今では伝説とも言われるBMWの02シリーズ!
旧車としてだけではなく現在でもファンの心を惹きつけてやまないその魅力はいったいどこにあるのでしょうか?
今回はそんなBMW・02シリーズに焦点をあてて、その魅力を余すことなくお伝えします。
BMW・1500の2ドアセダン版として1600-2登場
まずは、BMW・02シリーズの発売の起源に迫ってみます。
BMW・02シリーズの起源とされるのは1960年代に先行して発売されていた4ドアのセダンが原型です。もともと、1500CCのエンジンを搭載したスポーツ感あふれるつくりであった初代を、1966年に2ドア・排気量1600ccとして発売したのがその始まりです。
その時の型式が1600-2(のちに1602)であったため、同シリーズは02シリーズとして定着していきます。
その後に1500ccモデルや2000cc・1800ccなど様々な排気量の同シリーズ車が発売となり、当時のスポーツカーブームの先駆けとして、ヨーロッパ以外の地域でも人気を集めました。
日本では「02」を「マルニ」と呼んで親しまれていました。
そんなBMW・02シリーズですが、大きく2回のモデルチェンジを行っています。モデルチェンジの度に魅力的なラインナップがついかされ、さらにファンを魅了していくことになります。
丸テールが特徴の02シリーズ前期モデル
まずは、特徴的な丸いテールランプがトレードマークの前期です。
前期モデルとしては排気量の違いやカブリオレやハッチバックなど特徴的なモデルが次々に発表となりました。
オプションで選べたBMW1600-2カブリオレ
引用元:https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/article/NEWS/20060915/121217/?P=2
中でも特徴的だったのが1600-2のオプションとして選択できたカブリオレです。車体上部の屋根を潔く取り払ったスタイルは現代でも通用する美しいフォルムで、ファンを虜にしました。
エンジンも1600ccの高回転型エンジンを搭載し、屋根の無くなった構造で軽量化されたボディと相まって、走りの面でも多くの支持を集めたモデルです。
2002のカブリオレ版はトップカブリオに
同じカブリオレ形式の車体は後に発売となったBMW2002にも引き継がれました。
2002の特徴は1600-2のカブリオレの泣き所であったボディ剛性の弱さをカバーするために、同じオープンタイプではあるものの、1600-2では採用されなかった「タルガトップタイプ」を採用した点です。
タルガトップの採用によってボディの剛性は飛躍的にアップし、強化された2000ccのエンジンや大型化されたブレーキディスクの力をかりて、1600-2より一回りも二回りも進化した走りを実現しました。
1.8リッターエンジンの1802追加、インジェクション仕様の2002Ti登場
引用元:https://www.mecum.com/lots/CA0813-168487/1973-bmw-2002-tii/
前期の中のモデルチェンジとして大きな変化として挙げられるのは、中間グレードの1802の発売と同時に発表された、2002Tiの登場です。
これまでのモデルは燃料の供給をキャブレターに頼った構造を有しており、使用環境の変化等でどうしてもセッティングに癖がありました。2002Tiに初搭載されたインジェクション方式により、その問題は大きく改善します。
インジェクションを手に入れた排気量2000ccのエンジンは、これまで苦手とした低速域でも十分なトルクを発揮し、これまで以上にスポーティな走りに磨きがかかりました。
角テールが特徴の02シリーズ後期モデル
様々なモデルが発売となり話題を集めたBMW・02の前期モデルに続いて発表となった後期モデル。前期モデルとの最大の違いはテールランプが丸い形から四角へと変化した点です。
もちろんこれまでのBMW・02シリーズの名に恥じない、新たなモデルも発売となり前期モデルと同様に人気を博していきます。
量産車で初めてターボを搭載した2002ターボ登場
後期の様々なもでるの中でも、もっともインパクトのあったモデルは2002をベースに開発されたターボエンジン搭載モデルではないでしょうか?
これまで、ターボチャージャーの原理やその効力はレースの世界では周知の事実でした。しかし、各部品に求められる耐久性や精度をクリアすることが難しく、量産車への搭載は見送られていました。
そんな中、BMW2002に搭載されたターボチャージャーはこれまでの走りの常識を覆すモデルとして、世界中を驚かせます。
引用元:CLUB CARS
廉価版1502追加、3シリーズ(E21)登場後も継続生産
BMW・02シリーズでは、こんな逸話も残っています。
通常、自動車メーカーは定期的に新型車を発表することで、新たな顧客の獲得を目指します。
しかし、発売当初から根強い人気のBMW・02シリーズはユーザーの強い要望を受けて後に発売となる3シリーズ登場後も量産を続けます。
BMWの長い歴史の中でも後継モデル発売後に、現行モデルの量産が継続されたのはBMW・02シリーズのみです。
02シリーズの系譜を受け継ぐ2シリーズ
引用元:BMW2シリーズ
BMWの歴史を塗り替えることとなった02シリーズは長きにわたってBMWのスポーツブランドをけん引してきました。
そんな02シリーズのイズムを受け継ぐ存在として満を持して登場したのがBMWの2シリーズです。ラグジュアリー重視の3シリーズとは一線を介す新しい2シリーズなBMWの新たなスポーツブランドとして現在もそのイズムを引き継いでいます。
その走りへのこだわりは下段のスペック表からも見て取ることができます。
F22(2014年 – )/F23(2015年 – ) | |||||||
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グレード | 型式 | 排気量(cc) | エンジン | 最高出力(ps/rpm) | 最大トルク(kgm/rpm) | 変速機 | 駆動方式 |
220i クーペ (2014年 – 2016年) | N20B20B | 1,997 | 直列4気筒DOHCターボ | 184/5,000 | 27.5/1,250-4,500 | 8速AT | 後輪駆動 |
220i カブリオレ (2015年 – 2016年) | |||||||
220i クーペ (2016年 – ) | B48B20A | 1,998 | 184/5,000 | 27.5/1,350-4,600 | |||
220i カブリオレ (2016年 – ) | |||||||
M235i クーペ(2014年 – 2016年) | N55B30A | 2,979 | 直列6気筒DOHCターボ | 326/5,800 | 45.9/1,300-4,500 | 8速AT/6速MT | |
M240i クーペ(2016年 – ) | B58B30A | 2,977 | 340/5,500 | 51.0/1,520-4,500 | |||
M2 クーペ(2016年 – ) | N55B30A | 2,979 | 370/6,500 | 47.4/1,400-5,560 オーバーブースト時:51.0 |
7速DCT/6速MT |
02シリーズの中古車購入時の注意点
最後に現在でもファンの多いBMW・02シリーズは中古車市場でも軒並み高値で取引されています。初代の発売から30年以上が経過し、世間では「旧車」と呼ばれる部類に分類されるBMW・02シリーズ。
念願の中古車を手に入れたのはいいが、欠陥だらけでまともにドライブもできない・・・
なんてことにならないためにも、ここでは中古車としてBMW・02シリーズを購入する際の最大の注意点をご紹介します。
02シリーズ購入の際の最大の注意点、それは・・・
「車歴」
です。一般的に旧車と呼ばれる車たちを所有しているオーナーは2パターンのオーナーに分かれます。
一つは新車のままずっとその車を乗り継いでいるオーナー、他方は好きな車を中古で購入し所有しているオーナーです。
前者のようなオーナーから売りに出された中古車は車の修理履歴や整備の内容など、細かな情報が比較的得やすいと言えます。一方、後者の場合は、中古車として何度も転売されている可能性が高く、車歴がほとんど変わらない車も多く存在します。
普通の中古車でも車を維持していく中で過去の整備の記録は大変有用な情報ですが、旧車ともなるとその価値は更に大きくなります。
では、どのようにして履歴のはっきりとした車を選べばよいのでしょう?
答えは専門店です。専門店であれば一般の中古車販売会社では対応できない専門的な修理も可能ですし、何より日本中の02シリーズに関わる様々な情報が入ってくる環境にもあります。
BMW・02シリーズのように、特別な車を中古車で購入する場合には、ぜひとも一度専門店に問い合わせてみることをおおすすめします。