photo by machu.(CC BY 2.0)
オールドカーと聞くと、「メンテナンスが大変そう」「ちゃんとパーツあるの?」と考える人も多いかもしれませんね。しかしオールドカーの世界では、手を加えれば加えるほど、手がかかればかかるほど、それが楽しくなってくるもの。
今回はマニアックなオールドカーをご紹介したいと思います。とにかくカッコイイ、時代に流されないそのスタイリングをご堪能ください。
「羊の皮を被った狼」。希代の名車!ハコスカGTR
photo by Ypy3
だれもが知っているハコスカGTR。スカイラインという名は高級セダンとして今でも残っており、またGTRはハイスペックスポーツカーとしてスカイラインとは別の車種として生きています。
ハコスカGTRは通称で、1969年から1972年に作られたスカイラインGTRです。当初4ドアセダンでデビューしたことから「羊の皮を被った狼」と言われ、のちに2ドアハードトップも登場しました。
「ハコスカ」の愛称は、ケンメリとの区別をつけるためあとからつけられました。
庶民の味方!かわいい「てんとう虫」・スバル360
photo by Mytho88 (CC BY-SA 3.0)
「てんとう虫」の愛称で親しまれたスバル360。1958年から1970年にかけて作られました。量産型軽自動車初の乗車定員4人の車です。
価格が安く、人気がありました。排気量が356ccでありことから「360」。なんと駆動方式はRRです。今の軽自動車が660ccなので当時の自動車製造事情がうかがわれます。
この車は2サイクルエンジンなので、給油の際にオイルも補給する必要がありました。
トヨタのレーシングシーンの基礎を作った!トヨタ2000GT
photo by Moto "Club4AG" Miwa(CC BY 2.0)
トヨタ2000GTはその流麗なスタイリングが特徴のスポーツカーです。トヨタとヤマハ発動機が共同開発した6気筒DOHCのFR。
モータースポーツで後れをとっていたトヨタがそのイメージリーダーとして開発しました。価格が当時のクラウン2台分以上という238万円だったにもかかわらず、作れば作るほど赤字になっていくという完全に採算度外視の車だったそう。
当時、3つの世界記録と13の国際新記録をつくった車です。
アメリカでも大人気!歴代最高のスタイリングを誇る240Z(フェアレディZ)
photo by Zach87
フェアレディZは、現在でもスペシャリティスポーツカーとして売られていますが、その歴史の中で一番輝いているのは「240Z」です。1969年「ダットサン240Z」としてアメリカ、イギリスで発売、1971年に国内で販売を開始しました。
魅力はなんと言っても「フェアレディ」にふさわしいロングノーズ・ショートデッキのスタイリングと「高性能かつ価格を抑えたスポーツカー」を目指したという動力性能です。スポーツカーの単一モデルとして、世界一の販売台数の記録を持っているそうです。
右ハンドルは「フェアレディZ」、左ハンドルは「ダットサン240Z」。
86よりも渋いっしょ!TE27レビン
photo by Tennen-Gas(CC BY-SA 3.0)
TE27レビンは1972年に発売されたカローラのスポーツバージョンとして登場しました。レビンとともにスプリンタートレノもあり、レビンが「稲妻」、トレノが「雷雲」という意味だそうです。
現在の「86」の大元の車であり、いわゆる「AE86」の前のモデルとなります。開発時から競技用として制作され、レースで無類の強さを誇りました。魅力はなんといってもその安さにあったそうですが、スタイリングも十分それとわかる個性があり、素敵なオールドカーであると思います。
「レビンJ」というOHCエンジンのモデルも存在しました。
「オート三輪!ミゼットだよ!」映画『稲村ジェーン』に登場したダイハツミゼット
photo by PekePON(CC BY-SA 3.0)
中小企業の味方ミゼット。もともとオート三輪というジャンルはあり、一時期とても売れていたそうですが、一時衰退。
自動車の規格や免許制度の改定があって、それまで仕事で自転車やオートバイと使っていた人たちが、このミゼットをこぞって買ったそうです。今では展示用レベルといっていいくらい古い車です。
強制空冷2ストローク単気筒250 ccエンジンで10馬力~12馬力といいますから時代を感じさせます。「ミゼット」は英語で「極小」という意味です。
丸形4灯のテールランプはコイツから!ケンとメリーの「ケンメリ」(スカイライン)
photo by Tennen-Gas(CC BY-SA 3.0)
ケンメリは1972年から作られたスカイラインです。「ケンメリ」という言葉が先行して、実は「ケンとメリーのスカイライン」だということを知らない人が多いようです。
スカイラインの特徴でもあり、絶対なくしてほしくない伝統の丸形4灯のテールランプはケンメリに採用されたのがはじめです。ハコスカの四角いシルエットもいいですが、ケンメリのルーフからテールへの流れるようなラインもまた魅力的です。
ケンメリ以降「GT-R」の名前は一時消え、R32で復活を遂げます。
走り屋といえばこの車!86(AE86)!
photo by Tennen-Gas
車両型式番号AE86。その人気から現代版86が登場してしまうほどの超人気車です。漫画の影響で人気が出たこともあるかもしれませんが、漫画が出る前からもちろん人気のあった車です。
その一番の要因はレビン、トレノの最後のFRということだったのではないでしょうか。世の中はFFの時代になっていき、FRは高級車か高級スポーツカーになっていき、レビンやトレノのような大衆車は次々にFFになっていきました。
パッと見では分かりませんが、AE85というSOHCモデルも存在していました。
どの車もいまだに中古車市場では高値で取引されている名車ばかりです。フェラーリなどの高級車にお金をかけるのもいいですが、このようなオールドカーを苦労して手に入れて維持するのも、味のあるカーライフと言えそうですね。