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北米トヨタのカムリの特徴は?日本国内仕様との違いは?
トヨタ・カムリの歴史
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トヨタ・カムリの歴史は古く、1980年に誕生した4ドアセダンです。車名の由来は「冠(かむり)」です。初代モデルの正式名称は「セリカ・カムリ」で、当時の駆動方式はFR。2.0リットルDOHCエンジンを搭載したスパルタンな「2000GT」グレードも存在しました。
世界100カ国で販売されているトヨタの世界戦略車で、累計販売台数は何と1800万台以上。2017年7月に6年ぶりのフルモデルチェンジが行われた現行型は、セリカ・カムリを含めると10代目を数えます。
アメリカでは最も売れているセダンの1台
V6エンジン・301馬力の「XSE」グレードも
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米国市場には1983年に投入され、2003年に米国内で販売台数累計1000万台を達成。海外ではBMW5シリーズやメルセデス・ベンツのEクラスと肩を並べる車格で、Eセグメントにおいて絶大な人気を誇っているクルマです。
米国内では月間3万台前後を売り上げ、北米市場の乗用車部門では2002年から16年連続で年間販売台数トップを記録。米国内での単月の販売台数は、2017年のフルモデルチェンジから2018年6月までの1年間に日本国内で販売された台数の合計とほぼ同じです。
日本では、2.5リットルの直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド専用車種。一方、米国ではハイブリッドのほか、2.5リットル直列4気筒エンジン単体のコンベ車も設定されています。
さらにトップグレードには、最大出力301馬力を発生するV型6気筒3.5リットルエンジンを搭載した「XSE」がラインナップされています。
TRDチューニングバージョンのカムリはどんな仕様?
TRDとは
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TRDは、Toyota Racing Development(トヨタ・レーシング・デベロップメント)の略。トヨタテクノクラフトが展開しているブランドで、レーシングカー開発やトヨタ車のチューニングパーツ製造・販売を手掛けています。
2008年には「カローラアクシオ “GT” TRD Turbo」、2010年には「カローラフィールダー “GT” TRD Turbo」を発表。ヴィッツレース用のベース車両「ヴィッツRS “TDR Racing”」などのコンプリートカーも製造しています。
北米におけるトヨタのモータースポーツ活動の拠点となっているのが、トムス・オブ・アメリカを前身とするTRD USA。米国で人気が高いストックカーレース、NASCARに参戦するトヨタのマシンなども独自に製作しています。
「XSE」をベースにエアロパーツや19インチホイールで武装
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2018年11月28日に開幕したロサンゼルスモーターショー2018で、北米トヨタは「カムリTRD」を世界初公開しました。トップグレード「XSE」をベースとしたカムリ初のTRDバージョンで、米国内では2019年秋に発売される見通しです。
ブリヂストンの高性能タイヤ「ポテンザ」と組み合わせた19インチホイールはマットブラック仕上げで、センターキャップには「TRD」の文字が。
ダンパーは専用チューンされたほか、スタビライザーとスプリングも専用パーツに。足回りが強化されたのに合わせ、車高も15mm下げられています。
真っ赤に塗られたキャリパーが目を引くブレーキの性能に加え、ボディ剛性、ハンドリングなども飛躍的に向上。スポーティな排気音を奏でる専用開発のデュアルエグゾーストを装着し、トランスミッションはパドルシフトの8速ATを搭載しています。
エアロパーツの設計は、トヨタが米国に構えているデザインスタジオ「Calty(キャルティ)」が担当。ボディキットはフロントリップとトランクリッドのスポイラー、サイドスカート、ディフューザーの各パーツで構成されます。
2トーンカラーのボディを採用
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「カムリTRD」のボディカラーを観察すると、ボディがホワイト、ルーフやドアミラーがブラックに塗装された2トーンカラーであることが分かります。外観をスポーティに引き締める2トーンカラーは、日本仕様のカムリにも採用されています。
国内でも購入可能なTRDパーツ
「WS」グレード登場に合わせて発売
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日本国内では2018年8月、カムリの一部改良に合わせてスポーティな「WS」グレードが登場。「WS」には3パターンの2トーンカラーが設定され、エクステリアのパーツにも北米の「XSE」と共通の部品が使われています。
「XSE」に最も近い「WS」をターゲットに発売されたのがTRDパーツ。リアスポイラーや左側2本出しマフラーカッターなどを装備した「WS」を、さらに精悍に見せる効果を発揮します。
TRDのラインナップはエアロパーツが中心。LED付きのフロントスポイラー、サイドスカート、フロントとリアのバンパーガーニッシュ、リアサイドとリアトランクのスポイラーが設定されています。
19インチホイールやパフォーマンスダンパーも用意。ただし、これらはチューニングというよりドレスアップの色彩が強いのも確かです。
カムリの上級モデル、アバロンにもTRD仕様を発表!
日本で絶版後も北米トヨタのフラッグシップモデルとして存在
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トヨタ・アバロンはマークⅡ、クレスタの海外モデルとして販売されていた4ドアセダン、クレシーダの後継車としてラインナップされていた車種。北米トヨタの最上級車種です。1994年に製造開始し、1995年から日本に逆輸入されました。
アバロンは1999年、日本国内での販売が中止になりましたが、2000年にフルモデルチェンジした2代目がトヨタ・プロナードの車種名で登場。北米市場に主軸を置いていたことから、トヨタ・セルシオに匹敵するラージクラスセダンでした。
当時最先端のDVDナビゲーションが全車標準装備されるなど、FF最高級セダンの謳い文句にふさわしいクルマでしたが、国内販売は2004年に終了。北米では2005年、3代目にフルモデルチェンジされ、上質なセダンとして根強い人気を保ち続けます。
現行モデルは2018年登場、レクサスESと共通プラットフォーム
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5代目となるアバロンの現行型は2018年に発売。基本性能を高めたTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)のGA-Kプラットフォームは、フロントのエンジンを横置きしたFFベースのためのもの。カムリ、レクサスESと共通しています。
カムリ同様のTRDチューニングメニュー
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北米トヨタは「カムリTRD」と同時に、「アバロンTRD」も発表しました。こちらも2019年秋の北米デビューが予定されています。「カムリTRD 」と同様、足回りを中心としたパフォーマンスを向上。専用のエアロ、インテリアパーツも用意されています。
カムリと同じ3.5リットルV型6気筒エンジンを搭載しているアバロン。カムリを上回る車重がネックとも考えられますが、TRDモデルではカムリより8kg軽いバネ下重量を実現しています。
日本での「カムリTRD」発売は?
Gazoo Racingからリリース?
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北米専用モデルとして販売される「カムリTRD」。ロサンゼルスモーターショー2018で公開された後も、日本市場でのデリバリーをめぐる正式な情報は出ていません。
ただ、「カムリTRD」に関して気になるのはGazoo Racing(GR)の動き。例えば、北米ではトヨタ・86の「TRD スペシャルエディション」が販売されていますが、日本では「86GR」「86GR SPORT」としてラインナップされています。
北米におけるTRD USAに相当する日本のチャンネルが、GRという存在。ならば、北米専用モデルの「カムリTRD」が、日本ではGRブランドから展開されるかも。そんなことを想像すると、否が応でも期待が膨らみます。今後の展開を楽しみに待ちたいですね。