出典元:https://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/pressreleases/pj/?pool=japan&id=2018-06-09-01&lang=jp
ポルシェのEVスポーツカー、ミッションE改めタイカンとはどんな車?
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ポルシェ・ミッションEとして2015年にコンセプトカー発表
遂にポルシェ初となるピュアEV車が登場、その名も「タイカン」と2018年6月8日にアナウンスされました。
6月8日はポルシェにとって記念すべき日。70年前の1948年のこの日、ポルシェのスポーツカーの起源ともいえる初代のポルシェ356”No.1ロードスター”が登録されました。
ポルシェのスポーツカーの70周年の歴史を記念する場で発表されたタイカン、新しい時代の幕開けを感じさせますね。
タイカンは2015年にフランクフルトモーターショーでワールドプレミアされたコンセプトカー「ミッションE」の量産化モデルです。
ミッションEはコンセプトカーという位置づけで出品されましたが、当初から市販化を念頭において開発してきたという経緯があります。
これからの時代、スポーツカーの世界においてもEV化の波は避けられないと時代を読んだ判断だったのでしょう。生産開始は2019年、日本国内での販売開始は2020年になると発表されています。
ル・マン24時間レースで優勝した919ハイブリッドの技術を活用
919ハイブリッドは世界3大レースの内の一つ、歴史あるル・マン24時間耐久レースに参加するために開発されたレーシングマシン。
1923年から続く歴史あるこの大会で優勝した919ハイブリッドの高電圧パワートレインの技術は今回のミッションE=タイカンの開発にも活用されており、919ハイブリッドがあったからこそタイカンが生まれたといっても過言ではないでしょう。
サーキットにおいてもトップクラスの性能を誇る技術を市販車に落とし込んだタイカンの走りには注目が集まります。
2つのモーターによるAWD機構
タイカンには919ハイブリッドに使用されたものと同タイプの永久磁石シンクロナスモーターが2基搭載されるとのこと。
前後に配置されたデュアルモーターによるAWD機構となっています。
911と同じ後輪操舵システム(リアアクスルステアリング)採用
911GT3などに搭載されているスポーツチューニングが施されたリアアスクルステアリングを搭載し、コーナリングなどで安定した走りを実現。その優れた応答性がドライバビリティを向上させています。
スポーツカーのポルシェが誇るこの技術は、ポルシェ全モデルの中でも限られたモデルにしか装備されていません。
広い室内空間、最新のインフォテイメントシステム
インテリアに関してはまだあまり情報がありませんが、アイ・トラッキングシステムが採用されドライバーに合わせてステアリングの位置を調整できるようになっているようです。
EV化したことによって居住空間を確保、パナメーラに迫る室内空間の広さを目指しました。特に狭くなりがちな後部座席の足元スペースに余裕を持たせたということです。
またこれから発売される新型車には無くてはならないインフォテイメントシステムももちろん搭載されるでしょう。ポルシェ・カーコネクトはもちろんその他にも何らかの機能が追加されると見ていいのではないでしょうか。
ポルシェ・タイカンのサイズやスペックは?
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パナメーラよりもコンパクトなセダン
タイカンのボディサイズはコンセプトモデルとして発表されたミッションEのサイズ、全高4,850㎜×全幅1,990㎜×全高1,300㎜になると見られています。
2009年に登場したFセグメントのスポーツセダン、全長5ⅿ、全幅2ⅿを超すパナメーラよりは小型になるとのポルシェのコメントもあることからサイズに関してはほぼこのまま市販されるのではないかと思われます。
クロスツーリスモなどのボディバリエーションも追加?
今年2018年のジュネーブモーターショーで公開されたミッションEクロスツーリスモ。
パワートレインなどのスペックはミッションEそのままに、SUVにアレンジした派生モデルです。フルデジタルコックピットを採用し、新しい時代を感じさせるインテリアへと進化しました。
またミッションEクロスツーリスモにはポルシェコネクトをさらに進化させ、新しいアプリ”DestinationsApp”を搭載しナビ的な使い方はもちろんのこと、レストランの予約や目的地の提案なども行ってくれるとのこと。
さらにはシャシーのセッティングまでこのアプリで行うことが可能。まさに新時代ですね。タイカンにもこの先進機能は搭載されるのではと思います。
タイカンの発売情報としては今のところタイカン一種類のみですが、追ってこのミッションEクロスツーリスモも「タイカンクロスツーリスモ」としての販売があるのではないかと見られています。
二基のモーターで600馬力を発生
最高出力600ps、0-100㎞/hは3.5秒を叩き出すのは強力なデュアルモーターによるパワートレイン。
0-200㎞/h加速においても12秒台という驚きのスペックです。911ハイブリット譲りの極めて優れた加速性能には期待が集まりますね。
フル充電で500kmの航続距離を実現
バッテリーにはリチウムイオンバッテリーを使用、航続距離は理論上500㎞以上が可能とのこと。
一回の充電で実際に走行可能な距離は483㎞だとポルシェはコメントしています。バッテリーも、次世代のものになっているようですね。
15分で80%の高速充電 “ターボチャージング”
タイカンのピュアEV車としての大きな特徴はこのターボチャージングにあるといっても過言ではないでしょう。
これは新たに従来の400V仕様ではなく倍の800V仕様のバッテリーを開発することで実現が可能に。EV車の悩みの一つでもある充電に時間がかかるという欠点を克服しました。
800Vのバッテリーならは15分で約80%の充電が可能になり、400㎞を走行できるようになっています。
しかしこのように優れたバッテリーが存在しても高出力できる充電ステーションがないとその機能は存分には活かされないでしょう。それでなくとも今はまだとても十分な数とは言えない充電スタンドを充実させることは大きな課題の一つです。
もちろんその点についてもポルシェはぬかりありません。なんとダイムラーAG、アウディ、フォルクスワーゲン・グループ、フォード・モーター・カンパニーと共同で合弁会社「Ionity」を設立し、欧州での高速充電インフラを整える事業を展開。
これだけ多くのメーカーが協力していることからも、車はこれから完全にEV化していくものと考えて間違いないでしょう。
ちなみに欧州では2020年までに主要幹線道路に400ヶ所程度の高速充電スタンドの設置を目指しているそうです。
ポルシェ・タイカンのライバルはずばりテスラ・モデルS!
出典元:https://www.tesla.com/jp/models/design
テスラ・モデルS P100Dのスペック
2016年に登場したモデルSの中でも最高性能を誇るテスラ・モデルS P100D。航続距離は613㎞と、タイカンの上を行く性能を誇ります。0-100㎞/hはなんと2.7秒、まごうことなきスーパースポーツカーといえるでしょう。
ボディサイズは全高4,979㎜×全幅1,964㎜×全高1,445㎜。タイカンより一回り大きなサイズのようですね。
テスラ車といえばオートパイロット支援システムも搭載、優れた先進機能でもその個性を発揮しています。
ポルシェ・タイカンのライバルになる今後発売が見込まれるEVスポツカー
フィスカー・EMotion(エモーション)
出典元:https://www.fiskerinc.com/emotion/
レベル4の自動運転技術を備えるなどテスラ・モデルS P100Dと似通った部分もあるフィスカーのEMotion。流れるような曲線系のボディ、そしてバタフライドアとその名の通り見るものの感情に訴えかけるような要素を持った美しい車です。
航続距離は約640㎞、そしてこのEMotionはタイカンと同じく急速充電に対応し9分の充電が可能となっています。
GLM・G4
出典元:http://glm-g4.com/
2016年のパリ・モーターショーでコンセプトモデルが発表されたGLM・G4。2019年の量産に向けて開発が進んでいましたが、今年2018年の3月に開発の一時中止がアナウンスされました。
日本でも2017年の4月にお目見えしていただけに楽しみにしていた方も多かったと思いますが、残念ですね。日本初のEVスーパーカーの誕生が遠のいてしまいました。
航続距離は400㎞、0-100㎞加速は3.7秒というスーパーカーが量産化されるのはもう少し先のことになりそうです。
終わりに
出典元:https://www.porsche.com/japan/jp/aboutporsche/pressreleases/pj/?pool=japan&id=2018-06-09-01&lang=jp
遂にハイスペックなスポーツカーにもEV化の波が押し寄せてきましたね。スポーツカーの代名詞ともいえるポルシェがピュアEVのハイスペックカーを出すことは今後のスポーツカー市場の常識、そして流れを変えていくことになるのかもしれません。
これからインフラが整備され、ガソリンスタンドのようにいたるところに充電スポットが設置されまるでガソリンを補給するように数分でチャージが済む、そんな世の中も遠い将来ではなくなってきたようです。