出典元:https://www.lincoln.com/luxury-suvs/aviator/2020/gallery/
新型リンカーン・アビエーターの特徴は?
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フォード・エクスプローラーのプラットフォーム
現在の大統領専用車「ビースト」を手掛けていることでも知られているキャデラックと並び、アメリカの高級車メーカーとして著名なのがリンカーンです。過去にはリンカーンも複数の大統領専用車を納入していた実績を持っています。
1963年のダラスでのケネディ大統領暗殺の際、大統領が乗っていたのもリンカーン・コンチネンタルのオープンモデルでした。
そのリンカーンが2018年のニューヨーク・オートショーにて高級SUV、アビエーターを発表しました。この新型モデルは2代目となります。
リンカーンは1917年創業の歴史あるメーカーですが、1922年にはフォードに買収されてしまいます。当初は別会社として存在していましたが、1940年にはフォードのリンカーン部門へと吸収、合併されました。
2000年代初めごろにフォードはリンカーンの新車種にフォードのプラットフォームを流用する計画を実行し、このアビエーターもフォード・エクスプローラーをベースにして開発されたという経緯があります。
今回の新型アビエーターに採用された新しいプラットフォームは現在開発中であるとされる次世代のエクスプローラーにおいても使用されると見られています。
V6エンジンの”アビエーター”とハイブリッドモデルの“アビエーター グランドツーリング”
2代目となる新型アビエーターには、ガソリンモデルとハイブリッドの2種類のパワートレインが用意されました。
400ps/55.3kg-mを発揮する3.0LV6ツインターボエンジンを搭載したモデルを”アビエーター”、同じエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせ450ps/82.9kg-mという数値にまで引き上げたハイパフォーマンスなハイブリッドモデルは”アビエーター グランドツーリング”と設定されました。
いずれもトランスミッションには10速セレクトシフトATが組み合わされます。
3列シート6人乗り/7人乗り、3Dオーディオシステム搭載
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北米におけるリンカーンの顧客ニーズとして、3列シートのSUVがあるということ。そこでこの新型アビエーターは3列シートを備えたものになりました。
レザーを贅沢に使用したインテリアはエレガントかつラグジュアリーな魅力を兼ね備えたものに。さらに室内に28個ものスピーカーを設置して最高の環境で音楽を楽しめるオーディオシステムの「Revel Ultima 3Dオーディオシステム」を搭載。
車内にいながらもまるでコンサートホールのような音質で音楽が楽しめます。また警告音にはオーケストラの演奏によるチャイムを使用。とことんまでこだわりつくしたものになっていますね。
路面スキャンなど先進装備も搭載
新型アビエーターの装備で注目を集めているのが前方の路面をセンシングするスキャン・システムの搭載です。
これは先進安全装備として今では一般的になった路面の車線などを読み取る機能ではなく、自車の前方の路面をフォワードセンシング・カメラで監視して路面の陥没や凸凹などを検知し、状態によってはアダプティブ・サスペンションの調整を行って快適な乗り心地をキープするというもの。
さすがはリンカーンの高級SUV、といった印象ですね。
初代アビエーターと後継モデルのリンカーンMKX・MKT
販売が振るわず短期間で終売になった初代アビエーター
初代のアビエーターが登場したのは2003年。
1998年に登場した大型SUVのナビゲーターが北米市場において記録的な大ヒットとなり、2001年頃にはアメリカの大型SUV市場の約4割を占めるまでになったといいます。2019年現在ナビゲーターは4代目へと進化していますが、変わらず現在でも高い人気を誇っています。
そのナビゲーターのヒットによってSUV市場に活路を見出したフォードはナビゲーターの下位モデルにあたるアビエーターを開発しました。しかし時代は現在に続くクロスオーバーSUVの隆盛が始まったころ。
レクサス・RXなどが人気を博し、アビエーターはフォードが期待したほどは売れませんでした。そのため2005年には販売が終了されました。約2年間という短い販売期間でした。
クロスオーバーSUVのMKXが登場、現行モデルはノーチラスへ改称
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その流れを受けて2004年、フォードはクロスオーバーSUVのコンセプトモデルであるアビエーター・コンセプトをデトロイトモーターショーで発表します。
2005年に量産型が発表されますが、名称はMKXとなり、アビエーターの後継として2006年に販売が開始されました。プラットフォームにはフォードのフュージョンやマツダ・アテンザなどと同じCD3プラットフォームが使用されています。
現行モデルは2015年にフルモデルチェンジした2代目ですが、2019年モデルよりノーチラスへ名称が変更されるということです。
MKXとナビゲーターの中間モデルのMKTの後継としての位置づけ
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MKXとナビゲーターの中間的な位置付けにあるMKTは2009年に販売開始されたフルサイズクロスオーバーSUV。ハイヤーや霊柩車としても良く使用されるモデルです。
今回発表された新型アビエーターは実質的にこのMKTの後継的なモデルになると見られています。
新型リンカーン・アビエーターとライバルになる日本では販売されていないミドルサイズSUV
シボレー・トラバース
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2008年にシボレー・トラバースはアップランダー、トレイルブレイザーの後継車種として登場しました。
2017年にフルモデルチェンジが行われ、同クラスの中では屈指の室内空間を持つモデルに進化しました。こういうタイプの車としては珍しくこまごまとした収納が充実しており、ファミリー層を意識していることが窺えます。
Wi-Fiホットスポット機能を搭載しUSBポートも3列のシート全てに完備。最新のインフォテイメントシステムも採用され、時代に合ったクロスオーバーSUVとして存在感を放っています。
ダッジ・デュランゴ
出典元:https://www.dodge.com/durango.html
1998年に誕生し、2004年のフルモデルチェンジを経て一旦2009年で製造中止となったダッジ・デュランゴ。初代モデルはミドルサイズSUVとして初めて3列シートを採用したモデルでもあります。
2年間の眠りを経て2011年に3代目に進化し、販売が再開されました。モノコックボディとなり、シャーシやパワートレインなどがジープ・グランドチェローキーと共有のもになっています。
2018年には新たにハイパフォーマンスモデルとしてSRTグレードが追加されました。このデュランゴSRTは0-96㎞/h加速が4.4秒という数値を叩き出し、3列シートSUV最速を誇るモデルとなっています。
アキュラ・MDX
出典元:https://www.acura.ca/mdx/photos/
ホンダの海外向け高級ブランドであるアキュラで販売されるMDX。北米仕様の2代目オデッセイをベースにした7人乗りの高級SUVとして2001年に誕生しました。
この初代モデルのみホンダ・MDXとして2003年に日本にも登場しています。この2003年の日本販売の際は北米で最上級グレードの「エクスクルーシブ」のみが限定数で販売されましたが、翌年2004年にはベーシックグレードの販売も開始されました。
日本での販売が行われたのは2006年まで。以降、2019年現在にいたるまでMDXの日本販売は行われていません。
現行モデルは3代目。2018年にはアキュラブランドのSUVの中で最もパワフルな321hpを発揮するモデル、MDXスポーツハイブリッドの新型を発表しています。
こうしてみると日本に導入されていない魅力的なSUVって結構ありますね。
今回ご紹介した新型リンカーン・アビエーターもかなり先進的な機能を有した魅力的なSUV。初代は短命に終わりましたが、長い時を経て復活したアビエーター、今度は多くのオーナーの長く愛されていく車種となるのではと期待されます。