ」が含まれているという点でしょう。STI社の信念は「世界一、気持ちいい走りを目指す」というもので、気持ちいい走りこそが速さに繋がっているとのこと。
「愉しさ」とはこの「気持ちいい走り」のことなのでしょう。軽さと速さが比例することは明白です。そこに愉しさを並べたことがSTI社の進化の秘訣なのではないでしょうか。
バランスとりされたエンジンと専用マフラーでパワーアップ
エンジンは人気モデルのDNAをしっかりと受け継ぎ、「S208」と同じEJ20バランスドBOXERを搭載。レーシングカーのものと同じ志向の元作られたエンジンがそのパワーを裏付けます。
また、ハイパワーを支えているのはエンジンだけではありません。エンジンの性能を活かすうえで重要になってくるのが排気系です。
マフラーには専用に作られた低排圧パフォーマンスマフラーを装備し、通気抵抗を量産車の約6割まで低減することに成功。これらによって最高出力は329馬力にも達します。
鍛造ホイールやカーボンパーツ採用、不要装備を省いて軽量化
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ホイールは18インチの鍛造アルミホイールを採用。自動車において、サスペンションから下の軽量化は他の部分の何倍もの効果を発揮するもの。軽くて丈夫な鍛造ホイールは外せませんね。
またドアミラーカバーも軽量なドライカーボン製に。その他にもヘッドランプウォッシャーやリアフォグランプなどの外装からリアシートのセンターアームレストなどの内装に至るまで、不要装備をグラム単位に渡って徹底的に排除。
とことんこだわった軽量化と、329馬力のパワーが合わさって0~100km/hの加速速度は4秒台を記録。スポーツモデルの中でもトップクラスの加速性を誇っています。
強化サスペンションとブレーキ
サスペンションには高い剛性を誇る倒立式ストラットを採用。路面への追従性を向上させます。更にローダウンコイルスプリングを使うことで車高を10mm低くし、低重心での走行が可能に。これによって高速走行時にも安定した走りが期待できます。
そして速く走れる車において重要なのがブレーキの制動性です。WRX STIタイプRA-RにはSTI パフォーマンスブレーキパッドを装備。高速走行も十分カバー出来るブレーキ性能になっています。
スバル・WRX STIタイプRA-RをさらにカスタムするSTIパフォーマンスパーツも用意
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そのままでも十分すぎる走行性能を誇るWRX STIタイプRA-Rですが、カスタムできる専用のパーツも用意されています。コンセプトを元にパッケージ化されたものから単品パーツまで、用途に合わせて多数をラインナップ。限定車をさらに自分だけの1台に仕上げることができますよ!
STIスタイルパッケージ
STIスタイルパッケージは専用エアロパーツのパッケージです。フロントアンダースポイラーからサイド、リアサイドやリアアンダースポイラーに至るまでを施したボディは空力によって安定性を向上。見た目の印象も尖ったシャープなものになります。
タワーバーなど補強パーツのコンプリートキット
コンプリートキットはボディの強度を調整するための補強パーツのパッケージです。専用のタワーバー、ドロースティフナー、サポートサブフレームを装備することで好みの乗り心地にすることはもちろん、運転に対するレスポンスの向上も期待できます。
カーボントランクスポイラーやGTウィングなどの単品パーツ
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単品パーツも外装から内装、内部の部品に至るまで多数用意されています。リアに装備するトランクスポイラーやGTウィングなどは特に見た目に大きく作用するもの。どちらもカーボンで作られているところに軽量化へのこだわりが見えますね。
スバル・WRX STIタイプRA-Rと歴代インプレッサの軽量モデルのスペックを徹底比較!
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ここまでWRX STIタイプRA-Rについて見てきましたが、これまでに発売されたインプレッサの軽量モデルと比べてみることでその性能がいかほどのものなのか、更にSTI社の進化の軌跡も垣間見ることが出来るでしょう。
ここからは歴代のインプレッサとWRX STIタイプRA-Rを順を追って比較していきましょう。
インプレッサWRXタイプRA STiバージョン(GC8初代)
WRXタイプRA STiバージョン | WRX STIタイプRA-R | |
最高出力 | 280ps | 329ps |
最大トルク | 36.0kg | 44.0kg |
重量 | 1260kg | 1480kg |
まずは1999年に発売された「インプレッサWRXタイプSTiバージョン」から見てみましょう。最高出力、最大トルク共にWRX STIタイプRA-Rの方が大きく上回っていますね。この結果から、約20年間の技術の進歩が伝わってきます。
重量はインプレッサWRXタイプSTiバージョンの方が軽くなっていますが、パワーを比べてみればどちらが速く走れるかは歴然としています。
インプレッサWRX STiタイプRA スペックC(GDB B型)
WRX STiタイプRA スペックC | WRX STIタイプRA-R | |
最高出力 | 280ps | 329ps |
最大トルク | 39.2kg | 44.0kg |
重量 | 1290kg | 1480kg |
続いては2001年に発売された「インプレッサWRX STiタイプRA スペックC」。このモデルも最高出力は280psから変わらず。最大トルクが39.2kgと加速性は少し上がった様子。しかしWRX STIタイプRA-Rにはまだまだ及びません。
インプレッサWRX STiスペックC タイプRA(GDB E型)
WRX STiスペックC タイプRA | WRX STIタイプRA-R | |
最高出力 | 280ps | 329ps |
最大トルク | 43.0kg | 44.0kg |
重量 | 1390kg | 1480kg |
2005年発売の「インプレッサWRX STiスペックC タイプRA」との比較がこちら。最大トルクこそ追いつきそうな勢いですが、最高出力は280psから変わらず。そしてこの頃になると一気に重量が増えてきます。性能を追求するとそれなりの重量が伴ってくるということが分かります。
インプレッサWRX STiスペックC タイプRA-R(GDB G型)
WRX STiスペックC タイプRA-R | WRX STIタイプRA-R | |
最高出力 | 320ps | 329ps |
最大トルク | 44.0kg | 44.0kg |
重量 | 1390kg | 1480kg |
次は2006年発売の「インプレッサWRX STiスペックC タイプRA-R」です。この頃になると最大トルクは並んで、最高出力も大分追いついて来ますね。しかし9psの差というのはまだまだ大きいもの。馬9頭分のパワーと考えるとよくわかります。
インプレッサWRX STI tSタイプRA(GVB)
WRX STI tSタイプRA | WRX STIタイプRA-R | |
最高出力 | 308ps | 329ps |
最大トルク | 43.8kg | 44.0kg |
総重量 | 1450kg | 1480kg |
最後に比べるのは2013年に発売された「インプレッサWRX STI tSタイプRA」です。前のモデルより最高出力と最大トルクが下がってしまいました。エンジンの進化もこれぐらいが上限で、以降はその性能も拮抗していたのでしょう。それを思うとWRX STIタイプRA-Rの329psという数字の凄さを思い知らされます。
またこの頃からサスペンションやボディパーツなどが新しくなっており、乗り心地も大きく変わったのではないでしょうか。
ブランドイメージを作っているもの
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今回は500台の限定販売の即日完売が話題になっていた「スバル・WRX STIタイプRA-R」について書かせていただきました。その走行性能はもちろんのこと、STI社のブランドイメージもその人気の秘密でしょう。
速さを追求するにしても、ただ速いだけではいけません。前年の「S208」と性能を変えずより安価なものをという心意気や、細部にまでこだわった「速さのためだけではない作り」がSTI社のブランドを物語っています。今後どんなモデルが登場するのか、更なる進化が楽しみです!