各メーカーはどうやってユーザーにクルマを売っているのか
牧野:例えばトヨタのアルファードとヴェルファイアはいわゆる姉妹車と言われているものですが、言ってしまえば同じものですよね。売る側のディーラーさんも売る際に苦労すると思うのですが。
国沢:アルファードを売っているお店とヴェルファイアを売っているお店が隣にないんです。ディーラーが隣に並んでいればお客さんはどっちに買おうかって迷いますよね。だけど、「うちの街にはヴェルファイア売ってるお店があります」、「こっちの街にはアルファード売ってるお店があります」というふうに散らばっていたら別々のお店で買いますよね。
牧野:そういう違いがあったんですね。
国沢:それからもうちょっと言うと、アルファードはちょっと真面目な感じのクルマで、ヴェルファイアはちょっとヤンチャなイメージ。それもまた好みなので、同じようなクルマでもちょっと外観が違う。さっきの口紅でも色や匂いなど、ちょっとした好み差があって、それも選べなくなるとつまらないでしょ。
緒方:そうですね。
牧野:その中から苦労して選ぶわけですからね。
国沢:クルマもそうなんです。今はクルマを全然買おうと思っていないから「なんで50も種類があるんだよ」と思うかもしれませんが、実際買おうとするとまず予算を決めるじゃないですか。その時点で10車種くらいしかなくなっちゃう。その次はボディ。例えば、「4ドアセダンは乗れないからSUVかミニバン」となるともう2車種くらいしかなくなっちゃうんです。
牧野:メーカー内の差は分かりましたが、メーカー同士の差というのはどう違うのでしょうか?
国沢:それもやっぱりカップ麺と一緒で、カップ麺のメーカーが違うのと一緒で、大きな差は全然ないんだと思います。決定的に日産とトヨタが何が違うかって言ったら、人が乗れて、移動できて、燃費もそこまで変わらない、デザインも好みと言われたら、マルちゃんと日清どうやって選びますか?
牧野:そう言われると難しいですね。全然差が感じられないです。
国沢:シャネルとディオールどこが違う?
緒方:う~ん……。
国沢:ほら、こうなるでしょ? 微妙な好みとか、そのメーカーのバックボーンとか。最終的にはそのブランドが好きか嫌いかです。車はバックボーンや趣味性やデザインの違いがありますので、そういうところで皆自分の好き嫌いを決めているんです。
牧野:なるほど、国沢先生のお仕事というのはクルマそのものの批評を行っているというわけなんですね。
国沢:そうです。新しいカップ麺が出たらそれを食べてその批評を言う人なんです。
牧野:ありがとうございます。クルマも口紅やカップ麺と同じで自分の好みのメーカーや車種があるから面白いんですね。
国沢:あとはクルマは高いから簡単には買い替えられない。だから慎重になってバイヤーズガイドを慎重に見るんです。
牧野:それでは最後に国沢先生のまとめをお願いします。
国沢:クルマを買う時はディーラーに行って、試乗させてもらうといいです。試乗すると人間関係ができて断れなくなったらそれも良しかなと思います。
牧野:分かりました。というわけで本日の動画はここまで! また次回お会いしましょう。
【オススメ記事】