出典元:https://www.honda.co.jp/news/2019/4190416.html
中国専用電気自動車となるホンダ・X-NVコンセプトとは?
出典元:https://www.honda.co.jp/news/2019/4190416.html
中国の本田技研科技と東風ホンダが共同開発
今年2019年の上海モーターショーで披露された中国専用EVモデルのX-NVコンセプトは、中国の本田技研科技とホンダと東風汽車の合弁会社である東風ホンダが共同開発したモデルです。
ホンダは2025年までに中国市場に20機種以上のEVモデルを導入すると発表しており、先だって発表された理念 VE-1に続いての2番目の導入となりました。
X-NVコンセプトは2019年後半の発売が予定されています。
広汽ホンダの理念 VE-1との違い
理念 VE-1は2018年に広州モーターショーで披露された中国専用のEV車第一弾モデルです。広東省に存在するホンダと広州汽車の合弁会社、広汽ホンダのオリジナルブランドである「理念」から発表されました。
理念 VE-1はホンダのヴェゼルのプラットフォームを使用し、さらにEVシステムの配置を工夫して低重心化するとともにサスペンションに手を加えることによりヴェゼル譲りの広い室内と高い走行安定性を実現しています。
最高出力は120kW、最大トルクは280Nmを発生し航続距離は340㎞です。
X-NVコンセプトに関してはまだ詳細スペックが明らかになっていませんが、理念 VE-1と同じくヴェゼルをベースとしていると思われるためほぼ同じスペックなのではないかと見られています。
ホンダの電気自動車開発の歴史
日本でも少数リース販売されたEVプラス
出典元:https://www.honda.co.jp/news/1997/4970919-evplus.html
ホンダ初となるEV車であるEVプラスは1997年に一号車がラインオフしましたが、開発はなんとその9年前、1988年には開始されていました。
今後段階を踏んで厳しくなるであろう排ガス規制を見越して開発されましたが、当初はCR-Xやシビック3ドアを改造して試作車を制作していたようです。
さまざまな紆余曲折を経て「世界一のEV」を目指すことになった開発チームは専用ボディを開発し、ホンダの名に恥じないEV車を作り上げました。
最高出力は49kW、最大トルクは275Nmを発揮するこのモデルは主にカリフォルニアでリース販売されましたが、わずかながら日本でもリース販売されたといいます。
その数はなんとたった21台。日本においては幻の車、といった存在ですね。
燃料電池自動車のFCX
出典元:https://www.honda.co.jp/news/2002/4021122-fcx.html
2002年には世界初の米国政府による燃料電池車販売認定を取得した燃料電池自動車FCXが日本とアメリカでリース販売されました。最高出力60kW、最大トルク270Nm、航続距離は355㎞。
日本では内閣府や環境庁などに、米国ではロサンゼルス市やサンフランシスコ市などに納入されました。
FCXは3ドアのコンパクトハッチバックでしたが、2008年には4ドアのノッチバックセダンであるFCXクラリティも登場しています。
FCXクラリティの技術を採用したフィットEV
出典元:https://www.honda.co.jp/auto-archive/fit/fitev2016/fundrive/
リチウムイオン電池を使用したFCXクラリティに採用されていたモーター技術を応用し、優れた加速性能と応答性の高いきびきびした走りを実現したフィットEVは、日本では2012年にリース販売が開始されました。
スマートフォンやPCで電池残量が確認できるなど、現在のコネクティッドシステムの先駆けといえる機能を持つのがこのフィットEVの特徴です。
アメリカで販売中のクラリティエレクトリック
出典元:https://automobiles.honda.com/clarity-electric#
クラリティエレクトリックは2018年に日本にも登場した燃料電池自動車、クラリティ フューエル セルをベースにEV仕様にパワートレインを変更したモデルです。
クラリティは燃料電池のフューエル セルとEVのエレクトリックの他にもプラグインハイブリットのPHEVがラインナップされており、同一プラットフォームにおいて3種類の電動パワートレインを採用した世界で初めての車種ということになりました。
ホンダeのプロトタイプ公開
出典元:https://www.honda.co.jp/news/2019/4190227.html
2019年のジュネーブモーターショーで公開されたばかりの新型EV車ホンダeプロトタイプ。近未来的なルックス、キュートな丸目が印象的なモデルです。
専用のプラットフォームが開発されたこのモデルはEV走行距離200㎞以上を達成するとともに急速充電にも対応しています。
コネクテッド機能はもちろんサイドカメラミラーシステムなどの先進装備を搭載したこのモデルは2019年の後半にも生産が開始される予定です。
なぜホンダは中国で電気自動車を導入?
出典元:https://www.honda.co.jp/news/2018/4181116.html
ホンダに限らず現在世界中の自動車メーカーが中国に次々と電気自動車を導入しているのが現状ですが、背景には2019年に中国で導入されたNEV規制が関係しています。
このNEV規制はNEV=新エネルギー車と位置づけ、プラグインハイブリッドとEV、燃料電池の3つの電気パワートレインのいずれかを持つ車を各自動車メーカーの総販売数のうち一定の割合を占めるように義務づけたもので、世界でも類を見ない規制です。
このNEV規制に対応するため中国で生産もしくは販売を行う自動車メーカーはNEV開発を急いでいるといった背景があります。
今や中国は自動車メーカーによって絶対に無視できない巨大なマーケットであり、中国で事業を拡大するにはNEV車の導入が欠かせない、といったことからホンダも電気自動車を中国で導入したと考えられます。
ライバルとなる続々と登場する中国メーカーの電気自動車
北京汽車・EC3
出典元:http://www.bjev.com.cn/html/ec3.html
2018年の成都ショーで発表されたコンパクトハッチバックのEV車、EC3はフロントグリルの両側にLEDランプが縦列で配置されるなど新エネルギー車らしく未来感のあるエクステリアが印象的なモデルです。
かつてのホンダ・フィットEVを彷彿とさせるデザインですが、最高出力45kW、最大トルク150Nmを発揮します。
上海汽車・Roewe eRX5
出典元:https://www.roewe.com.cn/vehicles/roewerx5/
上海汽車の中国国内向け高級ブランド(日本でいえばトヨタのレクサスのような存在)、Roeweからは新型のミッドサイズSUVのRX5とそのプラグインハイブリッドバージョンのeRX5が2016年の北京国際モーターショーでワールドプレミアされています。
Roeweブランドの新しいデザイン言語「律動(リズム)」を採用した第一弾量産モデルであり、eRX5はバンパーまで届く大型のフロントグリルがエクステリアを握力のある雰囲気に仕上げているのが特徴です。
NIO・ES8
出典元:https://www.nio.com/es8?noredirect=
EV専門の自動車メーカー、NIOはニュルブルクリンク北コースで公道走行モデル最速となるラップタイムを記録したEP9を制作したメーカーでもあります。
2018年の北京国際モーターショーで披露されたES8はテスラのように自動運転を前提として開発されたモデルで、欧州メーカーのような洗練されたデザインがひときわ印象的なモデルです。
駆動方式はデュアルモーター式のフルタイム4WDで、バッテリー交換も可能。専用システムを使用すればなんと3分という超高速での充電が可能になっています。
さらにドライバーと会話して様々な機能をこなすAI、NOMIが搭載されていることも特筆すべきポイントでしょう。
シャオペン・G3
出典元:https://www.xiaopeng.com/g3.html
中国ではEVベンチャーが次々と登場していますが、中でも注目されているのは2014年に登場したシャオペン。中国版テスラとも呼ばれ、デザインもテスラを意識していることが読み取れるものになっています。
自動パーキング機能も搭載されるなど、自動運転技術においても引けを取りません。シリコンバレーでの人材確保を行い、テスラからスタッフを引き抜くなど今後もっとテスラに肉薄していくものと考えられています。
EV化に関して日本は欧米、そして中国に後れを取っている印象が否めないですが、今後日本にもEV化の波が押し寄せることは確実。ホンダも近い将来日本においてもEV車を充実させることになってくるでしょう。