2017年上半期新車販売ランキング発表、王者プリウスを抑えたのはN-BOX!

     
   

自販連(日本自動車販売協会連合会)と軽自協(全国軽自動車協会連合会)は6日、6月度の新車販売台数ならびに2017年1~6月期の新車販売台数ランキングを発表しました。それによると、6月度はトヨタのプリウスが1万7946台、ホンダのN-BOXが1万7654台となり、プリウスが僅かな差で登録車と軽自動車を含めた全体のトップとなっています。

また、2017年1~6月期ではN-BOXがプリウスに1万5千台あまりの差を付けてトップとなり、以下ノート、タントという順位となっています。上位の常連だったアクアは8位に沈み、ホンダのフィットはベスト10圏外に消えています。

毎月発表されるこの新車販売台数ランキングは、順位以外にも注目すべき数字が表れており、下位にも注目すべき車種や、販売台数が減った原因や増えた要因が見えてくる貴重な資料です。

それでは登録乗用車と軽自動車それぞれの販売状況を読み解いてみましょう。

2017年6月度新車販売台数ランキング

順位 車名 メーカー 当月台数 前月台数 前年比
1 プリウス トヨタ 17,946 15,092 62.3
2 N-BOX ホンダ 17,654 13,118 113.0
3 C-HR トヨタ 14,318 12,872  
4 ミラ ダイハツ 12,475 10,562 183.4
5 ヴィッツ トヨタ 11,743 6,383 180.1
6 ムーヴ ダイハツ 11,699 10,448 178.8
7 ノート 日産 11,601 9,992 145.8
8 アクア トヨタ 11,453 7,551 76.1
9 タント ダイハツ 11,342 9,868 91.9
10 デイズ 日産 10,937 10,198  

2017年上半期(1~6月)新車販売台数ランキング

順位 車名 メーカー 本年累計 前年累計 前年累計比
1 N-BOX ホンダ 106,231 95,991 110.7
2 プリウス トヨタ 91,246 142,562 64.0
3 ノート 日産 84,211 51,575 163.3
4 タント ダイハツ 80,607 89,361 90.2
5 C-HR トヨタ 79,303    
6 デイズ 日産 76,707 51,370 149.3
7 ムーヴ ダイハツ 72,167 41,487 174.0
8 アクア トヨタ 64,168 89,409 71.8
9 フリード ホンダ 61,057 18,190 335.7
10 スペーシア スズキ 57,763 42,181 136.9

(1)登録乗用車

2017年6月度登録乗用車販売台数ランキング

順位 車名 メーカー 当月台数 前月台数 前年比
1 プリウス トヨタ 17,946 15,092 62.3
2 C-HR トヨタ 14,318 12,872  
3 ヴィッツ トヨタ 11,743 6,383 180.1 
4 ノート 日産 11,601 9,992 145.8 
5 アクア トヨタ 11,453 7,551 76.1 
6 シエンタ トヨタ 9,646 5,966 88.1
7 フリード ホンダ 9,151 8,626 377.5
8 フィット ホンダ 8,738 4,924 87.9
9 インプレッサ スバル 8,480 5,678 290.0
10 カローラ トヨタ 7,727 5,373 103.2 

2017年上半期(1~6月)累計台数

順位 車名 メーカー 本年累計 前年累計 前年累計比
1 プリウス トヨタ 91,246 142,562 64.0 
2 ノート 日産 84,211 51,575 163.3
3 C-HR トヨタ 79,303    
4 アクア トヨタ 64,168 89,409 71.8 
5 フリード ホンダ 61,057 18,190 335.7 
6 セレナ 日産 54,344 35,216 154.3
7 シエンタ トヨタ 54,005 61,054 88.5
8 ヴィッツ トヨタ 51,617 36,771 140.4
9 フィット ホンダ 46,171 58,672 78.7
10 ヴォクシー トヨタ 43,448 44,377 97.9

1.トヨタの憂鬱と戦略プリウスの場合

photo by トヨタ自動車株式会社

6月度の販売台数ではトップとなったプリウスですが、注目するのは前年比です。前年の6月と比べて何と38%あまりも台数を落としているのです。それでもトップになったのは、前年の6月といえば現行モデルがフルモデルチェンジされ新車効果もあって大ヒットを続けていた、その時の販売台数が大きかったからです。

もちろん、発売から1年半経てば新車効果も薄れて販売台数も落ち着くのが普通ですが、あまりにも大きな落ち込みは歴代プリウスの中でも異常事態といえます。しかも1~6月の累計も前年比で36%も落としていることから分かるように、6月単月のことではないのです。

原因はプリウスそのものの魅力のなさ。もう低燃費だけでは売れないという事実が、旧型からの乗り換え需要が一段落した2016年後半から新規ユーザーが取り込めないことにつながったようです。そして、「プリウス」と共通のパワーユニットを持つ「C-HR」の登場でかなりの潜在ユーザーが、スタイリッシュなSUVに流れたことが決定打となりました。2月に加わったPHVによって多少は改善されましたが焼け石に水状態のようです。

その「C-HR」は4月にSUVながら「プリウス」を抜いてトップになるなど絶好調。しかし、「C-HR」の台数をプリウスに加えれば記録的な大ヒット車種となることから、トヨタとしてはユーザーの選択肢をうまく捉えたともいえますが。

2.トヨタの憂鬱と戦略アクアの場合

photo by トヨタ自動車株式会社

プリウスほどではありませんが、同じように前年比を大きく落としているのが「アクア」です。「プリウス」がモデルチェンジするまではトップを快走していたベストセラーカーも、さすがにその神通力が切れてランキングを落とした直接的な原因は、2016年11月に登場した「ノートe-POWER」につきます。

同じコンパクトクラスに登場した「ノートe-POWER」は発売当時「アクア」を燃費性能で抜いたことと、動力にエンジンを使用しないEVならではの未体験の走行性能が話題となり、販売台数で「アクア」そして「プリウス」まで抜き去り、ついにランキングトップに立っています。

そのあおりをまともに受けたのが「アクア」で、その後一気に販売台数を落としました。そして新たにハイブリッド車を導入した「ヴィッツ」のマイナーチェンジで、トヨタ製コンパクトカーの主役は交代することになります。ここでもトヨタとしては「アクア」では「ノートe-POWER」に勝てなくても「ヴィッツ」が代わりに勝てばいいという計算。事実、6月度の販売台数では前年比180%を超える勢いで「ノート」を抑えることに成功しています。

「プリウス」を補う「C-HR」、「アクア」に取って代わる「ヴィッツ」。選手層の厚い野球チームのようなトヨタの底力を見た気がします。

3.注目株はフリードとインプレッサ

photo by 本田技研工業株式会社

トヨタ車以外で注目するのが、前年比300%超えを連発し続けているホンダのコンパクトンミニバン「フリード」です。6月度はトヨタのシエンタにリードを許しましたが、1~6月の累計では「シエンタ」に7先代もの差をつけ、さらに人気の日産「セレナ」やトヨタの「ヴォクシー」をも抑えて、上半期のミニバンNo.1の座についています。

photo by 株式会社SUBARU

もう一台の注目株が新生SUBARUのインプレッサ。前年比290%という驚異的な伸び率を誇る「インプレッサ」は2016年のフルモデルチェンジ以来、じわじわと台数を伸ばし、日本カーオブザイヤーを受賞したころから急激にランキングを上げています。低燃費でも派手な装備もないながらも、クルマ本来の出来と、「アイサイトⅢ」による安全性能が一般に広く認知された結果です。

4.今後の展開:エクストレイルと、スイフトそしてミニバン3兄弟に注目

photo by 日産自動車株式会社

まず、マイナーチェンジされたふたつのミドルサイズSUV、「セレナ」と「ハリアー」の7月以降の販売成績が注目されます。「セレナ」同様「プロパイロット」を設定した「エクストレイル」が同じように大ヒットするのか、「C-HR」の人気に便乗して販売台数を伸ばすライバルの「ハリアー」とともに気になるところです。

そして、2016年12月に新たにマイルドハイブリッドを新設してフルモデルチェンジしたスズキの「スイフト」が、7月12日にストロングハイブリッドを追加導入。6月のランキングでは24位と目立たないながらも、前年比213%と伸びているだけに、ヴィッツやアクアをどこまで食ってくるか注目です。

そして、7月3日にマイナーチェンジされたヴォクシー/ノアエスクァイアのトヨタミニバン3兄弟の販売台数も目が離せません。

(2)軽自動車

2017年6月度軽自動車販売台数ランキング

順位 車名 メーカー 当月台数 前月台数 前年比
1 N-BOX ホンダ 17,654 13,118 113.0
2 ミラ ダイハツ 12,475 10,562 183.4 
3 ムーヴ ダイハツ 11,699 10,448 178.8 
4 タント ダイハツ 11,342 9,868 91.9 
5 デイズ 日産 10,937 10,198 91.9
6 ワゴンR スズキ 9,340 8,807 137.6
7 スペーシア スズキ 8,757 7,747 139.0
8 アルト スズキ 7,435 7,447 95.1
9 N-WGN ホンダ 6,293 5,314 78.1
10 ハスラー スズキ 5,575 5,211 83.7

2017年上半期(1~6月)累計台数

順位 車名 メーカー 本年累計 前年累計 前年累計比
1 N-BOX ホンダ 106,231 95,991 110.7
2 タント ダイハツ 80,607 89,361 90.2 
3 デイズ 日産 76,707 51,370 149.3 
4 ムーヴ ダイハツ 72,167 41,487 174.0 
5 スペーシア スズキ 57,763 42,181 136.9
6 ワゴンR スズキ 57,205 45,736 125.1
7 アルト スズキ 50,915 55,736 91.4
8 ミラ ダイハツ 46,632 47,480 93.6
9 N-WGN ホンダ 44,436 47,480 93.6
10 ハスラー スズキ 41,575 46,062 90.3

1.売れ続けるN-BOX

photo by 本田技研工業株式会社

軽自動車の話題は新型のティザーも流れはじめ、モデル末期の「N-BOX」もさすがに台数を落とすだろうと思われていた予想を裏切り、6月度もトップの座を、しかも2位以下に圧倒的な大差をつけて死守したことです。それも前年比113%と、延び続けるというまさに化け物状態。

「N-BOX」は、2016年度(2016年4月~2017年3月)の販売台数が192,369台となり、年間同様に、2015年度に続いて2年連続で軽四輪車新車販売台数でNo.1となっており、2016年12月~2017年3月には登録車を含めた車名別販売台数において4か月連続で首位を獲得しているのです。

その「N-BOX」が8月31日にフルモデルチェンジされることが発表され、「ホンダセンシング」の標準装備化や大幅な軽量化による燃費の向上、そして新しいシートアレンジによりさらに魅力が増すことが予想されています。したがって、今まで以上に売れるのは確実と見られており、今後6年間ほどはまた「N-BOX」の天下が続く可能性があります。

2.ミライース登場

photo by ダイハツ工業株式会社

2017年5月にフルモデルチェンジを行ったダイハツの「ミライース」がフルに一か月間販売した結果、前年比183%増でライバルの「アルト」のみならず、N-BOX以外全ての軽自動車を抑えて2位に浮上。まともにあおりを受けた「アルト」は前年比を割り込んで8位に陥落してしまいました。これはきしくも現行「アルト」がデビューした時と同じ現象。モデルチェンジのタイミングが異なることでのシーソーゲームとなっています。

3.ダイハツに惨敗のスズキ

photo by スズキ株式会社

ダイハツではこの「ミライース」以外に「ムーヴ」が前年比178%と絶好調で、ライバルの新型「ワゴンR」をリードしています。スズキのトールワゴンでは「スペーシア」も前年比増と好調なのですが、ハッチバック、トール、ハイトールと、全てのクラスでダイハツの後塵を浴び、人気があった「ハスラー」まで前年割れとなる結果となっています。

4.ホンダの軽は「N-BOX」だけ?

その他では絶不調のホンダ「N-ONE」に続いて「N-WGN」も落ち込み、ホンダの軽なら「N-BOX」という構図が完全にできつつあります。そして新型「N-BOX」のための買い控えは、現行「N-BOX」ではなく、この2車に降りかかっているようです。

まとめ 

このように2017年上期の結果は出ました。しかし、6月から7月にかけて新型車が続々と登場。そして9月以降にも東京モーターショーに合わせてさらにビッグネームの登場も控えています。2017年下期は上期以上に目を離せない状況になりそうです。販売ランキングの変動にも注目ですね。

【関連項目】

最も売れたのはトヨタのプリウス!国内の自動車販売台数ランキングの過去5年間を調べてみた

トヨタが自動車販売台数で5年ぶりに首位陥落。日本人がフォルクスワーゲンを好きなわけ

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