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米国の自動車産業都市、デトロイトのいまをgoogleストリートビューで調べてみた

2015.10.03

2013年に財政破綻を起こした、アメリカミシガン州の都市「デトロイト」。

人口はピーク時の4割減、廃墟となった家屋は約8万件、警察に通報してもパトカーが到着するまで約1時間(全米平均は11分)という、まさに廃墟です。
※財政破綻当時

「観光客は歩いてはいけない」とまで言われる街ですが、今回はGoogleのストリートビューで探検したいと思います。

デトロイトの歴史

デトロイトと言えば、かつて1899年に自動車産業が産声を上げ、1903年にヘンリー・フォードが「T型フォード」を作り一時代を築き上げた街でもあります。

さらに、後にはゼネラル・モーターズや、クライスラーも誕生。フォード・モーターと合わせて「ビッグ3」と呼ばれ、アメリカ経済を牽引してきました。

全盛期の人口180万人の内、約半数が自動車産業に関わるというまさに「モーターシティ」と呼ぶにふさわしい様相を呈していました。

自動車の聖地とまで呼ばれ、時代のトップを押下していたデトロイトですが、栄枯盛衰、今では一転して廃墟となってしまいました。

最初に紹介したように人口が大幅に減少するだけでなく、財政破綻後は犯罪率も全米100都市の中で最悪を記録するなどしていました。では、そんなデトロイトの現代の様子をストリートビューで探検してみましょう。

デトロイト観光スポットその1:ミシガン中央駅(Michigan Central Station)

デトロイト観光スポットその1:ミシガン中央駅(Michigan Central Station)

では、ここからは財政破綻をする前のデトロイトでの観光スポットをご紹介します。

建設当時は世界で最も高い鉄道駅として有名だったミシガン中央駅。いま見てみると、外側からは少し古いだけのビルですが、中はかなり廃墟化が進んでいます。

ただ、有名ミュージシャンのMVの撮影で使われたり、映画のロケに使われたりなどと需要はある様子。

ちなみに1975年に国家歴史登録財に指定されていますが、1988年に閉鎖されてしまいました。

デトロイトの凋落の理由1:人種対立

1960当時はこれほどの栄華を極めた都市が破綻するなど誰も予想していないことでした。しかし、実は崩壊の火種は当時からくすぶっていたようです。

その原因の一つが人種問題であるという指摘があります。例えば、1967年には無免許の酒場に警察の手入れがあり暴動に発展。この時の客のほとんどが黒人であり、人種対立の溝が深まる原因となったと言われています。

この事件以降、新たな暴動を恐れた白人が次々と市内の中心部から郊外に移り住むようになっていきます。その結果、市の税収が激減し、貧困層が増加。

結果、デトロイトの治安が悪化して人口の流出につながるという悪循環が生まれたのです。

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デトロイト観光スポットその2:カルバリ長老派教会(Calvary Presbyterian Church)

白人が郊外に引っ越すのに伴い、教会の会員数は減り続けました。ここは、2009年に火災が発生してしまった教会があった場所です。

かつては美しいステンドグラスがありましたが、今では見る影もありません。金目のものは全て盗まれていってしまったようです。

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デトロイト観光スポットその3:ヘンリーフォード博物館とグリーンフィールドビレッジ(Henry Ford Museum&Greenfield Villege)


ビッグ3の一角であるフォードの博物館です。ここでは創設者ヘンリー・フォードが集めた様々なコレクションを見ることができます。

歴代の名車だけでなく、身近な電化製品や蒸気機関車、航空機に至る様々な展示品が飾られていました。特に目玉だったのは、ケネディ大統領がダラスで暗殺された時に使用していたリムジン。

市内中心部から比較的離れた位置にある建物はかなり綺麗な状態です。

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デトロイト観光スポットその4:パッカード自動車工場

デトロイトの廃墟といえば!というくらいに有名な廃墟がここ、パッカード自動車工場です。ここはかつて、パッカード社が運営していたミシガン州デトロイトの中でも最大の自動車工場でした。

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Photo By Don O’Brien

今から100年以上も前の1907年に設立され、世界で最も近代的な自動車の製造工場でした。しかし、1958年以降不況の波と品質の低下で閉鎖に…。

廃墟になってからは、探検好きな人だけでなくグラフィティアーティストたちにも人気の場所となっています。

廃墟の敷地内の様子はこちら

デトロイト凋落の理由2:自動車の聖地の影

「自動車の聖地であろうとすること」が街の衰退に拍車をかけたという指摘もあります。ビッグ3(GM・フォード・クライスラー)の3社はデトロイトを「夢のある自動車の街」として演出するために、様々なロビー活動を行ってきました。

その中でも象徴的なものが、デトロイト市民の生活スタイルを自家用車中心にするというもの。結果、電車やバスといった公共交通機関が発達せず、車を持たない人は市内での移動がおぼつかなくなっていきました。

そしてデトロイトは、稼ぐための仕事を探すにも面接をするにも、車が必要な街に。貧困の負の循環を生み出し、凋落の一員となったと言われています。

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デトロイト観光スポットその5:リー・プラザ

リー・プラザ(正式名称:リー・プラザホテル/リー・プラザアパート) はデトロイトを代表する建物の一つでした。15階建ての高層マンションは1981年にはアメリカ合衆国国家歴史登録財として登録もされています。

周囲には同じような高級マンションや、ホテルが軒を連ね1階にはダンスホールなどが設けられていました。しかし、1990年初めごろに高齢者用の施設として再スタート、を切るもまもなく閉鎖。

現在ではほぼ全ての窓が割られた風通しの良い建物になっています。

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住宅街をぶらり

最後に、デトロイト市内の住宅街の様子をご紹介します。

世紀末な雰囲気のエリアから、なんともないアメリカの住宅街の様子の街まで、全てが廃墟化していると思われているデトロイトですが、意外と普通の生活を送っている人も少なくないようです。

この建物は見るからに廃墟です。すでに樹木に飲み込まれつつあるのがわかります。

建物の中には火事の跡が見受けられるものがあります。一節には「地元の警察が浮浪者が住み着くのを防ぐために燃やしている」という噂も。

本当なのかはわかりませんが、効率的とはいえ何か違う気がしますね。

廃墟が多かったイーストサイドと比較すると、ウェストサイドは比較的普通の建物が多い印象を受けます。最盛期よりも大幅に人口が減ったとはいえ、まだまだ多くの人が住んでいることがわかります。

まとめ

市内に東京ドーム28個分の廃墟が立ち並ぶデトロイト。今回紹介したように、かつての建物は取り壊されたり、廃れるがままになっている面もありますが、一方で景気回復の兆しが見えるといった指摘もあります。

例えば、こちらの記事では、JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモン氏が、民主党と共和党が党派を超えた強力をすることで少しずつ改善していっていると指摘しています。

まるで、アメコミ映画に登場するかのようなデトロイトですが、再び立ち上がる日が来るかもしれません。

Top Photo By PROBarbara Eckstein

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文:イキクル編集部


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