加熱する空冷ポルシェ中古車相場。タイプ930の魅力とは?

加熱する空冷ポルシェ中古車相場。タイプ930の魅力とは?
     
   

昨今、空冷ポルシェの中古車相場が高騰しています。

程度の良い964などは1000万円オーバーなんてざらにあります。もはや投機対象にでもなったかのような相場です。一般のサラリーマンでは欲しくてもなかなか手に入れにくくなっているといえるでしょう。

そんな空冷ポルシェの中でも、今回は筆者が過去に所有した1989年式カレラを紹介したいと思います。

ポルシェ911(930型)とは?

930型は1974年から1989年まで製造されたターボモデルのポルシェ社の社内呼称です。930といえばターボモデルというイメージが一般的です。しかし、1978年から作られた911SCと、1984年から1989年の間に作られたカレラ3.2はNAですが、エンジンコードは930だったため、この2モデルは930カレラというふうに呼ばれています。

私が購入した時は走行距離2万キロで、ワンオーナーの極上車でした。初めてのポルシェでしたので、6年ローンを組んだのを記憶しています。購入前には何冊もの専門誌を読み漁り、知人のポルシェ乗りからアドバイスを受け、何度もお店に足を運び、何台も見た上で購入決定となりました。筆者自身が自動車関係の仕事をしていたこともあり、購入後のメンテナンスや維持費に関しては楽観視していたので、後々のトラブルのことはあまり考えずに購入しました。

なぜ1989年式カレラを選んだかというと930型最終の年式であり、964は高くて手が出せなかったからです。

また、最終型ということで完成されているだろうといった漠然とした理由もありました。外装でもターボモデルでは標準装備のホエールテール(馬鹿でかいリアウィングです)がついていたことも購入理由の1つです。

リアウィングが付いていたことで高速道路のパーキングなどではよく「ターボですか?」と尋ねられることが多かったです。

そんな89年式930ですが、筆者が所有していた期間はわずか4年。東京転勤になり、乗る機会も激減。地方都市のワンルーム家賃程の駐車場代に財政が悲鳴を上げたことが原因でした。いまだに手放したことは後悔しています。今までに自家用車は35台以上所有してきましたが、後にも先にもここまでの魅力をもった車には出会えていません。

日々の運転が一層楽しくなる圧倒的満足感

photo by ヤナギオートサービス

前置きが長くなりましたがインプレッションを紹介したいと思います。

後々自分好みに仕上げていく予定でしたが、まずは慣れないといけないのでノーマルで1年程乗りました。独特のオルガンペダル、アクセルペダルとブレーキペダルが近いため高さを調整してトゥーアンドトゥーができるようにしました。

サーキット走行が目的でしたのでシートはレカロに変更(純正シートもレカロの為シートレールは純正使用できたのは良かった)ステアリングはモモレース、シートベルトはサベルトとドライビングポジション関係だけは最初に変更しました。

4年間でメンテナンスに使用した金額は約100万ほどです。2年目にクラッチオーバーホール。この年式には油圧ラッシュアジャスターが無いため、タペット調整ブレーキ。あとは油脂類交換とチューニングなど、さほど維持費はかかってないと思います。

個体の状態が良かったからでしょうか。オイルはエレメント交換すると12リットルも必要なのですが、空冷ポルシェは半分油冷みたいなものなので私はカストロールのピュアレーシングを使用していました。今の車と違い、暖気には時間がかかるし、パワステは無いし、エアコンは効かないし、手間のかかる車です。しかし、運転自体は楽しく、それなりにステータスもある車なので所有している満足度は高かったです。

まとめ

今後、空冷ポルシェの購入を考えている人へのアドバイスですが、まずは個体の素性や状態を見極める必要があると思います。

知り合いにポルシェ乗りがいることがベストですが「そんな人周りにいないよ」という方はオーナーズクラブミーティングやインターネット上のクラブに入るなどして情報収集するのがよいでしょう。フェラーリやランボルギーニのオーナーズクラブと違いポルシェのオーナーズクラブは走りに主体を置くクラブが多く実利的な情報が多く得られると思います。

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