私がまだ小学生だった1980年代、ファミリーカーの代表は大型のセダンでした。
我が家も当時人気のあったトヨタのセダンが家族の移動の足として、生活の中心にあったのを覚えています。
それから30年、今では家族の形態や生活パターンも多様化しそれに合わせて、自家用社もその役割が大きく変化しました。
そうした中で、自動車=セダンのイメージは薄れ家族の中心にある車の主流はワゴンタイプへと移り変わっています。
一言にワゴンと言っても「ステーションワゴン」「1BOX」「ミニバン」「ライトバン」・・・
と様々な呼び名があります。
今回は今さら聞けないいろいろなワゴンの違いについて詳しくご紹介していきます。
1BOXだと信じていた車が、実は・・・
1BOX型のワゴン車
ではまずはワゴンタイプの王道!1BOXタイプについてです。
引用元:MOBY
ワゴンタイプの話題でしばしば登場するのが「1BOX」と呼ばれるタイプのワゴン車です。
1BOXとはその名の通り、一つの箱としての構造をもった車の総称です。車は通常「居住空間」「積載空間」「エンジンルーム」の3つの構造に分かれています。
その3つの構造(部屋)を1つの箱の中に詰め込んだ構造をしているのが「1BOX」と呼ばれる車たちです。
何となく大きな箱型の車=1BOXと勘違いをされがちですが、見た目がそっくりでもこの構造上の特徴があっていないと「1BOX]とは呼べません。
商用バンから派生した乗用ワゴン
1BOXの最大の特徴は、構造上の仕切りがないことから空間を最大限広く確保できる点にあります。
その為、もともと1BOXは荷物をたくさん乗せる機会の多い商用車として流通していました。最近ではその広い空間を売りにした家庭用の1BOXも多く販売されていますが、元々は荷物を載せることを前提とした「貨物車」として4ナンバーや1ナンバーの車が主流でした。
そんな商用車の域を超えて一般向けに販売となった1BOXのなかでも根強い人気のある2車種がこちらです。
トヨタ・ハイエースワゴン、日産
引用元:価格.com
言わずと知れた1BOXの王様「TOYOTA・ハイエース」です。
ハイエースの場合、今でも主要な使用目的は商用だと言われています。そして中古車も商用車としては以上なまでの高値で取引されていることも有名です。その理由は故障の少なさ!
一般的に車の寿命は約10年・10万Km走行と言われる中、中古車として出回っているハイエースの中には走行距離が50万Kmをこえている車体もあるほどです。
商用車として故障しない車ほど頼もしいものはありません。
NV350キャラバンワゴン
引用元:Wikipedia
トヨタのハイエースと並んで、人気の1BOXが日産のキャラバンシリーズの後継「NV350」です。
ハイエースの押され気味の勘はありますが、もともとディーゼル方式のエンジン技術では日産はトヨタより優れているとの言われていて、昔から根強い人気を誇るシリーズです。
軽の1BOX型ワゴンの代表モデル
そして最近では、軽自動車の分野でも様々な1BOXモデルの車が発売されています。
これまでは軽自動車=個人の車=ファミリーカーではない
とのイメージがありましたが、最近では1BOXタイプの登場で広い空間と乗り心地を両立したことでファミリーカーとしても軽自動車の1BOXタイプの需要は大きくなっています。
代表的なのは「スズキ・エブリイワゴン」や「ダイハツ・アトレーワゴン」ですが、この2車種ともに、元々は商業用に開発された車体をベースにしています。
1BOX型のワゴン車とミニバンの違いは?
続いて、1BOXと並んでワゴンタイプの車の車体でよく耳にするのが「ミニバン」と呼ばれる車体の車です。
ミニバンとは1BOXとステーションワゴンの良いとこどりをしたような構造のくるまで、短いボンネットと高い屋根、そして通常は3列のシート構成を持った車の総称として使われる言葉です。
1BOXとの象徴的な違いは、短いながらボンネットの構造を持っているところ!この短いボンネットの有無が1BOXとミニバンのちがいといえます。
言い換えればミニバンは1.5BOXともいえる存在です。では代表的なミニバン(1.5BOX)を何台かご紹介します。 “ラージサイズ
ミニバン(1.5BOXワゴン車)の代表モデル(トヨタ・アルファード/ヴェルファイア、日産・エルグランド)
いわゆる3ナンバークラスのミニバンです。トヨタのアルファード/ヴェルファイアや日産のエルグランドなどのこのクラスに分類されます。排気量の3000CC以上のモデルが多く、大人8人でのロングドライブも苦になりません。
引用元:価格.com
ミディアムクラスミニバン(1.5BOXワゴン車)の代表モデル(トヨタ・ノア/ヴォクシー/エスクァイア、日産・セレナ、ホンダ・ステップワゴン)
続いては先ほどよりも一回り小さい5ナンバーサイズのミニバンです。
3ナンバーの大排気量の車と比べて、税金などの優遇も大きくファミリーに人気のサイズです。
引用元:価格.com
スモールクラスミニバン(1.5BOXワゴン車)の代表モデル(トヨタ・シエンタ、ホンダ・フリード、スズキ・ソリオ)
1500cc以下のクラスのミニバンも最近人気のラインナップです。
都会などで駐車場の制限がある場合や、2台目のファミリーカーとしての需要も多く各社様々なコンセプトの車種を発表しています。
引用元:価格.com
軽のミニバン(軽トールワゴン)の代表モデル(ホンダ・N-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タント)
最後はここ数年で一気にその魅力が見直されている、軽自動車規格のミニバンです。
セカンドカーとしてはもちろん、子供が小さいうちは都会でも小回りの利く軽自動車が重宝されています。また、これまでの軽自動車=狭いのイメージとは違い、室内空間も広く設計されていて大人4人でもゆったりと乗車することができます。
引用元:価格.com
2BOX型のステーションワゴン
ここまで1BOXと1.5BOXについて見てきました。続いてはいわゆるステーションワゴンと呼ばれる分類の車たちです。
ステーションワゴンはボディの構成で言えば「2BOX」と言い換えることができます。エンジンルームが独立していて、長いボンネットを持っています。
元々、国内では商用として開発されたものが大半の車種のルーツとなっています。
代表的なのは
トヨタ・カローラフィールダー
スバル・レヴォーグ
引用元:価格.com
等が有名です。
ちなみに海外では、1BOXやミニバンよりもステーションワゴンの人気の方が高い傾向にあります。
その為、外車の多くはステーションワゴンのラインアップはあるもの、ミニバンや1BOXタイプのラインナップは殆どありません。
ステーションワゴンとミニバンの中間的なモデル
そして近年ではユーザーの要望に応える形で、メーカーからはこれまでにない様々な車種が発売となっています。
例えば・・・
ステーションワゴンに近いミニバン(ホンダ・ジェイド、スバル・エクシーガクロスオーバー7)
引用元:価格.com
ミニバンに近いステーションワゴン(トヨタ・プリウスα、ホンダ・シャトル)
引用元:価格.com
などのようにそれぞれの車種のいいとこどりをしたような、中間ともいえる車種が増えています。
車選びの幅が広がるのはユーザーのとっては大歓迎ですね!
たくさんのラインナップから自分に合った車種を見つけて、カーライフを満喫してください。