2017年7月3日に、スバルは人気車種の一つでもあるレヴォーグのマイナーチェンジを発表。アクセル・ブレーキ・ステアリング制御を通じて運転手をサポートする「アイサイト・ツーリングアシスト」を搭載した、D型レヴォーグを8月に発売することが決まりました。これまでも安全性において高い評価を受けてきたレヴォーグの新型ということで、世間の注目を集めています。
これまでのレヴォーグ
スバル・レヴォークは2013年の東京モーターショーにて、日本国内での販売が正式発表されます。それまで長くスバルの代表的なステーションワゴンとしてレガシィツーリングワゴンがありましたが、2014年6月に生産終了。その役割を引き継ぐ形でのレヴォーグの販売開始でした。レヴォーグの開発責任者によると、その車名の由来は「レガシィ・レヴォリューション・ツーリング」であるそうです。これまでのレガシィへのファンの期待に応えるだけでなく、新たなツーリングスポーツワゴンの革命的存在となるように、スバルが熱い思いを入れて開発したことが伝わってきます。
レヴォーグの一代目A型から最新のD型まで、低燃費重視の1.6LのFB16型エンジン搭載グレードと、高出力重視の2.0LのFA20型エンジン搭載グレードがあります。トランスミッションには全車リニアトロニック(CVT)ですが、2.0Lモデルでは高出力に対応し、マニュアルモード時の変速やエンジンの反応が素早くなるよう、スポーティに改良された「スポーツリニアトロニック」を採用しています。また、燃費重視や走行性能重視など、目的に合わせたモード切替が可能です。マニュアルやオートマチックとはまた違った、最適なギアを常に使用して走行するリニアトロニックにより、滑らかな走行性能を実現。また、スバルのスポーツセダンであるWRXに似た引き締まったフロントマスクや大きいボンネットのダクト等からは、スバルに受け継がれている“走り”へのこだわりが込められています。
アイサイトはA型から装備されていますが、さらに加えて高性能安全装置であるアドバンスドセイフティパッケージがオプション装備できるようになったのはB型からです。後方からの車両接近の危険を知らせてくれる「スバルリアビークルディテクション」、車両左前方の死角を映す「サイドビューモニター」、対向車や先行車、後続車の状況を検知してヘッドライトやインナーミラーを最適化する「ハイビームアシスト」、アイサイトの作動を確認できる「アイサイトアシストモニター」の四つが主な内容となります。C型ではさらに改良が加えられ、前面衝突時にシートベルトを自動的に締め、乗員が前方へ放り出されないようロックするシートベルトプリテンショナー等が採用されました。
このように、レヴォーグはスポーツ性能だけでなく、マイナーチェンジの度に高水準の安全機能が追加されてきています。2014年には自動車アセスメント(JNCAP)において、レヴォーグをはじめとするスバルの車は「新・安全性能総合評価 ファイブスター賞」を受賞するなど、安全性能においては最高評価を獲得しています。
注目の集まる今回のレヴォーグのマイナーチェンジ
8月から発売されるD型レヴォーグは、「事故ゼロへの挑戦。」と銘打たれたアイサイト・ツーリングアシストをスバル車として初搭載することになりました。既存のアイサイトから進化したこのシステムは、衝突回避・視野拡大・疲れ軽減・安全運転支援、といった要素をもとに、様々な安全性能を持っています。
新機能の「ツーリングアシスト」は、0km/h~120km/hという幅広いスピード域で先行車や区画線を検知してアクセル・ブレーキ・ステアリング操作を滑らかに補助。単調な高速道路巡行や渋滞のストレスや疲労を軽減してくれるなど、様々な場面での活躍が期待できます。
その他のアイサイトの機能として、高速道路で前方車両に全自動で追従するクルーズコントロールシステムや車線逸脱抑制システムなどがあります。衝突回避性能としては、前方に衝突の危険があればドライバーに警告・自動ブレーキをするシステムや、バックする際にも危険を察知して自動ブレーキをかけるシステムを搭載。また、近年多発しているペダルの踏み間違い等による急発進・急後退を抑制するシステムも装備されています。
エクステリアにもマイナーチェンジが施され、LEDフォグランプが追加。より良好な視界と精悍なフロントマスクが両立されています。18インチのアルミホイールは足元をスタイリッシュにまとめ上げ、ビルシュタイン製のダンパーはその高い剛性によりさらに良い操縦性能と乗り心地を実現しました。
エンジンはこれまでと同様1.6Lと2.0Lの二種類があります。1.6Lモデルは燃費16km/L、エンジンの最適化により実用燃費を改善しているほか、アイドリングストップを採用しています。一方2.0Lモデルは燃費13.2km/Lと少し劣るものの、最高出力300馬力、最大トルク40キロと、同排気量において最高クラスの高出力を実現しています。搭載されたスポーツリニアトロニックは、マニュアルモード時には素早い変速を可能としており、優れた走行性能を発揮。1.6Lグレードから最高グレードの2.0STI Sport Eyesightまで、価格帯はおよそ300万円~400万円となっています。
ライバル車との比較
レヴォーグと同じステーションワゴンの国産車には、販売台数の最も多いトヨタ・カローラフィルダーやホンダ・シャトル、マツダ・アテンザワゴンなどがあります。カローラフィルダーやシャトルはその安い新車価格や低燃費に強みがあり、アテンザワゴンはマツダの最上級セダンであるアテンザのデザインを受け継いだ流線形の美しく品のあるデザインが特徴的です。しかしこれらと比較したときに、レヴォーグにはスバルに長く受け継がれてきた“走り”に対する強いこだわりと、高い安全性能という大きな魅力があります。これは容易には模倣されない強みであり、実際にレヴォーグは2014年には国内で3万台以上が販売されるなど、堅調な売り上げを見せています。
スバルの技術の結晶、レヴォーグの今後に期待
スバルのインプレッサやレガシィ、WRXなどの「スポーツ性能」、高い積載能力と普段使いの便利さというステーションワゴンの「実用性」、そして今回のマイナーチェンジによってさらに「安全性」が強化されたD型レヴォーグは、スバルの技術の結晶といっても過言ではないと思います。また、レヴォーグだけに限らず、今後スバルがどのように技術を高め、さらに良い車を開発してくれるのか、期待がふくらむばかりです。
【関連項目】
”The top of Subaru.” 株式会社スバルの魅力をWRXから紐解く